京都・大原 ベニシアさんの手作りの四季と暮らし

 

       笑顔のベニシアさんベニシア邸

                      ベニシアさん                   春のベニシア家            近所の方々と作る紫蘇ジュース

 

 

 

         京都・大原 ベニシアさんの手作りの四季と暮らし

 

 

 先日18日夜にも放送されたので、既に多くの方々がご存知でありましょうが、京都・大原には素敵なイギリス人女性が住んおります。日本にやって来て既に37年、岡山や東京などにも住みましたが、結局彼女の魂が吸い込まれるようにして京都についにやって来て、先ずここで小さな英語学校を開きました。それから最早30年にもなります。でもベニシアさん(57歳)にはまだまだ遣り残したことがありました。終の棲家を定め、そしてガーデニングをやる夢が残されていたのです。山岳写真家の夫・梶山正さん(49歳)と、息子の悠仁君と三人で見つけた大原の古民家、そこで暮らそうと決心しました。処が何とまるきり廃屋同然の家、築100年にもなる荒れた状態の廃屋でした。でもご夫婦はくじけることなく、コツコツと補修し、徐々に暮らせる状況にして行ったのです。ガーデニングをやろうと思っても、これも直ぐにやれる土壌ではありませんでした。1メートルもの土を掘り起こし、自分で作った堆肥(落ち葉や剪定した樹木や野菜屑をコンフリーにして掛け自然発酵させた無農薬の自家製)を混ぜて、ようやく植栽が出来る土になるまで5年間以上も掛かったのです。

 特に僕がベニシアさんを好きな理由の最大のわけは、ベス・チャットーさんやターシャさんとは違い、誰よりも何よりも僕にとって、等身大のガーデナーであるということです。彼女への憧れはここから始まりました。そうして何となく出来るという不思議なパワーを戴き、かの壮大な櫻山の第一歩が築かれていったと申し上げても過言ではありません。彼女のような身近な方を通して、僕の夢の一歩が拓かれたのだと心から信じています。何事も無駄にしない、どれも生活の中に取り込んで行く姿勢も大好きです。ハーブで絶対に風邪は撃退出来ると言ったベニシアさんの真剣な眼差しにとっても親しい魅力を感じました。生活者からの目線で彼女を捉えることが出来ます。

 ベニシアさんは本名をベニシア・スタンリー=スミスさんと言い、紛れもなく英国王侯貴族の出身です。本国のご自宅は石造りの立派な豪邸で、部屋が100もあったと言います。ベニシアさんが3歳の時両親は離婚しています。その後の母は4度結婚離婚を繰り返しました。結婚で幸福を掴めると信じた母だったようです。でも殆ど乳母に育てられ、家庭の味を全く知りませんでした。18歳で、最も有名な名門女学校を卒業すると、母に勧められ、社交界にデビューすることになるのですが、ベニシアさんはそれを選びませんでした。19歳になると、独り自分探しの旅に出てしまったのです。スペイン・南フランス・イタリア・そしてインドなど方々を流浪する旅でした。漸くやっとやって来てのが日本、日本各地も放浪します。でも伝統を最も重んじるイギリスと似ていると直感したベニシアさんは結局京都に落ち着き、一度フォールインラブされ結婚し、女の子三人に恵まれましたが、価値観が違ってそう長くは続きませんでした。そして運命的に出逢ったのが山岳写真家の梶山正さんでした。彼も又自分探しの旅に出て、インドに渡り放浪をした経験があります。偶然とはこのようなものでしょう。長い魂の遍歴の末、二人は結婚し、そしてこの大原の里で人生の究極の目標を掴んだベニシアさんだったのです。

 

        キッチンの中の手作りジャムやシロップなど日記をつけるベニシアさん

        シロップや果実酒など満載の棚    ホップの葉陰でハーブティするベニシアさん    紫陽花に似た美しいアナベル

 

 「庭を造ると季節感が分かり、生きている植物たちと同じ呼吸が出来、生きている実感が持てる」と確信したベニシアさんは、古民家を見事に再生させ、英語学校も続けながら庭造りに専念しました。そうして現在大原に来てから12年。何と植物を300種類、ハーブを200種類まで育てる立派なガーデナーとなったのです。春から秋まで絶えることなく花が咲いています。但し造れる庭はたった40坪。この狭さでもベニシアさんの庭はちっとも狭いと感じられません。石垣を利用して、先ずムスカリの球根を10個ほど植えました。すると自然が敏感に反応したのですが、スミレの花たちが一斉に根付き咲いて、立派なロック・ガーデンに変容したのでした。息子の部屋の窓際には思い切り明るくスパニッシュ・ガーデンにし、原色に近い色合いの花々を植えました。赤やオレンジや黄色い派手な色の花たちです。チューリップも時季を換えて花が開くように工夫しました。更に紫や赤や白い花々を植えたワイン・ガーデンも造りました。そして花々の間には各種のハーブを植え、このハーブがベニシアさんの生活の中心になり、一変させたのです。ローズ・ゼラニウムは虫除けに使います。近所の草木染をする方から教えて戴いた柿渋(かきしぶ)は完璧な白蟻対策となり柱や廊下をセッセと磨きました。東側の陽当りが一番いい場所には日本特有のギボシや都忘れなどを植えました。ベニシアさんは日本固有の野の花が大好きです。ベニシアさんのお庭の特徴はありふれた植物に満ちて何一つ特別な植物がないようです。でもこの40坪の小さな場所に300種類も精魂込めて頑張っていらっしゃったのです。何よりもハーブの栽培と、それを全部生活の中に取り込む凄さが何より特筆されるべきことでしょう。ハーブを取る時、「ハーブさん、今日は戴いてもいいですか」とちゃんと挨拶し声を掛けてあげます。バジルやブラック・ミントやタイムなど、その多くのハーブはベニシア家の生活の完全なパートナーなのです。雑草だって一つも無駄ではありません。コンフリーと混ぜて有機肥料を自家製にしているのですから、徹底したものです。そう言えばドクダミとかゲンノショウコとかヨモギなど、現代の日本人たちが忘れかけている日本独特であるハーブの薬草も、彼女は非常に大切にしています。とにかく彼女が作るハーブで、石鹸や食器洗いの洗剤や化粧水など何でも自在に作ってしまうのですから、凄いの一語に尽きます。

 

      秋のベニシア宅薪ストーブ用梶本・ベニシアご夫妻

            秋色のベニシア邸              薪ストーブ用の焚き木      大原を散策するベニシアさんと正さんご夫妻

 

  そしてベニシアさんは英語で回想します。「早いもので日本に暮らすようになって37年の月日が過ぎました。私の英語学校は今年で30年です。うれしいこと悲しいこと、いろいろありました。でも風はいつも優しく私に味方して、この心穏やかな場所まで運んでくれたのです。今こうして窓辺に座り、大原の山並みと霧の中を飛ぶタカの姿を眺めていると、静かな朝、聞こえるのは庭の木の枝を揺らす風の音だけ。詩人キーツの詠んだ秋の風景の中に入り込んだようです。私の心は満たされ、今この時ここにいる幸せに感謝します」と。高いビルもなく、昔ながらの生活に、古き良き本当の日本をしみじみと感じられるのだと彼女は伝えています。最初大原は保守的で受け入れてもらえないかという不安もあったようですが、凛とした朝の空気に、故郷を感じるし、又お婆ちゃんたちは皆親切だったようで、日に日に不安がなくなっていったようなのです。手を掛ければ掛けるほど応えてくれる手ごたえに、ベニシアさんの目が輝いていました。そして私には夢があるのよと言って、近辺を歩き回り、野の花をしっかり観察し、絵を描くことが当分の夢であるかのようでした。素敵なベニシアさんの京都・大原の暮らしです。

 

          柚子とタイムのシロップベニシアさんの絵の一部

           柚子とタイムのシロップ          ベニシアさんのスケッチブック        ベニシアさんの野の花の絵

 

     柿渋(かきしぶ)の造り方 ~柱や板床などをこれを塗ってこすると、白蟻が全く来ないし美的にも素敵になる

            1 まだ青い柿を細かく砕く

            2 容器に入れ重石をして2~3日置く

            3 布袋で搾る

            4 保存容器で発酵させ、数ヵ月後上澄みを利用する

 

   柚子とタイムのシロップ ~咽喉薬などてき面に効果あり

        材料~タイム枝ごとひと掴み、柚子2~3個、ショウガ1カケか2カケ、蜂蜜は適量、ブラウンシュガー600g、水800g

            ① 鍋に、小分けにしたタイム・刻んだショウガ・水を入れ、約30分煎じる

            ② 鍋の汁を布でこす こした後ブラウンシュガーを加える

            ③ 火を止め、柚子の搾り汁と蜂蜜を適量加えて出来上がり

 

       キッチンの一部厨房で柚子

       厨房に下がっている用具類         厨房内で仕事中のベニシアさん          ご自宅で採れる柚子

 

   実は皆さまにベニシアさんに内緒で教えてしまいたいことがあります。先にも申し上げたようにベニシアさんは京都で英語学校をやっています。京都大学近くの百万遍の辺りに、その学校があるのですが、この学校に公式ブログがあります。ここをクリックして御覧なさい。「ベニシア・インターナショナル英会話スクール」と言うのが正式名称ですが、「ベニシアと楽しむ春の大原」など、一般の皆さんを対象とした催し物などがあるようです。そしてこの学校を通してベニシアさんご本人にご連絡されますと、案外日常のベニシアさんに出逢えて触れられるチャンスが出来るかと存じます。非常に明るく気さくで素敵な方です。でも普段そのような手製とか自家製を尊重される生活を送られておりますので、忙しいベニシアさん個人の生活のペースを乱すことがあってはなりません。それだけはご注意として予め申し上げておきます。それとご主人の梶山正さんは山岳写真家だけに一週間のうち半分はご自宅に帰れませんが、実は彼はインド時代に覚えたカリー料理店を経営しております。「レストランDiDi」というお店ですが、叡山電鉄元田中駅の直ぐ傍にそのお店があります。ベニシアさんと梶山さんの出会いの場でもあるのですが、梶山さんは普段殆ど山に行っていて滅多におりません。でも奥さまの影響でしょうか、外人さんのお客様が多く、身体に優しいお野菜中心のカリーで大変美味しかったことをよく覚えております。こちらも是非お機会があればお越し戴ければ一ファンとして幸いに存じます。

 尚これらの画像はすべて放送中の映像から撮影しお借り致しました NHKさまに心からお詫び申し上げます(硯水亭)

 

        ベニシアさんへ硯水亭感想文など 「ベニシアさん 神のめでたきに」 は放映文とは違ったご案内です

 

          放映中の「猫のしっぽ カエルの手」 (Vol 1 春を呼ぶ水仙)

                    「猫のしっぽ カエルの手」 (Vol 2 朝市の仲間たち)              

                         「猫のしっぽ カエルの手」 (Vol 3 春の摘み草  Vol 4 春を祝う Vol 5 陽光に誘われて)  

                    「猫のしっぽ カエルの手」 (Vol 6 古き良き友 Vol 7 風薫る庭)

                    「猫のしっぽ カエルの手」 (Vol 8 初夏の里歩き  Vol 9 夏を迎える)

                    「猫のしっぽ カエルの手」 (Vol 10 もてなしの心  Vol 11 雨の日を楽しむ)

                         「猫のしっぽ カエルの手」 ( Vol 12 夏の大地の贈りもの)    

                    「猫のしっぽ カエルの手」 (Vol 13 夏の思い出) 

                    「猫のしっぽ カエルの手」 (Vol 14 過ぎゆく夏)

 

   順序は違いますが最新更新記事 「ベニシアさんのクリスマス 猫のしっぽ カエルの手 Vol 24 クリスマスがやってくる」                                                

                                    ※ 10月4日 後半の新番組が始まっている 当ブログでは本篇を随時更新中

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