命日と皆既月食

れんげしょうま

                                                                                                                                              御岳山のレンゲショウマ

 

 

命日と皆既月食

 

 

昨日は主人の命日 現在弟さまがお住まいの主人宅へお邪魔し 

先日のお盆以来であったが お線香を御手向け申し上げた

亡くなってまだ一年一ヶ月なのだから 記憶は薄れることは一切なく 

愈々鮮明にさえなりそうな勢いの主人の俤である

時ちょうど皆既月食が見られるというので 弟さまと庭に出てみた 

雲間から幽かにでも見えるようにとの願いは適わなかった

今週末に 私達夫婦はちょっとした新婚旅行に旅発つ 

今私達は幸せの絶頂であるが 私達だけでそんな思いをするつもりはない

まして亡くなった主人の御蔭で知り合いになれたのだし どのような歓びであっても 故人とともに分け合いたいと切に願う

 

妻と自宅で遅い夕餉 主人の命日の話をすると 妻は昨日の出来事のように思い出し 泣く

その時ちょうどテレビで皆既月食の中継が流れた 北海道の夜空から観れた赤銅色した月食だ

すると妻はいう まだこの世にいっぱい思いを残しているんだわ 眼が泣いた後みたいで 真っ赤だものと

 

年中行事の中で三大厄日は 八朔(8月1日)と二百十日(節分から数え9月1日頃)二百二十日である

私達の新婚旅行はそんな大袈裟なものではなく 二百十日前後の各地に伝わる風祭りを取材し 

最後に 『越中おはらの風の盆』を 夜通しで見学するささいな旅行である

石川県・富山県の里山を 出来る限りのんびりと巡る三泊の旅である 

可能であれば 風神さまが収穫を前に悪戯をしないように 見張って来たいものだ

 

御岳山に五万株の大群落をなすレンゲショウマの花翳は 

何処となく哀しみと歓びと 背中合わせで一体であることを告げているかのようである

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カテゴリー: 季節の移ろいの中で パーマリンク

命日と皆既月食 への2件のフィードバック

  1. 道草 より:

    皆既月蝕と亡き師のご命日が重なったのも何かの縁。師を偲んで奥様と共に命日の月も涙したことでしょう。師が別の世に旅立たれてこそ尚も強く生きる俤を秘めて、お二人の現世での新しき旅立ちが幸多きものであることを念じております。
     
    「皆既月蝕」eclipse totale de lune 木村草弥
    明けがたのレム睡眠の夢見の中を起き出して何年ぶりかの皆既月蝕を見た月の面に ひとつの黒い影が近づいてくる月が蝕まれてゆくそれを見ている私がいる何という暗さだろう月は いつもは さほど明るくはないが今暁は 何という暗さだろう月を蝕んでゆく地球の淵に私が居る何という遠さだろう現(うつつ)のすぎゆきに私を置き去りにして私が居る何という儚(はかな)さだろう暗さの中で 私は あの人を抱いたいとしい生きものをそっと包み込むように──。その上を時間が流れ赤銅色の月が ふたたびゆるやかに夏の早暁の森を照らし始めたときぼんやりした意識の底に私たちは居た私の唇は あの人の唇をふさいだまま愛は 確かめられたか傍らに寄り添う暮しが何十年も続いている地球に蝕まれている間も月は確実に太陽の光を受けていた日常の意識が太陽の光を屈折させて届けて来る私の中にすっぽりと包まれるている あの人に──愛を伝える術(すべ)をまさぐり──まだ 愛し尽くしていないいま月蝕の回復を目のあたりにして月と太陽と ふたつのものの間(あわい)に宙(そら)に浮ぶ地球の淵で私は立ちすくんでいる 

  2. 文殊 より:

          道草先生
     
     本当にそうですね。何かが何かと符号するかのように、どこかで何かがつながって、そうしてようやく気が付いて人はトコトン行かなければ何も気が付かない横着な存在かも知れませんですね。主人との縁はどこでどうつながって行くのやら、これから櫻山計画がもっと進んで行くと、昨夜のことなんてホンの序の口で、いっぱい気づかされることが、きっと山のようにあるのでしょう。過去のことが将来のこととして待っているなんて、何かドキドキ致しますが、きっとそのようなことがあるのでしょう。
     又ホンに素敵な詩を頂戴致しまして、有難う御座います。プリントアウトして家内の机の端にそっと置いて来ました。妻もきっと大喜びすることでしょう。いつか京都で、先生の奥様と四人でデート!いかがでしょうか。夢みると楽しいことばかりです。それに向かって頑張ります。地球の淵で、ただ立ちすくむことがないように!
     

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