天高く馬肥ゆる秋

 

岩木山

 

 

 

 

天高く馬肥ゆる秋

 

 

 この絵は亡き主人の絵で たった15分で描いた春の岩木山の絵だ 岩彩とパステルで描かれている 

堂々と「田舎」の名がつく「田舎館村」で描いている

夕べ遅くまで必要に迫られ 主人の部屋にある主人自作の絵や書を整理したが 

とても一日で処理出来る量ではなく 学芸員の資格を持つ人を入れるべきだ

画架には 晴れがましくヴェズレーの聖マドレーヌ教会の油彩が 今仕上がったばかりなように立て架かかってあった 

絵だけで多分3000点は下らないだろう

櫻山に或る程度目途がついたら 主人の全作品を収蔵し 少しずつ入れ替えをしながら 展示しておく小さなお堂でも造ってあげたい 

書もなかなかいい 作品の大半はどこでどのような心境で描かれたものであったか よくよく知っているので 

久し振りに主人とアレコレ会話を楽しみながら 作業をしたように思う

 

 東京は秋の長雨で梅雨のような蒸し蒸しした日が多く カラッと晴れ渡った秋らしい日はまだ来ていない 

然し今頃山形では「芋煮会」のシーズンであろう

その芋煮会を 主人はなるべく多くの社員を入れて 賑やかにするのが好きだった 

山形でご馳走になった芋煮会の味が決して忘れられなかった為でもある

河原で 皆で持ち寄る材料は 芋(粘り気のある里芋) 四角い蒟蒻・豆腐 葱 すき焼き用牛肉 

それに味付けは醤油ベースで 若干の砂糖と味醂とお酒 

河原で里芋の皮を剥き 蒟蒻は手で千切って 葱は2cmぐらい丸切り 河原の石で竈を造り 

大きな鍋に先ず水だけを入れ 里芋が柔らかくなるまで煮る

それから蒟蒻を入れ味付けし 味が沁みたら 豆腐 葱 最後は牛肉の順で入れる 

よくアクを採る それから皆で お揃いの容器に入れて食べる

ただそれだけだが 山形では一シーズン 一人必ず4、5回は出ることになる 

子供会や町会や会社や友人知人などで その時のメンバーは様々だ

秋晴れ渡った大空の許でやる芋煮会の単純で深みのある味わいは 山形県人なら誰でも知っている 

この芋煮会はもともと京都の芋棒と 深い関係がある

昔北前船で酒田から京都へ紅花を運んだ 最上川周辺の紅花生産地近くの船頭達は 

逆に京都から古着や珍しい文物を 酒田から川上へ運び 

最後に最上川の河原で直会(なおらい=ご苦労さん会)をやったという 

処が芋棒のように棒鱈ではなく(棒鱈は比較的高値で正月用になっている)

山形では豚肉より 遥かに牛肉がお安いわけで その牛肉を使って 京都の芋棒を真似たらしい 

それを河原でやって ご苦労さん会をやったといわれている 

実はこの習慣は 北前船の寄港地の南北にわたるあちらこちらで 

今でも見られる食習慣であるから 面白いものがあろう 

まぁ理屈は兎も角 是非ご家族で造って食べて戴きたいお料理で 

上記の通り造り方は至って簡単 すき焼き用の牛肉でなくてもよく 細切れでも充分だ 

人によっては牛蒡や人参・大根など入れてケンチン風にする場合があるが 

芋煮会の本来としては邪道かも知れない 

蒟蒻は絶対に手で千切るべき 味が沁み入る 豆腐は厚く短冊切り 里芋の量の目安は

一人5~8個ぐらいか 粒が大きい場合半分に切る

牛肉は里芋とほぼ同量がいいが 米沢牛の霜降りでなくても 普通の牛肉であれば充分である

 

 私の虫の鳴き声が妻に聞こえたらしい 今日の午前中に帰って来る 

何処へも出掛けず 芋煮会でもしながら ずっと手を繋いで水入らずで過ごそう

 

 

たんぽぽ

 

http://www.imobou.net/ 京都名物・平野屋のいもぼう 海老芋と棒鱈を使用している

http://www.town.nakayama.yamagata.jp/nakayama_machi/shoukai/zukan.htm 山形の芋煮大図鑑

 

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天高く馬肥ゆる秋 への4件のフィードバック

  1. 道草 より:

     
    昨日の京都は午後に通り雨がありました。ひと時、涼しい雨風が窓から吹き込んで来たのも束の間。三十分ばかりで雨の上がった後はまたいっそう蒸し暑さがぶり返し、まるで夏と秋の鬩ぎ合いの有様です。京都も南北ではかなり事情が異なり二、三℃の差はあって、倭姫の御宅辺りはいざ知らず、宇治市に近い我が家はまだ暫くは残暑に見舞われそうです。馬肥ゆるばかりの天高い秋晴れはいつのことかと、待ち焦がれる今日此の頃ではあります。
    春先と違って秋には大陸からの黄砂の飛来も無く、空気は乾いて靄も発生せずあくまで澄み渡った空気が慕わしいもの。この言い伝えの本来の意味は、「秋になると騎馬民族が侵入して来るので要注意」と警戒を呼び掛けた故事とのことです。いずれにしても、円山公園の一角の芋棒が美味しくなるのはもう少し先のこと。「三百年を伝えし味には三百年の味あり」(吉川英治)もむべなるかな。全国只一軒の真似られない京の味なればこそでしょう。これから硯水亭家のお楽しみも更に増すばかり。「秋の馬肥えにけり早雪や來ん」(高浜虚子)。暑さの去るのが待ち遠しいことです。

  2. 文殊 より:

                  道草先生
     
     今日のタイガースの試合を見ていても、いかにも暑そうでしたね。後半バケツでひっくり返すような土砂降りがあって、観客は桟敷の下に避難していても、野球は続行されていました。我が愛する妻は先祖代々タイガースファンとのことで、妻がいる時は妻に従ってタイガースを応援する体たらくぶりです。ぷぷ! でも彼女は余り見ませんので、野球中継の時は読書タイムとなっております。いずれにせよ野球で盛り上がれるのは平和の象徴であります。京都の四条河原町近辺が彼女の自宅です。先生のところとそうは変わりはないでしょうね。白川の疎水べり辺りでしたら、まだ涼しいかも知れませんが・・・・・・・。
     
     仰られる通り、「天高く馬肥ゆる秋」とは、我々が普段使っている意味とはまるで違いますね。紀元前、中国の北方に匈奴(きょうど)と呼ばれる騎馬民族が遊牧生活を営んでいて、彼らが住む土地では冬の寒さが厳しく、その期間は食料が全くとれなかったといわれ、匈奴の人々は馬に春や夏、十分に草を食べさせ肥えさせた。そして、秋になり農耕を営む人々が収穫の時期を迎えると、その収穫物を強奪するために馬を駆って一斉に南下してくる。つまり、「天高く馬肥ゆる秋」とは「秋には北方騎馬民族の侵略を警戒せよ」という戒めの言葉であったようで、「秋には必ず異変が起きる」という意味の故事成語だったようです。ところが日本では五穀豊穣を祝い、異民族に対する警戒どころか、大らかに言葉だけ一人歩きしてしまったようでして、そこが日本人の咀嚼能力の高さでしょうか。
     
     いもぼうの伝統は味そのものでは伝播しなかったのですが、いもぼうを食べた上京をした者達が、よほど美味しかったらしく、山形のみならず、島根など山陰地方にも、いもぼうと同じような伝統料理があるから面白いものだと思っております。山形の芋煮会は割りと簡単に出来ますから、是非一度お試しを!
     

  3. (Kazane) より:

    ご主人様の絵、本当に素敵ですね。私は、こういう色合い、大好きなんです!15分で描かれたなんて、驚いてしまいます。 虫の鳴き声、奥様に聞こえたようで、良かったですね♪先ほど、夕ひばりさんのブログを訪れたところ、硯水亭さんのコメントが目に入りました。奥様を優しく起こす硯水亭さんの様子、想像してしまいました(^^)いいなぁ。ゆっくり夢から覚めると、愛するご主人が夕飯を作ってくれているなんて!でも、作る側も、幸せなのでしょうね。良い休日をお過ごしください♪

  4. 文殊 より:

            風音さま
     
     そうなんですよ。とにかくパワフルに、無心に思い切り描いていました。驚いたのは四国の壇ノ浦に行く時、琴電の電車の窓から、僅か20分の乗車時間内に、何と30枚のスケッチを描いた時でした。迫力満点でした。ですから矢鱈と作品が多いのですが、殆どが未公開です。最も多い絵は風景でした。旅が好きだったものですから、世界各国に行っても日本中を旅して廻っても、絵筆は必ず持ち歩いていました。私と同じで経済学部出身なのですが、経済人は文化に造詣深くないといけないと、自分に叱咤激励するかのように常時言っていましたねぇ。 時々風音さまに褒められるように掲載させて戴きたく存じます!
     
     家の主夫でシェフは私ですから、何とも思わないですね。やれる人がやればいい主義ですし、妻をつまらないことで時間の無駄使いをして欲しくないですから。妻は僅かな間に帰って来てくれても、寸暇を惜しんで勉強に打ち込んでいます。今夜のメニューは茄子の揚げ浸しとだだちゃ豆のヌタでマグロの刺身と里芋と鶏肉の煮物とセロリの浅漬けとお味噌汁でした。造ってくれるモノは何でも美味しいと、私を煽てながら美味しそうに食べてもらいました。
     
     明日は敬老の日ということで、特に爺さんっていないはずなのに、父のいる実家に行って、プレゼントをするそうです。西麻布のどこかに行って、お茶するぐらいでしょうか。せっかくの二人ですから、充分に楽しみたいと存じます!有難う御座いました!
     

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