三輪明神の酒祭り

三輪神社

三輪神社

 

 

 

 

                                                 三輪明神の酒祭り

 

 

 小春日和の中、ウラウラと山之辺の道を歩くと、やがて通称三輪神社に至る。柿の実がタワワになり、紅葉もちょうど見頃で、こころの中まで大和の清新かつ浄化された空気が吸い込まれて行く。ああ何と言う大和の清々しい光景か。日本一の古き道、そして大和一ノ宮の大神神社(三輪明神)。ここではなだらかな三輪山そのものがご神体であり、古代の信仰がそのまま現代にも生きてあること。余所行きではない顔で、平常の顔そのものの森厳な神社である。万物の守り神として、人々から畏敬の念を受けて来られた。数々のお祭りがあるが、11月14日の昨日酒祭りがあった。全国の酒造元から寄せられた新酒で、既に境内はムンムンとしたお酒の匂い。それだけでも充分に酔いそうである。やがてこの祭りにだけ出る『御神酒の巫女舞』が恭しく奏上される。

 

三輪神社

三輪神社

 

 清純な巫女達の、清楚な舞が続く。まるで一緒に大神さまに面対しているような錯覚がする。新しく出来たお酒を清め祓って、これからも続く新酒の『醸造安全祈願祭』と呼ばれる由縁である。大神さまを「酒の神様」「醸造の祖神」と仰がれるご神徳を称えてのことであろう。この日社頭では、各醸造元より奉納された四斗樽の鏡が開かれて参拝者に振る舞われ、境内が甘美なお酒の匂いで満ち溢れる。又前日の13日には、拝殿・祈祷殿向拝に巨大な杉玉(直径1メートル60センチ、重さ150キロ)が、6人の奉仕者により、緑色も鮮やかな新しいものへと取り替えられる。

 

三輪神社

 

 この佳き日に、我が尊敬する酒仙・道草先生(http://blog.livedoor.jp/syoukaibu/  ふらり道草)と、こころから歓びを共にしたいと願ってやまないのである。 先日私がタラタラとお酒の講釈を申し上げた通り、寒仕込みのお酒がちょうどいい塩梅で美味しさを増して来る時季である。(新酒と言っても今秋出来立てのボージョレ・ヌーヴォーとは大きく意味が違っている) 熱燗によし冷酒によし、ちょいと見繕った酒の肴で一献飲りたいものである。一献とは、一杯と言う現代の意味ではなかった。車座に座った大勢の人々によって、なみなみに注がれた大杯を廻し飲むのが通例で、その一巡を一献と言うのである。いずれにせよ人と人のこころを開き合うのが酒飲みの原点であるのだろう。話は横道に逸れるが、日本では一般的に一杯飲もうと言うのを、ロシアでは二杯飲もうと言う。面白いなぁといつも思っている。

 さて大神(おおみわ)神社の御神徳に酒の神の御恩寵があるわけだが、三輪明神には出雲系統の神々がいらっしゃる。出雲の最初の神はスサノヲノミコトであった。ヤマタノオロチを退治する時、ミコトは一計を案じ、チャンバラが始まる前に、自らが造りし醸造酒(今で言うワイン)を強かに飲ませ、大蛇がヘベレケになったところを討ち果たした謂れがある。それで本来の酒の神はスサノヲノミコトではなかろうかと小生は思い込んでいる。大神神社にはスサノヲノミコトの子孫であるオオクニヌシノミコトが御祭神でいらっしゃるので、その繋がりで大神神社は酒の神であらせられるのか。ふとそんなことを思いながらもう少しお調べしてみたいものである。

 

三輪神社

三輪神社

                              http://www.oomiwa.or.jp/index.html   大神(おおみわ)神社の公式ホームページ

 

 

 但し本日は11月第3木曜日で、世界初解禁の日本にいる以上、ちょいと誘惑に負けて、

ボージョレ・ヌーヴォを購入してしまった。しかも品質に文句なしのボジョレー ヴィラージュ・ヌーヴォー・キュヴェグラン・スペシャル(赤) 

普段私の晩酌は日本酒の冷酒だが、今宵だけはワインにしよう!三輪明神さま、御免なさい。 

 

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三輪明神の酒祭り への2件のフィードバック

  1. 道草 より:

    「三輪山をしかも隠すか雲だにも情あらなむ隠さふべしや」額田君もかくやと、昨日今日の大和路は晩秋の風情もたけなわ。もし和服の香の君が往かれればさぞ絵になることでしょう。私は大和路ならぬ丹波路で秋の一日を遊んでまいりました。昼間から、冷酒ならぬ玲酒とも称えられる美酒にて暫しの秋日を満喫し、加えて、それこそ酒聖の硯水亭Ⅱさんには釈迦に説法の、木香・老香・吟醸香・冴・円味・麹花・淡麗・濃醇等々の言葉遊びなどにも興じたことでした。
    「大和行」    八木重吉
     
    大和の國の水は
    はるばると 紀伊とのさかいの山山のつらなり
    ああ 黄金のほそいいとにひかつて
    秋のこころが ふりそそぎます
     
    さとうきびの一片をかじる
    きたない子が 築地からひよつくりとびだすのも うつくしい
    このちさくも赤い花も うれしく
    しんみりと むねへしみてゆきます
     
    きようはからりと 天気もいいんだし
    わけもなく わたしは童話の世界をゆく
     
    日はうらうらうらと わずかに 白い雲がわき
    みかん畑には 少年の日の夢がねむる
     
    皇陵や また みささぎのうへの しずかな雲や
    追憶は はてしなく うつくしくうまれ
    志幾の宮の 舞殿にゆかをならして そでをふる
    白衣(はくえ)の神女(みこ)は くちびるが 紅い

  2. 文殊 より:

             道草先生
     
     いやぁばれましたね。それにしても、どうしてお分かりでしたか。正直に申し上げれば、酒の神に対し奉り、私の代参を兼ねて、妻が大和路に参りました。三輪明神は最古の神社にて、多くの願い事を叶えて下さる大和国第一の一ノ宮でありますから。おっしゃられる通り和服で参りました。腰まである長い黒髪を、束ねて櫛上げし、観客席の一番前にて、特別な【御神酒の巫女舞】を見学させて戴いたようです。妻は普段から神経が昂ぶっているのを少々押えると言うか和らげる程度しかお酒を頂きませんが、お酒の場の雰囲気は大好きなようです。
     
     先生は大和路ではなく、丹波路であったとか。秋の故郷の雰囲気は如何なものだったでしょうか。懐かしさが溢れかえっておられたことでしょう。丹波には格安のいいワインがあり、丹波の地のお野菜などと一献交わされたことでしょう。とても羨ましいことであります。馥郁たる丹波の秋には馥郁たる美酒が似合いそうです。どんな生野菜も丸かじり致しますと、甘みが違って驚くばかりです。秋茄子はまだ御座いましたでしょうか。あれこれ丹波のことを想像すると楽しみばかりです。
     
     八木重吉先生の詩は、大和の雰囲気を伝えてあまりありますねぇ。「舞殿にゆかをならして そでをふる 白衣の神女は くちびるが 紅い」美しい表現ですね。今日も有難う御座いました。
     

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