かぐやとおきなとおうな

かぐやから観た地球

                               月から観たブルー色をした地球

 

 

 

           かぐやとおきなとおうな

 

 

 日本の宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)が、月周回衛星「かぐや(SELENE)」を打ち上げたのは、今年9月14日10時31分01秒であった。この目的は月の起源と進化の解明のための科学データを取得することと、月周回軌道への投入や軌道姿勢制御技術の実証を行うことで、「かぐや」は高度約100kmの極・円軌道を周回する主衛星と、より高い楕円軌道を周回する2機の子衛星(「おきな(リレー衛星)」・「おうな(VRAD(ブイラド)衛星))から構成されている。これらの衛星には14種類のミッション機器が搭載され、アポロ計画以来最大規模の本格的な月の探査が行われる(大部分JAXA説明文より)。

 先日NHKハイビジョンで、何と月から眺めた地球の中継があった。多くの方々が御覧になられたことであろう。そして翌日再びNHK総合放送で、この「かぐや」の機能や目的などの解説や地球の上弦の映像が放送された。地球はブルーに光輝き、何と美しいのか、驚きと感動が湧き上がったに違いない。小生はこのブルーの美しい星を観て、人間の横柄さによる地球温暖化の問題や巨大利権まみれの戦争の継続や飢餓や貧困や詰まらない事件・事故があるのに、こまごまと思いを馳せ、何だか悔しくって、この美しさに済まないと思い、ついホロリと泣けてしまった。

 月はいつも同じ面を見せている。「かぐや」は月の裏側まで見せてくれると言うので、どうしてそんなことが出来るのだろうと訝りながら観ていると、本体の「かぐや」から、ゴムパッチンの要領で切り離された二つの小さな子衛星によって、裏側に廻った時の「かぐや」が観えると言う。しかも名前が素敵ではないか。「おきな(リレー衛星)」と「おうな(VRAD衛星)」であって、それによって中継されると言う。月の荒々しい表面から次第に競り上がってくる地球。しかも鮮やかなハイビジョンの映像。手触りさえ感じられる。ただでさえ天体に興味を持ち、ハワイ島の国立天文台まで時々出掛ける私が感動しないわけがない。東京の夜空が晴れている時など、私のペントハウスの屋上庭園に天体望遠鏡をガチッと据えて、いい年をしていつまでも浪漫を追い続けている。今、秋の星座から冬の星座に移りつつあるその中で、この中継をどんなに感動したであろうか。「竹取翁の物語」の続きには、こうした浪漫があったのである。まさに現代に「なよ竹」の物語が復活した瞬間であった。

 ついでに日本最古の物語である竹取物語(別名;竹取翁の物語)のあらすじを、Wikipediaから、以下現代語ながらそのまま書き写させて頂いた。

 竹を切って来ていろいろな製品を作って暮らしていた、竹取の翁とその妻の嫗がいた。ある日、竹取の翁が竹林に出かけていくと、根元が光り輝いている竹があった。なんだろうと思って切ってみると、中から三ほどの可愛らしい女の子が出てきたので、自分たちの子供として育てることにした。その日から竹の中に金を見つける日が続き、竹取の翁の夫婦は豊かになっていった。翁が見つけた子供はどんどん大きくなり、三ヶ月ほどで年頃の娘になった。この世のものとは思えないほど美しくなった娘に、人を呼んで名前をつけることになった。呼ばれてきた人は、「なよ竹のかぐや姫」と名づけた。この時、男女を問わず人を集め、三日にわたって様々な遊びをした。

 世間の男たちは、高貴な人も下層の人も皆なんとかしてかぐや姫と結婚したいと思った。その姿を覗き見ようと竹取の翁の家の周りをうろつく公達は後を絶たず、彼らは竹取の翁の家の周りで過ごしていた。そのうちに熱意のないものは来なくなっていった。最後に残ったのは好色といわれる五人の公達で、彼らはあきらめず、夜昼となく通ってきた。彼らの名は石作皇子、車持皇子、右大臣阿倍御主人大納言大伴御行中納言石上麻呂といった。

 彼らがあきらめそうにないのを見て、翁がかぐや姫に「女は男と結婚するものだ。お前も彼らの中から選びなさい。」というと、かぐや姫は「『私の言うものを持ってくることができた人と結婚したいと思います』と彼らに伝えてください」と言った。夜になると、例の五人が集まって来た。翁は五人の公達を集め、かぐや姫の意思を伝えた。

 その意思とは石作皇子には仏の御石の鉢、車持皇子には蓬莱の玉の枝、右大臣阿倍御主人には火鼠の裘、大納言大伴御行には龍の首の珠、中納言石上麻呂には燕の子安貝を持ってこさせるというものだった。どれも話にしか聞かない珍しい宝ばかりで、手に入れるのは困難だった。

 石作は只の鉢を持っていってばれ、車持は偽物をわざわざ作ったが職人がやってきてばれ、阿倍はそれは燃えない物とされていたのに燃えて別物、大伴は嵐に遭って諦め、石上は大炊寮大八洲という名の大が据えてある小屋の屋根に上って取ろうとして腰を打ち、断命。結局誰一人として成功しなかった。

 そんな様が御門に伝わり、御門が会いたがった。翁が取り持ったが、彼女は拒否し、一度は姿を見られたものの、姿を消して見せたりして結局御門も諦めさせた。しかし、彼と和歌の交換はするようになった。

空へ帰って行くかぐや姫(同上)

                                                                  空へ帰って行くかぐや姫

 御門と和歌を遣り取りするようになって三年の月日が経った頃、かぐや姫は月を見て物思いに耽るようになった。八月の満月が近づくにつれ、かぐや姫は激しく泣くようになり、翁が問うと「自分はこの国の人ではなく月の都の人であり、十五日に帰らねばならぬ」という。それを御門が知り、勇ましい軍勢も送った。

 そして当日、子の刻頃、空から人が降りてきたが、軍勢も翁も嫗も抵抗できないまま、かぐや姫は月へ帰っていく。別れの時、かぐや姫は御門に不死の薬と天の羽衣、文を贈った。しかし御門はそれを駿河国日本で一番高い山で焼くように命じた。それからその山は「不死の山」(後の富士山)と呼ばれ、また、その山からは常に煙が上がるようになった。

 

 現代の「かぐや」はこれから、「おきな」と「おうな」を伴って大いに活躍されるだろう。私達はそれを固唾を飲んで見守りたいものである。そして「かぐや」「おきな」「おうな」と名付けたJAXAに対し、こころからなる感謝を申し上げたいし、日本人として大いに誇り高いことに違いないと、今後の大活躍を祈るばかりである。

 

   http://www.selene.jaxa.jp/ja/index.htm  宇宙航空研究開発機構(JAXA)のホームページ

   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E5%8F%96%E7%89%A9%E8%AA%9E  Wikipediaに記載された「竹取物語」

 

かぐやから観た上弦の地球

                                                             月から観た地球 上弦の状態

 尚地球の航空写真はJAXA/NHKから拝借したもので 著作権はJAXA/NHKにあります

 

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かぐやとおきなとおうな への5件のフィードバック

  1. 道草 より:

    人類最初の宇宙飛行士ガガーリンのセリフ「地球は青かった」は有名ですが、1961年ですからもう45年以上も昔のことになります(本当の人類初はウラジミール・イリューションで、地球を3週目に大気圏へ突入して失敗)。アメリカのアポロ宇宙船が月面へ着陸したのが、その8年後ですか。当時は、その記念葉書を抽選で貰ったり、月の石を展示会で見たりしました。また、月の土地を分譲したり(硯水亭Ⅱさんは購入されましたか?)、と相当な話題になったものでした。それから暫くの沈黙があり、今また日本の宇宙開発が本格的に動き出したようです。
    「なよ竹のよ長き上に初霜のおきゐてものを思ふころかな」(藤原忠房)。どの様な時代になろうと、離れて見ている限りは月でも地球でもこよなく美しいものです。そう云えば30年ばかり前に沢口靖子のかぐや姫で「竹取物語」(市川崑監督)が映画化されました。ちなみに、翁は三船敏郎で媼は若尾文子。かなりの力作ではありましたものの、やはりイメージが損なわれた思いがしたものです。謎は謎のままであってこそ良い場合あるのも事実です。「なよ竹」こそ、香の君のイメージを彷彿とさせます。硯水亭Ⅱさん、こんな歌をご存じですか。
     
    「かぐや姫さん」   奈木盛雄 (作曲:太田真紀子)
     
    1.かわいいかわいい かぐや姫
     竹から生まれたかぐや姫
     竹取翁に拾われて 籠にいれられ育てられ
     大きくなつた 比奈の里
     
    2.きれいなきれいなかぐや姫
     光り輝くかぐや姫
     遠い都の雅人も 尊い帝のお召しにも
     姫は応えず 泣くばかり
     
    3.やさしいやさしいかぐや姫
     姫はこの世の人でなく
     文を残して十五夜に
     迎えの雲に乗ったまま
     富士のお山に消えました

  2. 文殊 より:

              道草先生
     
     ガガーリンさんのお話は私が生まれる前ですから、後年伺って話だけは存じています。アポロ11号でしたっけ、あのオルドリン飛行士などの話を本で読みました。月の石は大阪万博で展示されたようですが、残念ながらまだ幼く見に行っていないはずです。輝かしい月面探査の歴史は、宇宙や天体に興味を持つものとして、何度も読んでおりますが、不思議なことに、なよ竹の話と一度もダブらないのです。科学は科学であって、月をこよなく愛する日本民族を至極誇りに思っています。兎が餅つきをしている表情は日本では永遠にそうと信じられていることでしょう。海外ではやや解釈が違うようですが、その浪漫溢れる月の話は日本人の大切な美意識に違いないのですから。雪月花の3要素が日本美の象徴でしょう。但しこれには何故紅葉が入らないか、それだけが不思議で仕方がありませぬ。そう言えば、少なくとも俳句の世界では紅葉を歌った発句が非常に少ないですね。それだけが気掛かりでなりません。以前会社の人間が月の土地を購入したと言う話は聞いたことがありますが、残念ながら、土地取得には至っておりません。月にどんな現実がどうなろうとも、月に対する浪漫のこころだけは失わないと思っております。
     
     以前妻は何度か十二単にならされたことがありました。そんなわけで、未だに腰の下まである長い黒髪のままです。曲水の宴の姫君や斎王などに扮装したからでしょう。かぐやを妻に見立てたい気持ちはいっぱいですが、月に帰ってもらうのは困ることなので、想像の世界だけのお話に留め置きしたいと存じています。奈木さんの歌は知りませんでした。いやぁ美しい歌ですねぇ。多分妻は知っているかも知れませんので、今度習っておきたいと存じます。今日も有難う御座いました!
     

  3. (Kazane) より:

    こちらで、青い地球の写真を見せていただき、感動しています。以前、宇宙飛行士の方が、宇宙から地球を眺めると人生観が変わるというような話をされていたのを思い出しました。本当に、紛争、環境汚染…あれこれ悲しい出来事が多い地球ではありますが、たとえ小さなことでも、自分の出来る事をしていきたいものですね。  どんなに科学が進歩しても、変わらないものってありますよね。人を愛することだってそうだと思うのです。優しさは優しさを生むと思うので…。まずは、身近な人を大切にしたいな…なんて考えている私です。 

  4. 文殊 より:

           風音さま
     
     コメントが遅くなりまして、本当に済みません。
    さてこの青い地球ですが、テレビの映像で御覧になられた方が遥かに感動致します。近々必ず放映されると存じますので、
    その時は是非御覧下さいね。風音さまと同じで、実はこの地球の美しさに大いに感動しながら、様々なことを考えておりました。
     
     風音さまはいつも雲を御覧になられると思いますが、あれって本当は雲そのものをただ単に御覧になられているのではありませんね。雲を通して、ご自分とか、今置かれている様々な環境や境遇や、そしてささいなことまで雲を通して御覧になられていらっしゃると存じます。実はこの青い地球を観るにしても、やはり同じことでして、私は人そのものを観ていたように思っているんですよ。人生とか、現状の世界の状況とか、細々としたことまで、ふいっと考えておりました。だから感動したのでしょうね。恥ずかしながら、涙さえ出て参りました。
     
     身近なことも大きなことも同じではないでしょうか。私も自分自身のことを考えました。この美しい地球の中で、何をすべきか。とりあえず身近な人を幸せにしたいとか、それが必ず大きな出口に至ってくれるとか、千年万年も変わらぬ愛を、風音さまと同じように痛切に感じられた次第でした。身の回りのことは決して小さくはありませぬ。とても大切なことです。それが積み重なって、次第に大きくなるのですから。少なくとも青いこの地球に、申し訳が立たないことだけはすまいと。青い美しい地球を観ながら感じたことでした。お互いに寒さに向かう折です。がんばってまいりましょうね!
     

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