妻よ恋しと笛を吹く

 

ねぶた

 

 

 

妻よ恋しと笛を吹く

 

 

京都から帰ると、だだっぴろい自宅が妙にしらけて見えます。

京都でひと口も口にしなかったお酒を、独りで少々戴きました。アテは軽く炙った烏賊の干物。

さっき妻と別れて来たばかりなのに、もう淋しさでいっぱいです。思わず青森ネブタで使われる笛と鉦を取り出し、

部屋中をびっしり閉め切って、思い切り笛を吹きました。子供の頃から習っている能管とは違って、哀調を帯びた素朴な音、

大変親しみが持てる音が出ます。青森は今頃雪の中でしょうか。真夏、あの大爆発のエネルギーは冬の雪があるからでしょう。

そうして笛を吹いていると、ラッセラッセラッセイラの掛け声が聞こえて来るようで、孤独から救われるような気分になります。

素竹の練習笛が二本、津軽塗りの本番用が一本、鉦がひと振りの写真で、貴女の練習笛の袋は赤い紐、青いのは私用。

白神山地のブナが大好きだった亡き主人のお陰で、何度となく私も貴女も青森に行きましたね。ついでにネブタに!

私は甘ったれかもね、いつか又一緒にネブタ囃子の笛を吹きましょう。それとももう忘れてしまったでしょうか。

貴女から見たら、私は悪戯小僧の笛吹き童子。私から貴女を見れば、笛に酔う序の舞の天女!

今宵独りで、妻よ恋し恋しと笛を吹く。淋しさになんか負けていられない、もうひと頑張りしましょう!

 

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妻よ恋しと笛を吹く への2件のフィードバック

  1. 道草 より:

    今朝の京都は、身の引き締まるばかりの冷え込みでした。散歩する吐く息が白く凍る様です。夜の内に北山は雪だったのでしょうか。鞍馬の奥の広河原では、15センチの積雪へ復帰しました。それでもまだスキーは不可能とのむことです。今夜もまた遠く東の空から、澄んだ笛の音が雪山を越えて、香の君の元へ届くことでしょう。万感の想いを篭めた笛の音に、香の君は総ての心を識って安らかで在られることでしょう。
     
    「笛」   高田敏子
     
    だれが 投げたのだろう 神さまの指輪のような 金色の笛をのんでしまった とつぜん 稲妻が光って あ! と 声をたてたときに
     
    不用意に口をきいたら きっと 私の声は 笛の音になっているだろう 闇にじっとしていても それは いつもまばたきのように光って 私の呼吸につれて鳴っている

  2. 文殊 より:

            道草先生
     
     お恥ずかしい限りです。女性は持ち物ではありません。でもやはり少しでも離れていると、やはり淋しさが込み上げて参ります。大勢の家族がいる妻の方が淋しさがないのではないかと、今回尋ねてみました。そしたらもうお嫁に行った身だから、たとえ一緒にいても、あなたがいない以上は淋しさは同じだと言っていました。きっちりと一線を画しているようです。私は彼女のご両親さまと非常に仲がいいようで、逆に何くれとなく心配してくれますが、あまりにも娘に一線を画されるのは不満であるとも。でも娘の心情を察しているからと、ご両親さまもきっぱりとしておられましたので、安心しました。もう直ぐ春休みになるのですが、そしたら妻が東京に来ると言うのです。腹帯を締めたら、もうそこそこの運動をしてもいいらしく、簡単な運動を早くしたいと。何だか女性の方がこんな時は堂々としているものですね。
     
     久し振りに会社で一日仕事をしましたら、何だかほっとしている自分がいます。会社人間なんですねぇ。退職してもずっと会社の役員としていてくれと、今日言われました。CEOより遥かに会社の内部に通じているからでしょうか。それも有難く甘受致しました。社員で、成人したのは三人おります。これから会社としてお祝いの食事会をする予定です。でも早めに帰り、今宵も笛を吹きましょう。岩木山のお山参詣の美しい音色でも吹きましょう。『笛』と言う詩があるのですね。驚きです。素晴らしい詩ですね。本当にいつも有難う御座います!
     

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