春祭りの清々しき

     

           塩竃神社鹿島祭頭祭鹿島祭頭祭

            左端「塩竃神社の帆手祭り」 中央と右端「鹿島神宮の祭頭祭」

 

 

 

                      春祭りの清々しき

 

 

 昨日九日は鹿島祭頭祭(さいとうさい)といって、茨城県の鹿島神宮で大賑やかな祭礼があった。天武天皇の頃から始まったとされ、東国出身の防人(さきもり)たちの鹿島立ちをなぞったとされている。祭頭(さいとう)とは祭りの頭役に当たった村のことで、鹿島五十二郷から前年度には決定されている。祭頭になった二村はそれぞれ七、八歳になった子供を大総督として選ぶ。甲冑姿の大総督を先頭に色とりどりの鉢巻やら襷やらの姿で、祭頭歌を歌いながら練り歩き、最後に出立式を行う。

 昨日は第二日曜日であったから、東京都八王子の高尾山・薬王院では荒行の火渡祭りがあったはずである。当山は関東の修験者の道場として知られ、火渡は水行と並ぶ荒行であり、午後一時か山麓の広場に設けられた護摩壇で、悪魔退散の伝法が行われる。積み上げられた護摩木の山に、護摩壇の火が移され、炎は天をも焦がし、信徒から「なで木」も投じられる。火が静まると、熾き火の上を山伏の先達を先頭に素足で走り抜ける。

 本日十日は宮城県の塩竃神社で帆手(ほで)祭りが行われた。大火事が発生した天和年間に、住民たちが火難除けの火防(ひぶせ)祭りとして、また町内の厄除けをし、繁盛を祈る氏子祭りとして始まったものであり、八日には別宮と左右客拝殿で御幣神楽と大和舞と巫女舞が奉納される。十日は日本三大荒れ神輿(他は姫路市のけんか祭りと愛媛の北条祭り)の一つとして有名な神輿の渡御が行われる。その行列には数百人の稚児行列が続き、十六人の若者によって担がれた神輿が二百二十二段の石段を一気にかけ降りるクライマックスとなる。この行列の仕立てる旗が船の帆に似ていることから帆手祭りの名前がついている。

 十五日には京都・嵯峨野の清涼寺で御松明(おたいまつ)が行われる。これは涅槃会であり、釈迦入滅をご祈願するものである。柱炬(はしらたいまつ)とも呼ばれている。朝から涅槃会の鐘が響く中、三基の大松明が堂の前に立てられ、法要が行われた後、夜八時にお釈迦さまへの送火として火が点じられる。松明の燃える音とともに読経や群集の声が交じり合って春浅き山内に響き渡る。

 椿・連翹・土筆・金縷梅(まんさく)・沈丁花・木瓜・紫雲英(げんげ)・菫・蒲公英・花桃・菜花・金魚草・霞草・金盞花(きんせんか)・辛夷・土佐水木・山茱萸(さんしゅゆ)など、春を告げる花々が咲き始め、河津櫻が満開となり、染井吉野が咲く少し前には明生寺櫻が咲いて、江戸彼岸の櫻が満開となるこの時季には、各地には清潔なお祭りで溢れているのである。東大寺・お水取り(修二会)は改めて別稿としよう。あああ春は直ぐそこに!

 

        スミレ辛夷土佐水木

 

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