夢の中の吉野

 

吉野

 吉野山・中千本 瀧櫻山の下方付近

 

 

 

                                   夢の中の吉野

 

 既に会社に出てひと仕事終えました。午前四時過ぎのことでしたが、吉野の夢を見てはっと飛び起きました。妻と手をつないで櫻の山を静かに歩いていた夢で、水分神社の辺りだったような、そこへ蔵王権現さまが突然お出ましになられ、私たちにお告げを告げたのです。印を結んで、裂帛の気合充分に「櫻とともに死してなお後も二人で歩め、一本道なる道ぞ」と。どきっとして起き出し、お水をいっぱいガブリと飲み、そのまま出社。そう言えば今日から三日間、吉野・蔵王堂花供懺法会(はなくせんぽうえ)・花供会式(はなくえしき)がありまして、そのお告げだったのでしょうか。或いはもっと巨大なモノを告げられたのでしょうか。このお祭りは大抵吉野山・中の千本が満開になる時季だったかと思われますが、殆どの櫻は山櫻で、修験者の聖地である蔵王堂のご本尊さまが櫻の木であられますために、櫻がご信仰の対象でして、それこそご神木であり、ご信者の皆さまが里から運ばれた山櫻を植樹なされた伝統ある歴史が吉野です。いにしえびとも心を籠めて一本一本植えられたものでしょう。どんな苦難(例えば南北朝時代、南朝がありましたゆえ)があった時でも永い永い期間にわたって、植樹されて来たものでした。その櫻が満開になったことへの心からなる感謝の気持ちをお伝えする行事がこの花供会式で、同時に国家安泰と民びとの安寧を祈る行事です。夢に見たお告げはこの山を少しでも凌駕するような山を造りたかったら造ればいい、但し眞の心を籠めよという蔵王権現さまの叱咤激励だったのでしょうか。畏れ多く飛んでもないことを主人と二人で考えたもので、今はこの私めに一人集中して重圧が掛かっているのですが、蔵王権現さまはそんな気弱な私めに、大きな喝を入れてくれたに相違ないと思うのです。有難く早速早暁につき読経申し上げ、朝早かったにも関わらず運転手を呼び出したところでした。

蔵王堂のご神紋

金峯山修験本宗 総本山 金峯山寺の櫻花ご神紋 (通称・蔵王堂)

 

           吉野 吉野 吉野

                吉水神社のお守り           定宿の竹林院群芳園             吉野の葛羊羹

  本日お祭りの一日は晴れるといいなと心から念じているのですが、さてどうなるでしょう。法螺貝(ほらがい)がなったり奴行列や稚児行列があったり修験者の皆さまが総お揃いで、竹林院からお堂までの参道行列をなし、櫻が満開になった感謝の気持ちを蔵王権現さまにお伝えする行事ですが、櫻の花を献花するお祭りだったら、幾ら派手であっていいと思うのです。或る時主人が可愛いお稚児さんを見つけカメラを向けたのは、アレは何年前だったでしょう(多分現在は高校生か)。あの可愛い子はすくすくと成長なさって、きっと美しいお嬢様にご成長なさるのでしょう。

 

蔵王堂・花供会式にて

主人が撮った蔵王堂のお稚児さん

 

 夢は広がる一方でしたが、現実のものとしてしっかと考えて行かなければならないです。吉野の御山のように日本人の心を、或いは漠然とした信仰であってもいい、例えて言えばお正月に初詣をするが如く、人々の心の奥底に確かに根ざしたものであったならば。そして世界が永久(とわ)なる平和と安寧を目指す櫻山だったらどんなにいいでしょう。一本一本ご自分がご自分自身のために(出来れば利他のために)色々とお願いを籠めて、どなたでも無料で植樹出来る櫻山を目指して行こうと思います。それが今年から私の大なる宿願であり宿題であるのですから。主人の夢の跡をひたひたと歩んで参ります。大きな山だけを考えるべきではないのかも、先ず何処にでも先鞭をつけてコツコツ始めるべきでしょう。どうか蔵王権現さま!このようなちっぽけな人為の夢にお力をお貸し下さい。

 佛教の御寺も伊勢の神々のお社も蔵王権現を拝する修験者のお堂もカトリックやピューリタンの信者の教会などの施設も作り、どなたにでも植樹をして戴き、巨大な自然や世界と一体となり、そのたった一本の櫻木の小さな芽が、安らかな心が出来る死生観につながり、この世で精一杯生きて行ける証の場所でありたいと心から願っています。美術館やレストランや宿泊施設や研究所やビハーラ(佛教的施設のことで、中世キリスト教時代にあったホスピスのような施設)や散骨する場所も造りたいです。欲深でしょうか、でも青図の精密図は既に80%完成しています。今は埼玉県安行にある櫻の苗場で若木一万本がすくすくと成長をしています。農水省との国有林買収のお話も大詰めですが、時間が掛かり過ぎてもしかしたらアテにすべきではないかも知れません。具体的には私、若くしてこの初夏に退職し財団に専念、それに家内ともども邁進して参ることになるでしょう。今昂揚しています!きっと櫻がそうさせているのでしょう。

 

吉野の櫻と雲海

  雨後に霧たつ『中の千本』

 

 

吉野と雲海

     朝まだき雲海の中の吉野

 

 

 櫻灯路での主人の書 『爛漫たる櫻の海 吉野幽春』 ご参照賜れば有難く

 

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夢の中の吉野 への6件のフィードバック

  1. 道草 より:

    夜半来の雨が上がり、薄日が差して来ました。滴る雫に濡れた吉野の桜は、今朝はいっそう繚乱と目に眩しいことでしょう。花供会式も、この陽光の下で絢爛と執り行われること疑い無しと思います。櫻灯路師の吉野紀行を読ませて戴き、今更の如く入魂の櫻愛記にただ感歎するのみです。その壮大な事業の継承を控えた今にあって、硯水亭さんが吉野の夢にて蔵王権現のお告げの言葉を拝受されたとは、まさに亡きご主人の魂の入信であろうと思います。そしてそのことにより、聖徳太子以来の壮大にして慈愛の日本の宗教の真髄を踏まえた諸々の櫻計画が、必ずや実現すであろうことを確信しております。私も一度は訪ねた吉野山へ、再び三度び参らずばなりません。「吉野山去年(こぞ)の枝折(しおり)の道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねん」。吉野山は、西行にして未だなお見尽くせぬ櫻がある果て無き世界なのでしょう。その吉野山をも凌駕する櫻計画の実現は硯水亭さんを置いて他に無きとの正夢に、私は以て深く瞑するのみです。
     
    「朝はゆめむ」   三好達治
     
    ところもしらぬやまざとにひまもなくさくらのはなのちりいそぐをいろあはきさくらのはなのひまもなくななめにちるをあさはゆめむさくらのはなのただはらはらとちりいそぐをはらはらとはなはひそかにいきづきてかぜにみだれてながるるをやみてまたそのはなのわづかにちるをさくらのはなのかくもあはれにちるゆめみしあさのゆめめにさやかまたみづよりもしめやかにこころにしみてわすれがたかりわきてこはかやのすそはやひややかにほにふるるうらぶれしあきのあさなれば――ゆめそめてわれはかなしむゆゑしらぬとほきひのなげかひのいやとほきはてのなごりを

  2. 文殊 より:

            道草先生
     
     よかったぁ、そうですか、晴れましたか!吉野は手前ども主人にとっても思い出深いところです。一山六万本と一般には言われているが、本当のところ何本なのか知りたいというので、大掛かりだったのですけれど、学生アルバイトを動員し数えたことがあったんです。秋に酷い低気圧があった翌年でした。数をチャックした櫻は目印にテープを貼る約束でしたので、それを又はがしにいかないといけないものですから、本当に苦労致しました。学生諸君は180人で、下の千本から順に数え、瀧櫻付近を下から登って行ったのです。テープをつけながら番号札をつける班と、チェックし終わったら直ぐにテープを外す班と記録する班と三版に別れ、裏の奥の千本まで数えるのに三日間掛かりました。結果分かった数字は意外に少なく三万八千本あまりだったでしょうか。そんなことはない、必ずもう一度チェックしてみようよということで終わっていますが、多分櫻の木ではないか、そうなのか、その辺の判定は俄かアルバイトには酷だったと思われます。でも幾らかでも実数に近い数が把握出来たのですから、少しは嬉しくもあり残念でもあったような不思議な気分でした。その後フジテレビさんもやられたようですが、結果はそう変化なかったようです。でも往時はこんなものではなかったのでしょうね。
     
     櫻山計画は私が退社と同時に本格的にスタートします。誰がやったとか、どんな資金だったのか、全部無視して、人々の中にすっぽりと入ろうと思っています。お山や諸設備の運営は地元の方々にお願い出来れば最高でして、その方々が中心になってやっていければいいのではないかと存じております。私たちは要するに軌道をつけるだけです。田舎にだって雇用のチャンスがあるんだと、それだけは胸を張りたいのですが、なるべく早くそう実現したいと今日も昂揚しています。「一人ではなく、みんなで」が合言葉です。先生にも是非ご自分と奥様の櫻を植樹して頂きたいものですね。
     
     アメリカ人女性ジャーナリスト・シドモアさんは、日露戦争で日本人は捕虜の扱いを取材しどうしているんだろうという調査が最初の発端でした。当時捕虜収容所があった愛媛県松山へ取材に行ったのですが、完璧に立派だったそうです。これぞまさしく武士道であると。当時の彼女は興奮して感極まって書いておりました。その時代の日本軍はそうだったのかと改めて彼女のリポートを読んだ経験が御座います。そんな美しい日本を日本人そのものが自身ですべてを破壊したのです。現在も尚更その傾向です。だって明治のご維新からたった150年経っていないんですものね。アメリカ化され、経済だけは突出しましたが、大変に大事で大切なものを忘れ去っています。このブログの発想はここから始まっているつもりです。
     
     その後日米戦争を哀しく思ったシドモアさんはスイスに逃れ、そこで果ててしまうのですが、お母さんや兄貴が眠る横浜の外人墓地へ、転送され、現在では彼女のご遺骨は横浜にあります。彼女の奔走がなかったら、あのポトマック川やニューヨークの櫻がありえないわけですから、大事な歴史の一端を垣間見れるでしょう。横浜にご遺骨を埋める際には新島譲先生が追悼の挨拶をされたようです。そして現在彼女のお墓の横にはワシントンから里帰りした櫻が爛漫と咲き誇っています、しかも見事に成長された櫻です。
     
     三好達治さんの詩は全部平仮名で書かれてあり、櫻花の匂いまで香ってくるようで、櫻にぴったりな詩ですね。本当に嬉しい詩でした。有難う御座いました!

  3. Unknown より:

    こんにちは♪
    こちらはこんなに冷たい雨の一日だったのに、関西方面は晴れたのですね ! 本当に良かった・・・こちらのコメント欄も再開されて本当に良かったです。
    吉野の櫻、素晴らしいですね。
    私は今日、青梅駅まで行きましたので、金剛寺に寄ってきました。雨にも負けず綺麗な花を咲かせていました。境内には私一人、いえ、枝垂櫻さんと、その奥には弘法大師様も・・・それから「青梅」さんもいましたから楽しかったですよ。
    今夜は吉野の櫻と道草先生のいらっしゃる西の方角に向かって乾杯ですね !

  4. 文殊 より:

                 夕ひばりさま
     
     この雨の中を行かれたのですか!へぇ、雨に濡れた枝垂れ櫻も素敵だったでしょう!!
    梅岩寺にほど近い距離でびっくりなさったんじゃないんでしょうか。樹は小さいのですが、凄い勢いで
    咲いていたと想像されます。梅岩寺の方の枝垂れ櫻は背高のっぽですから、花の位置が高いですからね。
    勿論風格はありますが、金剛寺のだって負けちゃいませんね。二つの御寺の枝垂れ櫻は姉妹なんですよ!
    青梅さんかぁ、何だか懐かしいです。老木でなかなかな風格があったでしょ!
     
     そうですね、これから道草先生の方角に向かって乾杯と行きたいのですが、ありゃりゃ、そう言えば大事なことを
    忘れていました。やっぱりお姉ちゃまだぁ!こう申し上げれば先生はご納得戴けることと存じます。近々には!ウフフ!
    コメント再開もほとんど皆さんのお陰です。熱心な方はずっとメール機能でメールをくれました。
    いっぱいいっぱい励まされました。当然お姉ちゃまも入っております!有難う御座いました!ペコリ!!
     

  5. 良枝 より:

    こんばんわ。りんこです。
    夢のお告げですか。
    昨日電車の中で夢と現実の中間くらいの
    眠りについていたところ
    ものすごい勢いで
    目の前で指さされ、
    びっくりして目覚めました 笑
    硯水亭さんと奥様と
    ともに歩んで行く姿、素敵ですね。
    「愛するということは
     われらが互いに見つめあうことではなく
     ともに同じ方向を見つめることだ。」
    (サン・テグジュペリ)
    私もそうなりたいなぁと
    思っています。
     

  6. 文殊 より:

        りんこさま
     
     有難う御座います!
    夢のお告げではないかとそう思っていたのですが、
    迫力ある大魔神のような人が出て来ましたねぇ。
    こちらもびっくり仰天して飛び起きてしまいました。
     
     サン=テ・グジュベリは当社にも彼の出身地リヨンに支社があるのですが、
    近年広場に記念プレートが設置されましたんですよ。実際の夫婦仲は最悪で、
    眞逆で素敵な言葉が出て来たんでしょう。でもいい素敵な言葉に変わりありません。
     
     そう言えば最近彼の墜落した飛行機がマルセイユ沖で見付かったんですよ。
    砂漠とばっかり思い込んでいたのですが、実はドイツ軍に爆撃を受けて墜落したのが
    真相のようです。その証拠にその時撃墜をしたドイツ兵、無論ご老体ですが、名乗りを
    あげたのです。今まで何一つ言えなかったのはその老パイロットがテ・グジュベリの
    大ファンで、若い頃から読みなれていたそうです。まさかとは思ったらしいのですが、
    彼は生涯いうまいと思ったらしいのです。でも勇気を持ってその場所を言い、やっと
    テ・グジュベリの飛行機が見付かったとか。戦争はどちらにとっても不憫ですね。
    今夜も有難う御座いました!
     

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