鬱金(うこん)という櫻

 

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ひと枝を戴いて、備前のシュガー・ポットに挿してみた 下は櫻の樹皮で出来た角盆

 

 

 

                    鬱金(うこん)という櫻

 

 

 染井吉野が嵐とともに散って、今日は清々しい空が広がっている。朝小学校の時からの友人から自宅に鬱金が咲いたよと教えて貰ったので、早速お昼休みに出掛けた。春はあけぼのではないが、紺碧の空によく似合う浅緑の櫻だ。名前はウコンという薬草の植物をご存知だろうけれど、そのウコンの根茎を使って色染めをするとちょうどこんなような色合いになる。そこからこの櫻の名前の由来となっている。本来は東京・荒川堤で昔日には多く栽培され観られたものであったが、今や全国に波及している。鬱金より濃い緑の萌黄色をした櫻がある。御衣黄(ぎょいこう)という櫻だが、これも御覧になられた方が多かろう。緑系の花びらを持つ櫻はこの二種類だけ。面白いことに鬱金の櫻は、花びらが一つの花房に20枚前後あるが、散り際にすべての花びらがピンク色に染まるということだ。白抜し次第にピンクの色に染まりだすとハラハラと散り始める。そう言えばこうして花びらの先をよく観ると、何となくピンクの色彩が先端に観えるから面白い。花びらの色合いが変わって来るのはこれだけではない。根尾谷の淡墨櫻(うすずみさくら)は、白っぽい薄いピンク色の花びらが、散り際にはややグレーの色合いが入って来る。淡墨たるゆえんである。紅枝垂れ櫻だってやや変化が見られる。染井もそうかも知れない。散り際にもう一度楽しませてやろうという櫻の花の性分だ。今日の早川さんのエッセイに『性分でんねん』と書かれてあって、なかなか修正が利かないところが逆にが風通しをよくするという面白い記事があった。言い訳をすると櫻の時季につき連日更新を重ねているが、私も半ば性分やねんと言いた気であり、ついこの記事を書くことになってしまった。いやいや早川さんの所為ではおへん(えらい済んまへん)。いつも通り書きたいから書くだけで人によっては大迷惑かも知れない。こんな風に花の色香が変わるのを清少納言や吉田兼好がよく見聴き知っていたら、どんなことを言うのだろうと想像しておかしくもある。「もののあはれ」に集約され表現されるのであろうか。

 

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     クイズ

 ① 櫻餅の葉は何の種類の櫻? 答え;白い花びらのオオシマザクラの葉っぱで花が散ってから丁度一ヵ月後に採取する 伊豆・松崎が産地

 ② 塩漬けの櫻茶用の櫻は?   答え;八重櫻でよく観掛ける濃いピンク色した関山(かんざん)の花びら 佐野家では黄櫻(きざくら)もある

 ③ 日本三名櫻とは?        答え;岐阜・根尾の淡墨櫻(樹齢千五百年) 山梨・実相寺の神代櫻(樹齢二千年) 福島・三春の瀧櫻(樹齢千年)

 ④ 櫻が観れない月は?       答え;八月一ヶ月だけ 暑い真夏には来期の新芽を枝々につけるため 七月に高山で峯櫻 九月紀三井寺で十月櫻

 ⑤ 日本一多い花びらの櫻は?  答え;金沢・兼六園の菊櫻(きくざくら) ひと花に花びらが350枚~400枚もある 但しここ一本だけの花

 まだまだ様々な疑問や余り知られていない櫻は本当に多いんですよ。ご質問がありましたら、この際ですから是非どうぞ!但し午後から自宅に帰って参りましたが、これから新築ビルの竣工届けを出すために相当量の作業をしなければなりません。コメ辺が遅くなるかと存じます。それだけは御断りしておきます。最後になりましたが、友人宅にあった海棠(かいどう)の花とご参考までに御衣黄の櫻を掲載させて戴いて本日の記事を終わらせて戴きます。

 

 御衣黄

御衣黄(ぎょいこう) 仁和寺参道によく見掛ける

 

海棠

櫻が終われば、海棠の花が華やぐ

 

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鬱金(うこん)という櫻 への6件のフィードバック

  1. ただ今カフェで読書中 より:

    硯水亭樣
     
    こんにちは。硯水亭さまの桜好き、これはもう「性分でんねん」ですねっ(笑)。でもそのおかげで、たくさんの桜についての知識を得、美しい写真の数々を堪能させていただくことができました。本当にありがとうございます。
    それにしても、雨後に霧たつ「中の千本」、この世のものとは思えない美しさですね。心に織り込んでおきたいと思います。
    田辺聖子さんの『性分でんねん』に、貫之の
    「桜花 咲きにけらしな あしひきの
      山の峡より 見ゆる白雲」
    という歌のことが書かれていましたが、「山の峡より見ゆる白雲」の風情で咲く桜の美しさを重ねたことでした。
     
    どうもありがとうございました!
     

  2. 道草 より:

    鬱金桜は、私達の通年にある桜からすれぱはまさに神秘的な色相に思えます。それに、散り際には花びらの色が桜色に染まるなど、自然の妙なる営みには驚嘆せざるを得ません。しみじみと目の保養をさせて戴きました。午後から気温も春に戻りました。今宵はゆるりと鬱金酒を愉しむことにいたします。そしてまた、日本三大桜はいつか観に行かねばなりません。
     
    そこで桜博士に質問を(笑わないで下され)。
    *     サクランボの生る桜は限られているのでしょうか。小学校の校庭で、地面が真っ黒になるほど老木からサクランボが落ちていました。小さくて甘酸っぱいサクランボを夢中で拾って食べて、口の周りを真っ赤にして教室へ入り、先生に叱られたのは遠い昔のことですが・・・。
    *     日本の桜の北限は何処になるのでしょうか。また、地球上での北限は何処でしょうか。そんな北の涯にひっそりと咲く桜に逢いに行きたいものです。
    *     桜の花の色は白に近い桃色~濃い桃色まで濃淡様々であり、また、鬱金桜の様に黄色味がかった花もあります。桜の色の変り種で極め付きの色はあるのでしょうか。素人の私があっと驚く色がありましたら教えて下さい。
    *     京都で鬱紺桜は何処で見られるでしょうか(京都人として実にお恥ずかしい質問です)。         
    *     染井吉野は寿命が50年前後といわれております。多少の延命方法は開発されているようですが、私は桜並木が一斉に枯死しないか心配でなりません。日本全国を凌駕している染井吉野の運命は、これから先どうなるのでしょうか。桜馬鹿士と言われるのは承知の上で、桜博士にお尋ねいたします。
     
    いやはてに鬱金ざくらのかなしみのちりそめぬれば五月はきたる  北原白秋

  3. 文殊 より:

          早川さま
     
     そんなに歓んで戴いて恐縮至極です。
    貴女の窓辺に咲く櫻花も素敵です。凄い詩情を奏でています。
    又今年も見せてくださいね。それって凄い楽しみなんですよ。
     
     早川さんは犬派でしたか。実は僕も犬派なんです。小さい時から大型犬ばかり飼っていました。
    ロシア産のボルゾイは永く生きていなかったのですが、セントバーナードが一番永くそばにいましたね。
    小型犬はやたらと吼えるから飼えませんでした。住宅密集のせいでしょうね。
     
     吉野の櫻を気に入って戴いて光栄です。僕は山櫻が一番好きなんですよ。葉っぱの紅いのが好きで、
    それがないとどうも落ち着きがなくなるんです。染井吉野は白痴美的で、そんなに好きではないのですが、
    百年経つと又別な染井になりそうで、それはそれで好きなんです。何だかこれじゃ光源氏さまと変わんないですね。
    一番好きな染井は茨城県土浦にある真鍋小学校の染井です。見飽きません。
     
     まだまだたくさん出したいのです。海津大崎の櫻も出したくなりました。湖畔に映る櫻も凄いものがありますね。
    どうぞ櫻の本場にいらっしゃるのですから、せいぜいお楽しみ下さりませ!
     

  4. 文殊 より:

             道草先生
     
     うふふ、サクランボの実を食べたのですか。あれは食べられませんですよ。食べても毒にはなりませんが、ちっとも美味しくありません。サクランボの木は又全く別です。木もすらっとして、高く高く伸びて行く性格があるんですよ。花は真っ白で、林檎とほぼ同じ時季に咲きます。そして六月下旬に実がなるのですが、サクランボはまじで美味しいです。アメリカン・チェリーって言うどす黒いサクランボもあるのですが、日本の適度な酸味があるサクランボに適わないでしょう。山形の寒河江がサクランボの名産地です。「孫」を歌った大泉さんがおいでのところです。彼もサクランボ農園をやっているようです。またまた櫻馬鹿士なんて言わないで下さいな。誰あろう僕のことを言っているようで面白いんですが。ご質問にお答えしますね!
     
     1 ですからサクランボの樹は全く別な種類ですから、混在されない方がいいでしょう。サクランボの樹は観た目でも全く違います。親戚ですが、普通の櫻に出来るサクランボを山形ではメクランゴと言って誰も相手には致しません。観れば分かるのですが、そのうち樹をブログに出しますね!
     
     2 北限は現存しているところでは樺太です。実に可愛い千島櫻というのがありまして、それが北限でしょう。いつでしたかノルウェイに行った時は別種の櫻でしたが、ないことはないです。でも不如意です。主人の別荘がアラスカにありましたが見たことがありません。ヒマラヤが原産と思うので、ミャンマーや中国南部や韓国にも櫻を尋ねたことがありましたが、全くないわけではなく、あることはあるのですが、旧日本軍が移植されたものでしょう。パリ・ロンドン・ウィーン・ニューヨーク・ワシントンなどにも尋ねました。ちゃんとした立派な櫻でしたが、それぞれ改良されていたり、日本の原木が少なかったように思います。日本では六月下旬に根室で咲く千島櫻は、平地では一番遅い櫻でしょう。
     
     3 あっと驚くような櫻はこれら鬱金と御衣黄でしょう。そんなに変わった櫻はないんですよ。でも微妙に違った櫻色はたくさんあります。そんな意味から言ったら京都は意外と少ない方かも知れませんね。道草先生には樹齢の永い櫻を是非観て頂きたいですね。人は花びらばかりに気を取られがちですが、実は幹が重要なポイントでして、櫻の花びらに感動するより遥かに幹の太さの感激したり、極度の興奮をするんです。根尾の淡墨櫻は大人10人で幹周りはいっぱいですが、山梨の神代櫻は大人15人は必要でしょう。ちょうど屋久島の縄文杉を観るような気が致します。生命感がガラリと変わるのが自分でもはっきり分かります。是非一度そんな櫻を御覧下さい!京都から新快速で大垣まで行って、第三セクターの轍がゴムの電車の乗られて、樽見まで行かれたら、淡墨櫻がありますから、どんなことをしてでも是非御覧になられて頂きたい櫻です。
     
     4 京都で鬱金は平安神宮の内苑か、上地神社でしか見たことがありません。比較的少ないのでしょう。それと大阪・造幣局には御座います。ウンとめかしこんで花が咲いています。
     
     5 染井吉野の延命研究は進んでいます。でも所詮交配種ですから、そうは永く持たないのが本当でしょう。実生から生まれることが近年分かりましたが、それすらも永年の交配した結果でしょうね。でも現存している染井吉野は100年以上もっているのがありますから、そんなに馬鹿には出来ないでしょうね。染井吉野の櫻群では最近補植というのが盛んにやられています。一本の櫻の直ぐそばに新しい櫻を植える作業のことを言っていますが、実際は難しい作業です。何故かと申しますと、櫻の地上に出ている部分と根っこが同じ大きさなのです。それ故補植しても、既に栄養がなくなった部分に植えるしかなく、困難な問題です。染井に変わる新しい品種を改良もしくは改善して試行錯誤が行われている最中です。でも染井に限ってそう多くは期待出来ないのが現状でして、今までの染井の群落は将来大きく変わるかも知れません。実は日本で一番多い櫻は霞櫻です。よく藪の中に生えている櫻ですが、その強さをどうにか生かせないかが一番の問題になっています。染井は虫食いも激しく、実際は扱いが難しい櫻です。公園などに植えられた染井は日本軍国主義とともに消えてしまう運命もあるのかも知れません。どうなりますか、今後興味がひかれるところです。
     
     櫻馬鹿士として以上のようなお答えですが、もしご納得なければ再質問もどうぞ承ります。あはははは!先生とは似たもの同士かも知れませんね!では!
     
     
     

  5. 道草 より:

    サクランボのことで再度お尋ねいたします。もちろん、食べられる大粒のサクランボは知っています。園芸店で苗を買い、鉢植にしました(失敗しましたが)。山形出身の同級生に貰ったこともあります。私は、疎開先の田舎の学校や神社の境内で、落ちている小さなサクランボを食べました。マッチ軸の頭より少し大きい程度ですが、真っ黒に熟れて太陽に透かすと紫色に輝いてとても綺麗でした。種が大きくて味は酸っぱかったのですが、慢性空腹のガキンチョにはそれでも素敵なおやつでした。何しろ、タダで食べ放題ですから。拾っても拾っても、サクランボは無くなりませんでした。
    転校した初めての朝に校庭のサクランボを拾って食べ、遠巻きにした地元の児童達に不思議そうに見られていました。始業の鐘が鳴って慌てて教室へ入った私は、先生にいきなり顔を洗って来るように命令されました。口の周りが真っ赤になっているのに気が付かなかったのです。そして私は、いきなり立たされました。サクランボを拾って食べてはいけない校則になっていたのでした。女将校の様な背の高い、怖い先生だした。
    あの桜の実もサクランボと呼ぶのでしょうか。本当は身体に毒なのですか?それは今まで知りませんでした。先生に怒られてからも、放課後とか帰宅してから神社の境内のサクランボを食べました。今まで生きながらえているところをみると、あの小さなサクランボはそれほど毒ではないのかも知れませんネ。
    それよりも、染井吉野の運命が心配です。桜には嫌地とか忌地があると聞きましたが、やはり大木の根元に苗を植えても、栄養的に難しいのでしょうか。硯水亭さんは敬愛すべき桜博士です。このことは、声を大にして申し上げます。馬鹿士は何も知らない私です。そんなことよりも、日本3大桜は是非とも観に行きます。今年は、来週に常照皇寺の桜を観に行く予定ですので、来年から計画的に、3大桜を初めそれ以外の桜も出来るだけ観たいと思います。また幼稚な質問をするかも知れませんが、宜しくご教授ください。

  6. 文殊 より:

              道草先生
     
     勿論悪いということではありません。鳥は山櫻や霞櫻の実を食べて、山々や里山に撒布していったのですから。但し人間は撒布致しませんが。先ずサクランボのお話からすると、最上川の支流で寒河江川という清冽な川があるのですが、同じ山形でも寒河江川流域でしかサクランボは結実致しません。永い間サクランボは寒河江川の水しか飲まないと言われて来ました。いずれにせよ水質がかなり重要なことなのでしょう。最近少しは範囲が広がって来ましたし、山梨でも生産されておりますが、サクランボは極端に水質を選ぶようです。だからどこでも生るわけではないんです。まして鉢植えではその年はいいかも知れませんが、根っこの生育の問題がありますから、先ず無理でしょう。土の上にあるすべての枝と同じ大きさの根をはるのは櫻の種類の特徴です。通常の櫻の実について先生は特別な思い入れがあるんですね。確かにそう思わせるに充分な要素がありますから。櫻の実より桑の実の方が同じクワンクワンの顔になるにしても普通の櫻のサクランボより遥かに美味しいでしょうね。あはははは!女将校でしたか。きっと怖い先生だったんですね。身体に毒だというのは何かの養分が腹痛を起こすようなことを聞いたことがありますが、先生のおっしゃる通りそこまで毒素があるとは思えません。でも普通は今時は食べないようになっていますね。悪戯の性格が違って来たのでしょうね。
     
     染井吉野は一定のちゃんとした養分を与えると延命します。テング巣病になってもさっぱり構わないものだから、直ぐ枯れる状況になってしまう。花だけ見て、後は構わないっていうのは人間の業というものでしょう。美しいと思ったら、それなりに介抱してあげるのが本当です。余りにも花が散ったら無関心過ぎますね。それと名木は殆ど丘陵地帯に古木があります。これは水分をたっぷり必要なのに、水はけがいいところでないと育たない証拠になっているんですヨ。
     
     先生には櫻の花びらもそうですが、古い樹の幹を御覧になられて頂きたいのです。神がかり的な神秘性と迫力と生命感を感じられるでしょう。それも総合して櫻を考えるべきだというのが私の個人的見解です。おめぇらの方がよっぽど儚いわいと笑われているようで凄いものです。そろそろ京北から湖北に掛けて咲き出すことでしょう。今起きたばかりで恐縮でした。昨夜は徹夜の仕事でしたから。お陰様で今夕妻がやってくるようです。鬱金の桜を囲んで二人で食事を致しましょう。先生!気になった部分は何でもお話下さいね。分かる部分はきっと多いと思っていますので、何でもお答え出来るはずです。こちらこそよろしくお願い致します!
     

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