妻のスープ

 

坂村先生の蝶と花

良寛和尚の詩をしるした坂村眞民先生の御親筆

 

 

 

妻のスープ

 

 

 昨夕、会社から帰らんとする時、私あてに電話が入った。

妻からだった。出来たら早く帰ってという。えっ来てるのと聞いたら、ウン!と。

飛び上がらんばかりに歓んですぐ帰宅すると、殆ど京の根野菜で造ったというスープが、

ホッカホッカになって私を待っていた。ラップを利用して京漬物で造ったらしい手毬寿司も満載。

あなたは櫻の時季になると、どっか狂ってしまうようで、よほど疲れてはるんやろと心配だったという。

スープはさほど味つけはしていないが、何て優しく美味しい風味だったのだろう。

すすった瞬間、嬉しくてホロリと泣けた。

 

久し振りに妻が傍にいる。ただそれだけで手足の先端まで満たされるような、

独りよりやっぱり二人がいい。

妻の懐にいると、まるで妻の子供になってしまったような、

年の差なんてまるで逆転し、私は真っ白になって、そして早く深く眠りについた。

 

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妻のスープ への4件のフィードバック

  1. 道草 より:

    京都は夜半から細かい雨が降り続いています。思えば春は意外と雨が多いのでしょうか。間もなくこの二十日は「穀雨」。田畑を潤す雨はまた山野の樹木や花々にも慈雨となり、もちろん遅咲きの櫻には甘露の雫となるのでしょう。「春雨や美しうなるものばかり」(千代女)。今日は一日雨は降り止む気配はないようです。東京の空は如何でしょうか。奥様とお二人の静かなひと時。今宵はお手製の何が待っているのでしようか。急いで帰宅しなければダメですぞ、などと野暮なことを言いました。
     
    「パロール」 parleur et parleuse   木村 草弥
     
    ゆるやかな雲の流れ許された時間が ひととき僕たちに立ち止まるそれぞれ速度のちがう身体をもつ僕たち妻よ すれ違ってゆく<時>を僕らは 持ったそして 一瞬のうちにそして たぶん永遠の光の風味───。
    僕たちは 多くの そして ひそやかなパロールを交わしていたそして たぶん ランプのほのかな光さしあげた脚を照らしていた草叢のざわめくときに終わりを知らぬ<愛>よどむ水面にただよう<言葉>の断片たちよ
    夜を潜って君を探しあてるとそこに<唇>があったそれは夜にしか顕(あらわ)れないのかも知れない言葉のやり取りが果てしない線路のような気がしてどこかに 終わりがないかとやみくもに潜ったものだった
    夜を潜って君を探しあてるとそこに<唇>があったそこを かき分けるように進む
    僕たちは 多くの そして ひそやかなパロールを交わしていたそして たぶん ランプのほのかな光さしあげた脚を照らしていた草叢のざわめくときに終わりを知らぬ<愛>よどむ水面にただよう<言葉>の断片たちよ

  2. (Kazane) より:

    硯水亭さん、こんばんは。文章に幸せ感があふれていますね~。早く帰宅したくてしかたないことでしょう(^^)ぜひ、素敵なひとときを♪ 日曜日はお出かけ日和のようですし。 一昨日掲載されていたご主人様の絵も素敵ですね。以前も書いたのですが、私の好きな色合いの絵が多くて…。今回も楽しませていただきました!

  3. 文殊 より:

          道草先生
     
     今日帰ってみたら、冷凍庫の中に、小分けにしたホウレン草とかブロッコリーとか、南瓜の煮たものとか、全部一回一回取り出せるように茹でてありました。聞いたら義母からそうした方がいいと智慧をつけられたとか、お手伝いさんと協力して造ったらしく有難いものです。先ほど脚だけはまだですが、カタチンバでお風呂に入れてもらってサッパリしたところです。脚を固定する機材がついているために普段のズボンは穿けません。あれ以来ずっと外出には羽織と袴を穿いて会社に出ているのですが、ささいな付き添いでも嬉しい限りで、なんとも有難いのひと言です。今回は義兄が仕事で東京に来ている関係で一緒に来たそうです。あんなにたくさんの京野菜はどうやって運んだのか、やっと分かりました。本当に幸福です。お陰様です。今日こちらも小雨が降っていましたが、明日は大雨になるとか、一人でここにいて大丈夫と聞いたら、子供じゃないからと笑われてしまいました。お腹が大きいのに、益々しっかりとして来ているようで、軽いジョギングの真似までしちゃうものですから、時にはハラハラですが、すっかり子供は安定しているようで嬉しくてなりません。連休には又来てくれそうですが、本当に嬉しいです。二人で満ち足りた瞬間をじっくり味わうことに致します。又今回は素敵な詩で驚いています。今夜の夕餉にそれを読んで聞かせました。先生にも心から感謝申し上げます。有難う御座いました!
     

  4. 文殊 より:

           風音さま
     
     有難う御座います。皆さんの応援のお陰です。夕ひばりさんが言っておられたように、
    せいぜい1,5倍ぐらいの幸せにとどめておきましょう。連休には又二人きりになれそうです。
    厨房のことや洗濯など苦手なはずなのに、一所懸命に頑張ってくれています。
     
     主人の絵を風音さんが誉めてくれるものですから、時々出したくなるんです。いっぱいあります。
    こうした彩色したスケッチは殆どが油彩にするための絵です。御用が済むと処分してと言われていたのですが、
    処分せずに、私が大事に全部取ってあります。私にとっては宝物です。荒々しいタッチのものから、優しい絵も
    混在して、私の手許にたくさんあります、ひょっとしたら、Ryuは処分しないのではと主人には気がつかれていたかも。
     
     今妻がお風呂中です。お風呂から上がってから、二人ともこんな状態ですから、ちょこっとしか出来ないのですが、
    シャンパンをあけて乾杯しようと思っています。取り分け二人の健康に乾杯でしょう。花は過ぎても風音さんの春を
    もとめる旅はそこそこ頑張っていらっしゃるので、いつも写真を楽しみにしています。今日も有難う御座いました!
     

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