主人の三回忌

 

あなたが大好きな山櫻

 あなたの大好きだった山櫻

 

 

 

                            主人の三回忌

 

 

 今日のようなどんよりした暑さでした。2年前午後遅く愛宕神社の男坂途中で苦しいと言って倒れられ、間もなく心肺停止したのは。それからどれだけ泣いたことでしょう。今日はあれから丸二年であなたの三回忌。午前中に荘厳な真言密教の法要がありました。でも今はあなたに対する涙は枯れ果て殆ど出ませぬ。あなたの夢の跡を追い、ひたすら奮励努力する日々であります。あなたが思い描いた吉野山に勝るような壮大な櫻山建設にはまだまだ程遠いものです。地べたの収容は大変難しいもので、早急にやろうとしても殆ど無理ですが、全国にあるスキー場やゴルフ場など、その多くは除草剤など薬害で、櫻の苗木を植えるのに全く適していないところです。U先生やFさんの情報などは、もともと苗場を作る場所の傍ですから、これから具体的な情報となるでしょう。あなたの仰る通り既存の樹々と共生出来る櫻の樹林を植えて参りましょうね。全くねぇ、国有林の払い下げ問題なんか思うように進んでおりませんのです。お役所仕事には呆れるばかりです。コツコツと民間主導で集める情報のほうが確かなようです。

 それでも私たちは立ち止まっておりません。全国の櫻の名所を徹底調査し、中でも5年以内に枯渇してしまうであろう櫻の名所の救出が急務で、今最も力を注いでいます。各自治体と綿密に協議し、土質改良から始めようと考えています。現在自治体には櫻などに予算が及ばず、私たちの志を快く受け入れて戴いております。あなたの指示通りすべての費用負担は私たちでやらせて戴くようになっています。驚くことに、このままでは20年以内に全国に数ある櫻の名所は殆ど消え去ってしまうでしょう。だから今何を為すべきか、遠き壮大な夢は夢として追い掛けながら、今ある危機を真正面から受け止めて参りたいと決意しています。いいでしょう!

 それには補植だけで済むのならそうしたいのですが、殆どのお相手は染井吉野の群落ですから、押して知るべきでありましょう。今後私たちが目指す櫻の植樹は山櫻や霞櫻や里櫻などが中心で、一般の方々が御覧になられたら、やや地味な印象を否めないでしょう。でもあの吉野だってすべてが山櫻です。本数が多く揃えば華々しく壮観になること請け合います。これまで殆ど顧られることがなかった土壌・土質・樹間計画・水捌け・土中水分量・水質・櫻以外の既存樹木とのバランスなど数多くのことに神経質までに配慮しながら、私たちはどこまでも綿密に設計することになるでしょう。更に某大学とともに研究中である染井吉野の有精化研究によって、鳥もサクランボを食べないような染井吉野ではない新しい実生から育つ染井吉野が誕生するまで、もう少々時間が掛かるはずです。そしたら染井吉野だって植樹出来るようになるでしょう。ちゃんとご報告申し上げますが、その可能性は充分であり確実なようです。現在苦戦中であることは事実ですが。

 

ヴェルサイユ宮殿の至宝

 rois de France

 

  これはあなたが好きだったヴェルサイユ宮殿の至宝(rois de France)ですが、あなたの夢の他に,こうした地味な努力もどうか認めて戴きたいのです。指二本が立っていますから、如何なものでしょう。というのも今ある危機と将来の夢との二股を掛けているわけです。それが実際活動の現実と原動力なのです。きっとあなたなら、Ryuよ!よく判断してくれたと仰ってくれるに相違ないと堅く信じています。木になる花は何でも大好きだったあなたが、その中でも最も愛した花は薔薇科の花でしたね。そして櫻の花を!今日はたくさんのカサブランカの花があなたの祭壇を飾ってありましたが、もう少ししたら薔薇科の中でもちょっと毛色が変っている吾亦紅の花が咲き出すことでしょう。それを、あなたにお捧げしましょう、待っていてくださいね!二股と言えば、ちょっと意味合いが違っていますが、最近ある老婦人から下記のような詩を贈って戴きました。これもあなたに心から捧げます。

 

                「ピース!」

 

             どうして みんな2さいなの

             あの子も この子も 2さいなの

             しゃしんを とるとき 2さいなの?

 

             ねぇ、どうして みんな2さいなの

             おとなも こどもも 2さいなの

             しゃしんを とるとき 2さいなの?

 

             そうなの、 2さいは ピースなの  

             そうなの、 ピースは へいわなの

             しゃしんを とるとき はい、ピース

 

             でもね ちーちゃん もう3さい

             2さいじゃないから おかしいの

             だから しゃしんも ゆび3ぼん

 

 

ヴェルサイユ宮殿中庭の薔薇園

 ヴェルサイユ宮殿中庭の薔薇園

 

 真夏の暑い盛りに、櫻たちは来期の花芽をつける時季となりました。でもこちらの仕事のほうはまだまだ途方もなく時間が掛かります。しかも始まったばかりですものね。今は二本立てですが、或いは詩のように三本立てになるかも知れませんよ。でもどんな風になったって、あなたの清々しく気高い精神を思う存分生かしたものになるでしょう。資金は我々が出すんだとか、我々に与えられた特別な任務で使命だとか、決して特段に個人の名前を有名にしてはならないとか、櫻山こそ一般民衆の海の中で粛々と果たせと言ったあなたを、私たちは決して忘れませぬ。それだけは断じてお誓い申し上げます。それまでプリンスエドワード島の山櫻の森やウィーンの櫻やロンドンやパリの街路樹になっている櫻や世界中の櫻、そして薔薇の花々などをご視察なさっていて下さい。常に新鮮なアイディアを戴きとう御座います。そしていつまでも私たちに大きな勇気と覚悟をお与え続けて下さることをお願い申し上げます!心から深い祈りを捧げつつ、南無大師遍照金剛菩薩!

 

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主人の三回忌 への6件のフィードバック

  1. 道草 より:

    確か、「硯水亭Ⅱ」は、櫻師の1周忌に復活されたのではなかったでしょうか。それが、早くも三回忌。その間の目紛しくも幾多の変遷変転。逝く人あればまた新しい生命の誕生。そして、尊師の残された厖大なる意志の遂行への出立。「筍が他のものに纏わり付くことのなきが如く、犀の角のようにただ独り歩め」。これは亡師の言葉と記憶しております。自己の信ずる方向への思念は正にこの通りであっても、今やそれを支える愛しき強き伴侶と愛娘の存在があります。貴師の回忌に私如きが口出しすべきではありません。その僭越をご容赦下さい。暮々も健康に留意され、簸たすらの邁進を祈念致しております。「葉ざくらがひさびさ逢はせてくれたかげ」(山頭火)。

  2. 文殊 より:

            道草先生
     
     先生の仰られる通りです。硯水亭歳時記のブログでは機能的にどうも私に合わなかったものですから、MSNのほうへ代えたのですが、当時亡き主人がほったらかしにしてあった「あづさ弓」がありました。それを書き継ぐことにも意味があるのではないかと思われ、当初「あづさ弓」で書かせて戴いておりましたが、ほどなく「硯水亭歳時記 Ⅱ (旧あづさ弓)」として改題し再出発した次第でした。亡くなってから満一年目は一周忌で、丸二年では三周忌となるのですが、たった一年のこの間に余りにも様々なことがありました。お恥ずかしい限りです。ところで「櫻灯路」で経験させて戴いたネットストーカーや新たに開設されたネットへの誹謗中傷ブログなどのオバケが出現し、それらはブログ運営社から強制削除されましたものの、大変な苦い思いをしたものです。それ以来手前どもの個人情報は全く明らかにすることなく、今日までやってまいりましたが、それが今では完全に行き詰まっております。最早堂々と名乗りを上げて書かせて戴きたいわけでありますが、このブログの最初の経緯からして、本来このブログを閉めるべきではないかという強い意思を持っています。現在既に非公開の財団専用のホームページがありますが、土地収用の困難な問題や事前の難解な部分の仕事が終了し次第、それを整理し一般公開することとし、どなたにもご一緒に参加して戴くようしたらどうかと、現在大いに迷っているところです。友人たちからはこのブログの意味はこのままで充分にあり、このまま是非気長に続けるようにときつく言われているのですが、秘守主義には確実に限度があるというものでしょう。それらの問題は多分今後ともどなたにとっても悩ましいところなのでしょう。でも個人日記的な存在ではない以上(主に櫻山関係では)、自ずと限度があるようです。
     
     今回主人の三回忌を迎え、供養する心以外にただそれだけを考えておりました。恐らくもう少しで結論に達するものと存じます。無論今日までカキコしてくださった皆さま方(特にこのブログは大変恵まれた状況にあり、大変いい方しかカキコをされておりません)とは相変わらず心からなるお付き合いお願い申し上げたいですし、より一層ご指導ご鞭撻頂戴したいわけであります。U先生とかFさんとかの表現の仕方が不適切であったかも知れません。この際その点も心からお詫び申し上げます。今日も有難う御座いました!
     
     

  3. (Kazane) より:

    こんばんは。昨日がご主人様の三回忌だったのですね。こちらで、ご主人様のことを知り、素敵な絵も見せていただき…。何だか、いつからか他人のような気がしなくなっています。硯水亭さんのご結婚・お子様の誕生・プロジェクトの推進……、きっと、空からずっと見守ってくださっているのでしょうね。今日は私の父の八回忌でした。命日が、硯水亭さんのご主人様と1日違いなんですよね。昨日、燃えるような夕焼けを眺めていたら、様々な思いがこみあげてきました。お互い、遠くの空から見守ってくれている人がいるんですものね。がんばりましょう☆

  4. 文殊 より:

             風音さま
     
     おはよう御座います!三回忌って、満二年ですから、まだまだ記憶に新しくて偶に困ってしまうことがあるんですよ。でも主人が望んでいないと思い哀しみはほどほどにしています。
     
     >何だか、いつからか他人のような気がしなくなっています。
     
     何てお優しい言葉をおっしゃって頂けるのでしょう。勿論僕も本当に旧友のように常に親しさを感じています。貴女の感性が特別に分かるからでもあり、貴女の人一倍の優しさが嬉しいのです。
     
     まぁお父様の忌日とたった一日違いだなんて。風音さんは八年とかおっしゃられておりますが、これってきっと年数の問題ではありませんね。日ごろの風音さんの文章を読ませて戴き、まさにお父上さまが傍にずっといてたんだなぁって思います。あのお父上さまがいらっしゃったから、今日のお優しい風音さんがいらっしゃるのですから、影響と申しますか、感謝と申しますか、本当に大きな存在なのでしょう。子供の頃からのお父上さまとの想い出は必ず時々の雲を見ながら思い出してくださいね。僕もそうしているのですが、想い出すってことが、必ず彼岸の方へのご供養になると心から信じています。今後風音さんの雲や風を感じる写真があったら、そうした思いで撮られていらっしゃると思うことに致しましょう。同時に僕も、貴女の写真を通して主人のことを思い出せる瞬間になるでしょう。
     
     お父さん思いの風音さんが、いつか杏を抱っこしてくださる日が来ることを心から願っています!
     

  5. より:

    硯水亭さま、 ご主人さまの三回忌を無事終えられたとのことですが、この春からのお忙しさは大変なものだったでしょう。全てを理解している訳ではありませんが、先人の夢を引継いで、「既存の樹々と共生出来る櫻の樹林を植えて参りましょうね。」と心に誓われつつも目の前に降りかかる難問を解決しなければならない日々でございましょう。清い志は、その志が高ければ高いほど、そして透明度が高いほど多くの協力者を得るのでしょう。土地の事などこんなにオープンにされて大丈夫かしらと心配します。良い師を、良き伴侶を、良き子孫を授かられ、そしてなにより、大きな課題を背負われた硯水亭さまはなんと幸せなことでしょう。早く足を治して山を歩き回って下さい。

  6. 文殊 より:

                     Mfujinoさま
     
     遅くなりまして、本当に済みませんでした。月末につき、昨日から今日いっぱいは本社のほうの要請で、あちらの仕事をしていました。人を育てるのはやはり大変なことですね。後任はまだまだ育っておりませんので、適度な指導が必要です。今日は叔母が手伝いに来ていたものですから安心して仕事に精を出していました。先ほど帰ったばかりです。自宅に帰って、娘の顔を見てほっとしています。ブログではなかなか公開出来ないのですが、本当に忙しい日々です。財団のほうは今のところ順調ですが、Mfujinoさんがご心配になられるように、少々喋り過ぎですね。気をつけます。確かにブローカーもどきの方から連絡がある場合がありますからね。そのことがあって、プライベートなことは表づらしか公開出来ない苦しさがありまして、それが一番の難問です。このままこのブログを続けるべきか、櫻に一意専心すべきか悩ましいところです。友人たちが言う通り、このブログは僕のはけ口になっているような状況ですから、適度なお喋りやコメントでのやり取りは結構楽しいもので,、困っています。
     
     このところ寝しなにブログ散歩を偶に致しまして、Mfujinoさんの記事も羨ましく読ませて戴いているのですが、カキコをせず帰ってまいりまして、本当に申し訳御座いません。明日から交代で夏休みに入りますので、財団も閑古鳥が鳴く状況になるでしょう。きっと貯まっていたコメントを書かせて戴きたく存じます。本当に済みません。
     
     ちょうど20年ぐらい前でしょうか。嵯峨野の平野屋から愛宕神社に登り始めたのは夕方だったかしらん。狭い参道を多くの方々の賑わいで大変な熱気の中を、千日詣りをしたことがあります。平野屋さんからですからちょうど清滝さんを経由して行ったことをよく覚えています。主人と、その時2週間ぐらい京都に滞在していたでしょうか。下鴨さんの御手洗祭や、色々な楽しいことをして遊んだことがありました。高さ1千m.もないのに、愛宕さんには何故かクタクタになってに登ったのでした。夜明けまでずっと山の中にいました。当社ビルの火災を祈願して参った次第です。お陰さまで
    当社ビル関係には火災には無縁でしたが。愛宕さんが京都市街と周山との境界になっていることを、その時
    初めて知りました。周山も盆地ですから、今年の夏は暑い日々が続いているのでしょうか。どうぞお体には充分
    お気をつけ戴いて益々のご活躍を祈念しています。有難う御座いました!
     

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