旗振るな 旗振らすな!

 

北京五輪

    北京五輪 国家スタジアム「鳥の巣」の夜景 画像はMSNより

 

 

 

                    旗振るな 旗振らすな!

 

 

 今夜は様々な問題を抱えつつ漸く北京五輪が終了し、閉会式のおめでたい日なのでしょう。小生は少々臍曲がりかも知れませんが、今回の五輪を素直に歓べなかった一人として、昭和時代と格闘したサムライ小説家・城山三郎の詩を掲げ、これからの中国に熱いエールを贈りたいと思いました。世界は従来のような経済の仕組みではありません。世界のどこかで何かがあれば直ぐ反応を起こしてしまう時代で、今後この仕組みは変わりそうにないはずです。北京五輪開会式の日に、ロシアはグルジアに大量の戦車を送りました。アフガンやイラクでは未だにテロとの戦いが続いています。平和を願うオリンピックであるはずなのに、どこか白けた雰囲気が漂うのは何故でしょう。多彩な色彩の国旗の奥に何かが隠されているからでしょうか。オリンピックの激戦のさなか、NHKでは再び戦争の証言を放映致しました。戦争を知らない世代の小生は甚だしい衝撃を受けました。今日はアウシュヴィッツの放送もありましたし、先日南京を中心に、板垣征四郎と東条英機など関東軍参謀たちが企み、アヘンを大量に栽培させ、それを中国人に売り蔓延させ資金を稼いで、次々と戦争をしていた事実も放映されました。驚くことに最近東条英機の終戦直前の手記が発表されました。戦争は国民のせいだと言わんばかりの内容で言葉も出ませんでした。63年経った今も本当の総括が出来ていないばかりか、他国にモノいうのに資格がないのですが、あえて申し上げれば今回の五輪で中国政府は4兆何数千億円もの大金を注ぎ込みました。大切な隣国のことですから、あえて具体的に申し上げるつもりはありません。でも大多数の国民が貧富の格差に喘いでいることを心から懸念しています。『セブンイヤーズ・イン・チベット』の映画を持ち出すまでもないでしょう。真の平和な世界になるために、あえて今宵、城山三郎の詩『旗』を献じたいと存じます。等しく永遠なる平和を心から願いつつ!

 

                 「旗」 

 

                旗振るな

                旗振らすな

                旗伏せよ

                旗たため

  

                社旗も 校旗も

                 国々の旗も

                 国策なる旗も

                 運動という名の旗も

 

                 ひとみなひとり

                 ひとりには

                 ひとつの命

 

                 走る雲

                 冴える月

                 こぼれる星

                 奏でる虫

                 みなひとり

                 ひとつの輝き

 

                 花の白さ

                 杉の青さ

                 肚の黒さ

                 愛の軽さ

                 みなひとり

                 ひとつの光

 

                 狂い

                 狂え

                 狂わん

                 狂わず

                 みなひとり

                 ひとつの世界

                 さまざまに

                 果てなき世界

 

                 山ねぼけ

                 湖しらけ

                 森かげり

                 人は老いゆ

 

                 生きるには

                 旗要らず

 

                 旗振るな

                 旗振らすな

                 旗伏せよ

                 旗たため

 

                 限りある命のために

 

                      「支店長の曲り角」 城山三郎著より

 

チベットに自由を

  報道の自由が約束されていたものの米人拘束される 画像はMSNより

 

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旗振るな 旗振らすな! への4件のフィードバック

  1. 良枝 より:

    こんばんわ。りんこです。
    記事を読んでいて思い出したことがあったので、
    長くなるから自分の方に書いちゃおう 笑
    人権の件・・。
    ほんと、正義の軸というのはどこにあるんでしょう。
    ことごとく難しいですね・・
    とうなって、うなったまま先の見えない問題です・・。

  2. 道草 より:

    何はともあれ五輪は終了しました。「一つの世界、一つの夢」のテーマの下には、数々の矛盾と犠牲があったのは事実のようです。開会式・閉会式の光量と音量は、様々な疑惑と暗部を塞ぎ洗い流そうとせんばかりでした。1世紀近い昔に生まれた魯迅の「狂人日記」は、生き延びるために人が人を食らう社会―と言う極限状況を暗喩しています。現代社会の富者と強者が貧者と弱者を犠牲にして肥えていく、この食人社会の現実は、まさに魯迅の描いた世界なのかも知れません。
    ただ、世界の5分の1の人口を占める中国を、この西風を圧倒しつつある東風の有りようを、今後は無視し得ないのは事実でしよう。かつて東京五輪は、戦前から断絶された新しい日本を世界に披露し、国内の高度成長の波を醸成しました。また、ソウル五輪は、「みすぼらしい」アジアの旧植民地が世界の桧舞台に立つ〝ダイナミック・コリア〟の契機となりました。そして、今回の北京五輪。過去のアジアの五輪がそうであったように、政治から経済の時代へと平和的に移動する決定的な契機となり得るのかどうか。せめて、「人間を食ったことのないこどもは、まだいるかしら?せめてこどもを…」(『狂人日記』魯迅)と、祈らざるを得ません。
     
    「動作」  ジュール・シュペルヴィエル
     
    ひよいと後ろを向いたあの馬はかつてまだ誰も見た事のないものを見た次いで彼はユウカリの木陰でまた牧草(くさ)を食ひ続けた。
    馬がその時見たものは人間でも樹木でもなかつたそれはまた牝馬でもなかつた、と言つてまた、木の葉を動かしてゐた風の形見でもなかった
    それは彼よりも二万世紀も以前丁度この時刻に、他の或る馬が急に後を向いた時見たそのものだった。
    それは、地球が、腕もとれ、脚もとれ、頭がとれてしまつた彫刻の遺骸となり果てる時まで経つても人間も、馬も、魚も、鳥も、虫も、誰も、二度とふたたび見ることの出来ないものだつた。

  3. 文殊 より:

          りんこさま
     
     御免なさい。遅くなって!今日は朝からオフィスで仕事でした。
    久し振りに一日中自宅をあけてしまいました。
    今回のオリンピックには幾多の問題を提示していましたね。
    りんこしゃんは特に中国だったので、感ずるところも多かったかもね。
    人権の問題は一番難しい問題です。跡でそちらにお伺いしますね。
    何だか楽しみです!
     

  4. 文殊 より:

             道草先生
     
     実は、僕は日本の国旗や国歌は大好きです。但しそこに国家の威信とか、国威発揚という言葉が来るとどうもいけません。直ぐ反抗してしまいたくなります。すべての国歌や国旗はその国の文化に与えられるもので、狭量な政治や貧困な経済政策に活用されるのは反対なのです。益々政治は日和見的になり、もはや政治の世界では一年先まで読めていないのでしょう。そこが情けないことです。骨太方針という言葉はいいのですが、日々やらなければいけ内部文と課題をしっかり持って気長に取り組むべきことの差がるのは歴然としています。気骨のある政治家は与党野党含めて、どうもいそうもありません。政策ではなく、党利党略の半ば政争の具を論争しているに過ぎません。情けない話です。残念ながら中国では様々な矛盾が内包されてあります。日中戦争ではどんなに迷惑を掛けたか、最近再び認識を強めています。東条英機がやったアヘン製造と中毒化は、南京虐殺とともに、中国のかたがたには納得出来るものではないでしょう。それが関東軍参謀の真の姿でした。戦陣訓を掲げた人にしては自決の真似事だけで、自ら罰するどころか、国民を愚弄しているような発言が、戦争終結の15日前にあったとは驚きでしたね。あれだけの人物が靖国に入っているかと思うと、身内にも靖国にいるものがおりますから、全く納得出来ません。国際裁判でなくても、日本人だけの裁判でも裁かれて当然のことでしょう。石原莞爾とは大違いです。
     
     魯迅の「狂人日記」は未だ読んだことがありません。凄まじいことが書かれてあるのですね。是非読んでみたいと思いました。僕も人食らう子が出ないことを祈るしかありません。中国の臨海都市部だけが富裕層で、しかも共産主義とは官僚絶対主義にならざるをえず、地方地方に中央から派遣された役人の横暴や汚職もたくさん漏れ伝わって参ります。今回の五輪は強権によって成功したかに見えますが、早速株価の暴落が始まっており、上海万博まで持つかどうか、心配な雲行きです。五輪バブルが大きくはじけるのでしょう。中国では現在とんでもなく物価が上昇しております。日本の物価上昇も、そのことに無縁ではありません。この際イデオロギー問題を一時棚上げし、現実を直視することが求められているのでしょう。当社も香港支社があり、損保の事業を展開していますから、他人事には思えないのです。しっかりその動向を見つめて参りたいと存じます。
     
     キムジョンイルを簡単に笑えません。あの忌まわしい戦時中では現在の北朝鮮以上のことを、内地は勿論外地でも平気で行われていたことですから。国威発揚だけじゃないかと、中国政府を笑えません。日本で行われた五輪だって、まさしくその通りだったのですから。韓国の激しい国民性を笑えません。それだけのことを日本がやって来たのですから。日露戦争の勝利から太平洋戦争敗北まで、たった40年でした。急いでいたのでしょうか。安政の大獄で処刑された多くの人材にも、勤皇だ尊皇攘夷だと声高に叫び惨殺された多くの方々にも、幕府の要人や薩長連合から敗れた兵士たちの中にも、明治ご維新時大勢パワーになる御仁がいただろうに。坂本竜馬が生きていたらどうなっていただろうかと、ふと考え込んでしまいます。先生がおっしゃるように、隣人の中国には大人になって戴きたいと願うのみであります。先ず内憂をご考慮戴きたいと。
     
     ジュール・シュペルヴィエルの「動作」という詩は何と深い意味が隠されているのでしょう。驚きました。同時にいつも啓蒙して戴いてどんなに感謝申し上げているか、心より謝意を申し述べます。有難う御座いました!
     

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