寒くなりて候や 霜月の花酔(ぐ)れ

 

江戸時代

  江戸時代 文化元年(1804)刊行 『改正月齢博物筌』 江戸時代の献立表 現在と比べても遜色なく豪勢なものである

(版木の印刷物なら 家内でなくとも僕にでも読めますので ご説明を省略致しましたが ご遠慮なくご質問をお寄せ下さりませ) 

 

 

 

 

                             寒くなりて候や 霜月の花酔(ぐ)れ

 

 

 妻は普段ほとんど化粧しない。余程の催しモノか何かある時は別だが、偶にごく普通のルージュをひく程度で普段はリップクリームで済ませている。然もひいたぞぉと言う感じではなく、薄塗りで密かにしているといった風情で、毎朝自分の顔を、お米のとぎ汁で顔を洗っている。顔の手入れと言えば言えなくはないのだろうけど、祖母から教えて貰ったお化粧法なのだという。初じめて出逢った頃、妻は高校も終わりの頃だったし、化粧っ気ないのは当然だと思っていた。だが次第に、彼女の実家に、我々二人の関係の既成事実を積みあげに行くようになった頃、ようやくその訳が瞭然とした。お母さんまでそうしてると、内心驚いた。更に湯上りに、少々の椿油を使う程度の髪の毛の手入れなんか、まぁお化粧法といったらそう言えるのだろう。そんな妻や義母の顔を見慣れているせいか、或る程度のお化粧をしたほうがいいのかどうか、男の僕にはさっぱり分からない。家が京都だからといって、古風なことをしていると自慢するつもりも全くない。そんなことをしていても、母娘ともども、顔や肌がツヤツヤしていてツルンツルンしている。お婆ちゃんの智恵袋を守っているらしい。真夏にスイカを食べた後、スイカの残って薄くなった赤い部分で、顔まで撫でて洗うが如しであるからすっごく可笑しい。勿論自宅にいる時しかやらないが、僕はいつも可笑しくって不思議だなぁと思う。亡きお婆ちゃんのお話によると、顔は、年とともにお化粧疲れをして来るから、出来ればなるべくしないほうがいいと言うようなことや祇園の芸妓はんたちは可哀想やでと、お婆ちゃんが常々言っていたらしい。お顔の肌だって、皮膚呼吸するからとも。妻の実家がお世話になっているお寺の過去帳によると、最も古いご先祖さまで、徳川家治が徳川十代将軍になった頃あたりらしく、家の伝承も230年ぐらいなものだろうと言う。昔は大きな商いをする商家だったらしいが、今はみんなごく普通の勤め人である。特別な家ではない。でも京都人とは何かにつけ合理的だと感心することが頗る多い。今でも大家族で古めかしい町屋で暮らすのに慣れていて、だったらそう言う伝承・口承は、大いに結構なことなのかも知れない。

 先日、お願いをしていた真鴨のお肉が手に入ったので早速、妻と鴨鍋にして食べた。渡りの直ぐ後は、真鴨は痩せているから不味く、渡って半月かひと月ぐらい経ち、寒くなった頃合のお肉のほうが圧倒的にいいらしい。琵琶湖の小魚をたらふく食べて丸々と太ってくるからであろう。湖北の、知り合いから譲って戴いた琵琶湖産の真鴨の「抱き身」の肉で、特にこの時季の真鴨の頸部は美しい青緑色をしている理由で、大根の呼び名と全く同じように「青首(あおくび)」と言っているらしい。確かに美味しそうな色艶のお肉で、久し振りに鶏肉系の美味しいのをたっぷりと食べたような気がする。鳥ウィルス関係の心配がないでもないが、送ってくれた方は本場・京都の料亭などに、永年直接卸している方でもあり、その方面の権威でもあるらしいから、まぁそこそこに安心するしかない。そして鴨には葱が欠かせない。「鴨が葱を背負って来る」の喩えの通りで、その相性は抜群である。今回は一緒に、京野菜の葱も送って戴いたが、何と走り書きに「葱もいいけど芹の相性も抜群にいいですよ」と書かれてあって、立派な芹も付けて送って戴いた。鴨肉は鴨の脂(あぶら)に、特有の「しつこさ」があって味がくどくなるのを嫌うために、食通は三度も鍋を替えるらしいが、そこまではとても出来っこない。ただこのしつこさに対して、確かに芹の取り合わせは、味が中和されるためだろうか、ちょうどよかったようで、実に美味かった。

 

鴨鍋

 真鴨のお鍋

 

<鴨鍋のリシピ>

1 真鴨は薄く、そぎ切りにする

2 葱や芹は4~5cm長さのぶつ切りにし、葱は縦半分割りにする

3 料理酒を煮きって土鍋に入れ、野菜を敷いた上に(1)を敷き詰めるように並べ、塩・黒胡椒を振る

4 フタをして強火にかけ、1分ほどしたら弱火にして、8~10分煮て鴨に火を通す。食べる時柚子胡椒を添える どぞ!

 

 その点、普段ごく質素であるのが、妻の実家と当家はよく似合っていて、こんなちっぽけな贅沢なことはお互いに話し易いことである。朝は、お粥さんに、ジャコ山椒なんかがあれば何も言うことはないし、白飯の場合、美味しい梅干か納豆があれば、一切文句はない。お昼はそれこそいい加減に済ませている。夕餉でも、品数だけはやや多いものの、特別な贅沢は一切していない。但し手間と手順だけは出来るだけちゃんとしようと心掛けているだけである。現在腰痛があるために、力が要る仕事は出来ないので、今のところ讃岐饂飩(さぬきうどん)や蕎麦打ちなどは無理である。普段の仕入れは、時々お願いするお手伝いさん(ビル管理人の奥さん)に手数料を払って頼んでいるが、妻が来る日を狙って特別に、あれこれ現地直送して戴くのが何よりの楽しみで、今度は何かなぁと妻が期待してくれるのを、今一番の歓びにしている。

 秋も深まると、一層美味しいものが出回る。鯧(マナガツオ)・マル(スッポンのこと)・牡蠣(カキ~特に的矢の牡蠣)・鮟鱇(アンコウ)・鮭(シャケ)・虎魚(オコゼ)・季魚子(キビナゴ)・秋刀魚(サンマ)・皮剥(カワハギ)・鯖(サバ)・沙魚(ハゼ)・鱈(タラ)・鱩(ハタハタ)・甘鯛(アマダイ=京都ではグジ、山陰ではコビリ又はコビル、山口県ではクズナ、静岡県ではオキツダイと称する)・鰊(ニシン)・平貝(タイラガイ)・九絵(クエ=モロコ、アラとも言う)と目白押しで堪らない楽しみである。蕪(カブラ)・白菜(ハクサイ)・三東菜(サントウナ)・高菜(タカナ)・菊花(食用菊で、八戸の黄菊や安房宮、山形や新潟の淡紫色の延命菊・もってのほかなど)・里芋(サトイモ)・蓮根(レンコン)・水菜(ミズナ)・春菊(シュンギク)・牛蒡(特に大宇陀町の金牛蒡)などお野菜モノも、こうして数え上げたらキリがないのである。いい材料をたっぷり使ってしっかり作り、妻に歓んで貰いたい一心である。ご馳走の時の材料は極力一級品を使うべきで、こんな贅沢を偶にしても、当家の食費は高が知れている。

 今日は『一茶忌』である。先日NHKアーカイブで小椋佳が最初に舞台で歌った時の様子を放映していたが、その時小椋佳が「かたつぶり 登れや登れ 富士の山」と俳句を披瀝していた。かたつぶりが富士山頂に決して立てないのは分かっていても、上へ行く努力をするもので、私の作曲はそうした類のものだと言うような意味らしい。そう言えば何処かでそんな俳句を聞いたことがあると偶々一茶を調べてみたら、確かに一茶の俳句にあった。ちょっとだけ違うが、「かたつぶり そろそろ登れ 富士の山」と言う句で、生家・柏原近くの富士里小学校に石碑が立っていたはずである。如何にも小動物に対する愛情深いものを滲ませるいい俳句であるが、己が実父の死後、継母と十数年に及ぶ相続争い。何処か好きになれない俳人で、一茶が経歴詐称していたことを藤沢周平が書いていたような覚えがある。今朝御飯を食べながら読んだ本で、母が入っていた「絵本の会」の、友人の絵描きさんが書いたエッセイ『老婆は一日にして成らず』は、滅茶苦茶に笑えて物凄く楽しかった。年を重ねても益々お元気であると言うことは絶対に素敵なことである。だが昨日、腰痛の再検査で、1週間に必ず一度は検査を受けなければならない身に変化はなく、当分海外へは行けそうにない。はっきりとドクターストップが掛かったのである。じっと我慢するしかない。何と言ってもまだまだ『治験』の対象患者で、あのような大きな複雑骨折の事故後一年も経っていないのだから仕方がないのだろう。今夜も、一人鍋。多分お野菜たっぷりの塩チャンコかなぁ、ほっこらした中で、久し振りに、春の花の夢でも見ていたい。無論我がポニョと妻と、みぃ~~んな一緒にである。お酒がちょっぴりでも入れば、下弦の寒月の、花酔(ぐ)れとあいなろう。はよ帰ろっと!

 

   今日のBGMは コブクロの『永遠にともに』

 

広告
カテゴリー: 料理 パーマリンク

寒くなりて候や 霜月の花酔(ぐ)れ への10件のフィードバック

  1. 良枝 より:

    こんばんわ。りんこです。
    全く持って今回もおいしそうな話!!
    おなかがすきます 笑
    高校生の頃、R指定かかっていたのに
    制服で観れた映画「失楽園」で
    主人公カップルが最期の食事に選んだのが
    鴨とクレソンの水炊きだったような気がします。
    とても食べたくなった事を今思い出しました 笑
    カタツムリといえば、
    中国アイドル周傑倫(ジョージエルン)
    の「蝸牛」という曲が数年前に中国の小学校で
    音楽の教科書に載ったとか。
    一歩一歩歩みを進める希望溢れる歌で
    子供が合唱なんかしたら感動して泣けてしまうかも 笑
     

  2. 文殊 より:

           りんこさま
     
     おはよう御座います。美味しい話はお好きですか。僕も目がないんです。
     
     ちょっとその前に、無関係かも知れへんけど、各有名都市の広さに比較をしておきましょう。
    ニューヨーク・マンハッタンは約6000㏊ この広さは東京の山の手線以内の地域に相当し
    又別な見方からすると、東京の4区 即千代田区・中央区・港区・新宿区に相当する広さです。
    パリもロンドンも、その半分で約3000㏊しかありません。ところが京都はもっと狭く827㏊しかないんです。
    それも京都府全体で人口は264万人いてはるのに、京都市には何とその半分以上の約150万人います。
    そんなゴチャゴチャした狭い区域の京都ですから、色々と京都の特徴が逆に生まれたのでしょう。
    路地(ろーじと表現)の狭い道でも狭い道路の半分まではちゃんとそのお宅で水撒きをします。お互い
    さまで、そうした互恵の感覚が京都には、もともと存在したようです。京都の文化の背景について余計な
    おしゃべりでした。すまんことどした!ペコリ!
     
     そうっかぁ、「失楽園」の最期のメニューはそうでしたか。僕も観たのですが、気付きませんでした。
    鴨さんには、クレソンなんか癖のある匂いがあるお野菜は絶対に合うと思いますねぇ。どうですか、
    今晩でも挑戦してみたら。普通のお肉屋さんでは合鴨は売っていると思いますよ。合鴨でも充分ですからね。
    愛用している中国の音楽検索である「BAI MP3」では確かに周傑倫はトップシンガーですね。
    検索するとゾロリとびっくりするぐらい多い子だったので、一体何者と実は、このおじさんは考えていた時でした。
    中でも「蝸牛」の前奏は静かなピアノから始まって次第に高まる音の高揚は凄かったです。
    「稲香」や「青花姿」や「彩虹」や、皆素敵な曲で、愛の歌が多いんですね。どのコンサートでも爆発していますから。
    「蝸牛」のように、一歩ずつって全員で歌ったら、それこそ連帯を感じて嬉しくなるでしょう。謝謝
     
     りんこしゃんのために、今後も色んなリシピを公開して行きますから、どうぞご参考までに!
    今日もおいで戴きまして、有難う御座いました!エイエイオ~~~~~~~~~!
     

  3. 道草 より:

    一昨日に木枯し1号が吹いて、その翌日から一気に気温が下がりました。早朝に散歩とはいえ、ふらりと歩けば身の引き締まる思いもまた佳き哉。やや遅れ気味でした公園の楓の紅葉も冷風に加速され、はたまた街路の公孫樹の黄葉も急ぎ足。陽が出て霧が晴れれば、眩しさに手を翳さないと見ていられないばかり秋酣となりました。まさに季節の夜長であれば、鍋料理ならではの此の頃ではあります。常は一人鍋ならばこそ待ちかねた夫婦鍋(やがては親子鍋へ)は、一層極限の賞味の刻を過ごされ祝着の限りと存じます。鴨鍋など手間暇掛けて召し上がることこそ最高の贅沢なのではないでしょうか。「青首の鴨釣りてあり料理の間」(赤木格堂)。木版メニューも実に盛り沢山で、鼈は分かりますが龜の料理とはこれ如何に。九絵の字を始めて知りました。ただ、ハタハタは鱩ではないかと。一方、腰痛の回復へのご専念も最大事であるが故に、どうか呉々も自重の上(仕事のことです)早い復帰に全精力を注いで下さい。「花酔(ぐ)れ」とは硯水亭製新語でしょうか。花酔いの言葉ならたまに目にしますが・・・「花酔ひの昼やはらかく水煮えて」 (畑ゆき乃)。材料は兎も角も鍋に熱燗。我が家は古き二人故に相手変わらずも詮方なく、何時もと同じく秋の夜長を堪能しております。今宵は暫し下弦の月をも愛でると致しましょうか。
     
    「青葉城」   土井晩翠
     
    秋はうつろふ樹々の色に名のみなりけり青葉山図南(となん)の翼風弱く恨(うらみ)は長く名は高き君が城あと今いかに。
    弦月落ちて宵暗(よいやみ)の星影凄し広瀬川恨むか咽ぶ音寒く川波たちて小夜更けて秋も流れむ水遠く。

  4. 文殊 より:

               道草先生
     ご指摘の通りハタハタはカミナリウオとも呼ばれているのですから、鱩(魚へんに雷と書いてハタハタ)とか鰰とか燭魚が当然のご指摘でありますね。タラとも書きたかったので、ついアマタの中が混乱したようです。書き改めましたので、ご確認下さりたく!済みません。又公孫樹のご指摘も嬉しゅう御座いました。京都郊外の岩戸落葉神社に夥しく落ちる公孫樹の黄樹をつい思い出されたものですから、短絡的に銀杏などと。又鼈(すっぽん)の料理は、無論あるのですが、さすがに亀(かめ)の料理は今まで伺ったことはありません。版木には鴛(おしどり)も入っていますから、お目出度いものは食するのをタブー視されていたのはないでしょうか。スッポンは今やそんなことを言ってられませんが。この版木に、先ず最初に「 禁物(きんぶつとありタブー視された食べ物が最初に記載してあります) 亀(かめ) 鼈(すっぽん) 鴛(おしどり) すべて甲ある 物ふるき乾燥の魚 生の韮 生の薤(おほにら) 生菜 又火に焙(あぶ)る肉を食ふべからず 」「 好物 雉(きじ)肉九月より此月(十一月のことか?)まて食すべし 稍(やや=少々のことか)補(体力増強の作用)あり ○雀肉 冬食ふべし 委(くわ)しく 十月の部にしるす 」「 料理 汁; しらうを 芽うど ; もうお(藻魚) ねぶか ; かき。みつ葉 大根おろし : 玉子 にぬきしろみ 岩たけ こしやう ; たこ ぜにせり 葉つきかぶら からし ; かも 皮ごぼう 葉つき大こん しめじ 」「 膾(なます) たい、赤がい さより 大こん せり くり せぅが(生姜のことか) ; なまこ 大こん さより くり せうが ; きんし玉子 さきゆび。大こん いり酒 ; 紅あいご くらげ 岩たけ 梅仕立いり酒 」「 清汁(すまし) まて貝 浅草のり ; かも つくづくし(つくし) ; 目さ(刺)し 小梅ぼし 」「 差味(さしみ) 鯛 霜ふり あさつき いり酒 ; 鯛 小さい切 大こん うど なんばす(南蛮酢) ; 鯉 さきゑび 、いる(貝) ほう(防)風 わさび ; なまこ(なまこを畳鰯状に干したもの) 小たゝみ わさび いり酒 ; 鴨 あまかわ ゑんず(燕巣) いり酒 」「 煮物 むしがき 玉子とぢ ; かも たたき ぼうだら わりねぎ せうが ; 浜やき鯛 くづあん せうが ; 生あわび せん(切り) くづあん わさび ; せり 玉子 ふはふは ; 雁 あわび 細づくり いゐたけ ; 生鯛 せ切り あぶらあげ ねぎしろね 」「 和會物(あへもの) 数のこ なし 黒ごまあへ ; いか ごぼう 同上 ; 玉子 白み うど 黒くわへ(い) ; むきしじみ 水くらげ 同上 ; 生かい(貝) せん(切り) さつまいも 青菜すみそ 」「 吸物 鮒(ふな)のこ 茶せんねぎ ; 焼もろこ 青のりのこ(粉) ; 鮗(はも)のわた ねぎ 小口 ; 鯉 引皮 千さんせう ; しじみ ごと(五種のみそを合わせた)みそ 」と言う具合の翻訳記載になるのでしょうか。これらって今考えても贅沢三昧で、どこの誰兵衛さんが食したものか全く書かれてありませんが、一般的献立表に出来ていますので、特定した献立ではないのでしょう。まさに殿様気分でしょう。或いは一種の憧れとして書かれたものではないかとも考えられますね、今いち判明しておりません。ただ非常に参考になる箇所はいくつもありまして、和食の新作作りには大変貴重な書と言えましょう。
     
     又千利休の時代の茶席に出る和菓子は、今のような和菓子では一切なく、たった三種しかなかったようです。「椎茸の醤油焼き 救皮(クレープのようなもの)の中にお味噌少々包んだもの それと焙り昆布」の三種だけでした。信長の時代は金平糖で、小さな城なら交換で貰えたとか、それだけにお砂糖は貴重なものだったのでしょう。家光以降、商家が次第に力をつけて参ります。すると、たった一つ開かれていた長崎からドンドン砂糖が入って来るようになり、そこから京菓子の歴史が始まっているようです。ですからどんなに古い和菓子商のお宅でも、江戸中期以前には遡れないでしょう。この版木の場合江戸の後期ですから、これだけ資金は武家にではなく、商家のほうへ多く流れ、その流れはやがて薩長が力をつけることになっていったのでしょう。徳川幕府は最期の将軍まで、この現実の現場をつぶさに見ることはなかったのではないでしょうか。
     
     妻はこのような印刷物ではなく、手書きの文章を読み、苦心惨憺しているようです。人によっても癖がありますから。伊勢の斎宮の研究で、古代史からコツコツと頑張っているようです。「花酔れ」は井上流の京舞か、竹原はんの出身の上方舞か、どこかで見たことがある舞踊の歌唱の中に出て来たものです。井上流の「虫の音」や上方流の「雪」は最も重く、超有名な演目ですが、それに匹敵する重要な歌謡だったと思いますが、そこに出て来た言葉でした。これって舞踊の造語なのと、その時一緒だった年長の芸妓さんに伺ってみたら、ちょっと笑った後、「花に酔いどれ」と言う言葉から、次第に綺麗にしようと思って一字で「花酔(ぐ)れ」にしたんだとか。意味は美しい夢を見てドロリと酔ってしまったというような意味だと伺っています。強いて言えば日本舞踊独特な発想の言葉なのでしょう。言語辞典にも出て参りませんです。つい迷わせてしまって御免なさい。又その歌謡が出ている舞踊も調べておきます。腰痛の件ですが、今回日本で最も超微細なMRIを撮りました。第三脊髄にやや異常があって、第二脊髄の真上に、神経がとぐろを巻いているらしいのです。痛い原因はすべてこれで完全に分かりまして、今後一層の対策とリハビリが必要なのでしょう。色々とご心配掛けまして、本当に有難う御座いました。こう寒くなって参りますと、やはりお燗のお酒でしょうか。お身体をお大切に!
     
     

  5. 文殊 より:

           道草先生
     
     済みません、おっちょこちょいで!差身(さしみ)の欄で「いる貝」と書きましたが、「みる貝」の書き間違えでした。多分キーの打ち間違いかも知れません。何しろ仕事ですから、阿呆いですね。ポリポリ!!!訂正してお詫び申し上げます!!有難う御座いました!
     
     

  6. 道草 より:

    水松喰貝(みるがい)ですね。この貝は高級種ではないのですか。私は食べた記憶はあまりありません。何だか、探し回ってでもみる貝をアテに、熱燗で一杯やりたくなりました。ご丁寧に有難うございました。律儀な硯水亭さんに脱帽です。

  7. Unknown より:

    こんにちは。
    今日は今のところ雲ひとつ無い快晴ですね。
    きっぱりと気持ちのよい空ですが、やはり雲が浮かんでいて欲しい・・・
    『美しい雲の国』を読み終えました。
    表紙が素敵なので新書版の方を購入しました。版画もカワイイですね。
    これは童話? 小さな物語? 松本侑子さんの今まで知らなかった一面を拝見したような。
    不思議な魅力に溢れたお話でした。
    10歳の自分を思い出し、今も自分の中にある10歳の部分にも触れ、やわらかな心になりました。
    よいご本をご紹介いただき、ありがとうございました。
     
    硯水亭さんのブログに伺うと、美味しいものをいただきたくなりますね。
    でも今夜は我が家も鴨鍋に、というのはちょっと無理カモ(?!)
    午後にお散歩がてらお店に行って何か良さそうな物を探してみます。
     
    冬がどんどん近づいていますね。どうぞお身体を大切に。

  8. 文殊 より:

            夕ひばりさま
     
     ホントですね。気持ちよくて、先ほどどうにかこうにか頑張って、紅葉が始まったばかりの皇居までお散歩がてら行って参りました。まだ充分には歩けないのですが、歩かないと筋力がすぐ衰えてしまいますから。朝から富士の山が見えていますよ。都心から見る富士はいいですねぇ。山梨辺りからだとテッペンしか見えないですからねぇ。ビルの高いほうから見ると、以外に大きく見えます。裾野はさすがに見えませんが。風音さんはどうされていらっしゃるでしょうね。
     
     『美しい雲の国』を読まれたんですね。よかったぁ。あれって松本侑子さんを改めて凄い人だと思いますよね。アンのように発想力が凄いし、文章もなめらかで、実は僕もまじに驚いたんですよ。先々週妻が来て置いて行った本でした。
    ですから、この本の発行元は小学館です。挿絵は大野隆司さんという方です。1993年の第一冊本です。何かの時に、
    妻はこんな本を読んで、普段古文書ばっかりお相手してますから、息抜きしているのでしょう。あとがきに大野さんとの
    出会いのお話が書いてあります。大人のための童話を作りましょうってこととか、大野さんがやっていた同人誌『汎画』を
    ずっと購読されていたとか、又小部数で、秘密の本を作ろうとか、面白いお話でした。こんな本がもっと売れればいいなぁと
    思います。読後感が爽やかでしたし、美雲とお別れするのが淋しいなぁとも。男性にしたって、こうした女の子のお話は
    結構興味があるものですよ。松本さんは鋭い観察力と、同時に膨らんで来る豊かな情感には、感心して読ませて戴いたものです。
    妻は「源氏物語」を最初漫画で読んだとか、笑って言っていました。まだどことなく女の子なのでしょう。学問の時以外はね。
     
     お散歩から帰って、杏の声を聞きたいし、今週どうするのかなぁと思って、錦秋の京都に電話しましたら、何ともう
    お宅に着いてる頃ですよと言われ、自宅に電話したら、既に杏と倭文が来ておりました。今日は17;30の鐘とともに去りぬ
    を致します。ちょうど的矢の牡蠣が届くそうですから、今夜は生牡蠣と牡蠣御飯と牡蠣グラタンでも作りましょう。杏と倭文は
    どうも他の人がいないから好きだと言っております。今夜は寒いので、三人でアンヨをあっためあって眠りましょう。
    ちょっといいお話なんですが、今週は4晩泊まってくれそうです。25日午前まで楽しみぃ~~~!
     
     お姉ちゃまも、どうぞお身体に気ぃつけてね!三の酉(今年 最後のお酉さまは29日です)まである年って寒いらしいから。
    今夜は『近松忌』なので、妻に向かって、ひと節義太夫節でも唸りましょうか。でも杏ポニョは泣いちゃうかなぁ。アッハハハ!
    既に妻は、杏を傍に置いてお勉強中らしいです。プププ!では!
     

  9. ヴィオレ より:

    こんばんは。わたしも湯上りの髪の手入れは椿油です。女性は旦那様に大切にされて嬉しい時とケンカしてムスッとしている時では、お肌や髪の調子が全く違ってしまいますので、十分ツヤツヤにして差し上げて下さいね♪
    貴重な鴨を召し上がれて良いですね~。とても美味しそうです。パリの路地裏の小さなビストロで食べた家庭的な鴨料理が、わたしにとって一番の鴨ですね~。
    ところで白ネギは最初どう料理するのか、鍋かネギマくらいしか知りませんでした。京都人にとって葱と言えば九条葱ですから、わざわざ「白」を付けて呼ぶほど区別していました。東京に来てからは小さなスーパーでは白ネギしか売っていない所もあったりして、だんだん馴染んで来て、炒め物にしたり焼き物にしたりし始めたのです。奥さまはいかがなのでしょう。グルメな方はそうでもないのでしょうかね?

  10. 文殊 より:

           ヴィオレさま
     
     まったくおっしゃる通りでして、何事も女性は大切にしたいですね。僕たちの場合は結婚するまでが結構長かったんです。今年で、正直8年は過ぎようとしています。どうしても学問をしたいというので、僕は是非にと言って応援団長を買って出ているわけです。妻は、いつも悪いなぁと言って、僕を慰めてくれますが、ドクターを取るまでは、何が何でも頑張ると言っていますから、娘を義母に預けたりしながら奮戦努力しているようです。考えて見ますと、僕も櫻の苗場を、こちらの安行に持っていますから、現在はちょうどいい距離感かなぁと割り切っています。毎週近く東京に出て来る妻は、新幹線だから何も大変なことはないし、しかも品川停車に乗って来ますから、今のところ、それほど苦にならないのでしょう。妻の言う通りにしています。
     
     鴨肉の仕入れ先は菊乃井の村田吉弘大将からご紹介戴いて、お知り合いになった方です。もう10年以上のお付き合いなんですよ。今回お送り戴いた京野菜は、京野菜ブランドとして認定されている43品種の中からですと、堀川牛蒡と京芹だけでした。白葱は小浜産で、谷田部の白葱です。とっても美味しかったですよ。堀川牛蒡は昨日食べました。芹なんか、7月に可愛い白い花を咲かせていたので、お正月頃に出るものとばかり思っていましたが、もう出回っているのですねぇ。驚きました。お蔭様で美味しく戴きました。
     
     当家では殆ど水仕事は僕の仕事なんです。キッチン用の小さな椅子(腰痛対策)に、ちょこんと座って、腰に負担が掛からないようにしています。今は妻と娘はまだご就眠中ですが、ほっこらしたお粥さんを作っている最中で、これを書いています。夕べは的矢の牡蠣が届きましたので、牡蠣尽くしでした。美味しそうに笑っていた妻が印象的でした。
     
     関東では特別な白葱の調理って、そんなに意識して作っていないんじゃないかなぁ。ただ何にでも入れちゃいますけど。白葱を縦割りに細く線切って、しばらくお水の中に放しますと、間もなくパリパリになりますから、葱サラダとして使用したり、納豆に入れたり、丸のままですと、葱焼きにして、甘味噌で食べたりしてます。お味噌汁には絶対欠かさず、小口に切って使います。結構万能なんですよ。青葱はうどんやお好み焼きや、色んなところで大活躍をするスーパースターですものね!懐かしいはずです。
     
     そう言えば、京都市内に絶大な人気を誇る「おめん」はご存知ですよね。あの原型は群馬県の郷土料理なんですよ。いつだったか銀閣寺「おめん」さんでそのことを伺ったら、その通りだとおっしゃっていはりました。京都と東京は無関係のようで、実際は関係を持たなければならない関係なのでしょうね。京都の路地(ろーじ)や辻子や突き抜けのような小路地は、意外と世田谷方面に多いんです。ドン突きになってしまったり、タクシー・ドライバーが困るくらいです。妻の実家ではご近所衆の店(たな)だけで、充分商いが出来ていたようです。そこが京都の一番いいところなんでしょうね。
     
     今まで妻と喧嘩したことがありません。ないと言うよりは、お互いに距離感を大事にしているからでしょう。年齢差のこともあるでしょう。第一僕にとっては、可愛い娘のような妻に見えて仕方がありません。どんな我侭気侭で、たとえあったとしても、逆に可愛さがつのるばかりです。お料理のことだけは妻に振らないで下さりまし(ウフフフ 御免なさいね)。彼女はまだ始めたばっかりですのです。極力褒めることにして、今はやる気になっているようですから、育て始めているところです。今朝はあちこちから雪便りが届いているようです。お寒くなります。ヴィオレさまも、どうぞお気をつけ下さりませ!そろそろ若狭粥の完成のようです。では!今日もおいで戴き本当に有難う御座いました!ペコリ!
     

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中