大雪(だいせつ)につき寒蜆(かんしじみ)

 

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赤味噌仕立ての蜆汁

 

 

 

                  大雪につき寒蜆

 

 

 今日は「大雪」、愈々冬本番を迎え、西のほうからも雪便りが届いている。夕べはひと晩中一睡もせず、会社での仕事で明け暮れた。主に海外支社との遣り取りだったが、未曾有の金融危機は当社にとっても無縁ではなく、細々しい支持を出さざるを得ない。更に当社の年末の〆日は毎年12月15日で、今が最も忙しい頂点だ。人をもっと確実に育ててあけばよかったと悔いを残す。そして私事、大きな出来事があった。第二子の懐妊である。妊娠する前の、最終月経の始まりの日からカウントが始まるというのだから、妊娠期の日数の数え方は「4週で1ヶ月」となり、実感よりもズッと早く月日が過ぎ、既に妊娠二ヶ月目に入っていると言う。あの腰痛が痛かった最中に、僕はよく頑張れたように思うが、多分妻のほうが頑張った結果なのだろう。今朝早く自宅に帰ったものの、仕事の興奮で眠れず浅くウトウトとしいていた。午後管理室から電話が入り、今日妻と娘が来れることを見越して、宍道湖の蜆を発注していたのが届いたという。妻も娘もそんなわけで、このところ東京まで出て来るのは無理なようである。僕は一刻も早く妻のもとへ飛んで行きたい思いでいっぱいだが、今夜も8時過ぎたら迎えの社用車が来て出社しなければならず、もう少し辛抱のしどころであろう。

 昔は「えぇ~~なっとなっとうぅ~~」の掛け声の納豆売りや、「あっさりぃ~~しじみぃ~~~!」と言う掛け声のあっさりしんじめぇ屋さんが来たものだが、今の時代の朝食は、ミルクとトーストと目玉焼きが大勢になっているのだろう。アサリや蜆の出番もめっきり少なくなったようだ。蜆はシジミ科に属する淡水産の二枚貝で、淡水と海水が混じり合っている汽水界にも繁殖する。古来は琵琶湖の、いわゆる瀬田蜆(せたしじみ)が本場中の本場で王道だったはずだが、近頃ではトンと聞かれない。「味は寒蜆、土用蜆は腹薬」と、昔からそうなっている。そこで独り蜆三昧とあいなった。

 蜆と言えば蜆汁で、それも赤味噌仕立てがいいに決まっている。寒蜆は本当に美味で堪らなく美味しいものである。ちょっと独特な癖があるので、塩仕立て(潮汁など)の「清汁(すまし)」には不向きかも知れない。その代わり、蜆自体からたっぷりとダシが出るから、ことさら鰹節などは全く不要である。鍋に、たっぷりと水を張り、蜆も水のうちから入れる。煮立ったら、直ぐ火を止め、蜆を引き上げる。その後の煮汁に赤味噌を適度に入れ、味を調え、決して沸騰させない。食べる寸前に、お椀に蜆を盛り、その中に汁の煮えばなを注ぐのがコツだ。お好みで粉山椒か七味を入れるが、先ほど僕が食べた時は香りが高い浅葱を刻んで入れて食した。更に、蜆飯(しじみめし)も実に美味であった。蜆汁と同じ要領で作った煮汁を使って、ご飯を仕掛け、酒と塩と少々の醤油で味を調えてから炊く。蜆の身は別に振り出しておき、ご飯が出来上がった頃合を見計らって、蜆を入れ蒸らしてから戴く。実に簡単に出来る料理である。NHK朝の連ドラ「だんだん」では、蜆コロッケや蜆カレーなども出て来たように記憶している。その挑戦は、妻が来れない今日など止めてしまった。いつか是非挑戦して作り、妻に食べさせたいものである。

 古くから蜆には薬効があると言われて来た。ことに「黄疸(おうだん)」には絶対効くと言われ、今でも肝臓病などの患者さんたちの重要な病院食にもなっているらしい。人によっては連日食べさせられるとも言われている。これはあながち根拠のない話ではなく、蜆は良質の蛋白質をたっぷりと含んでいるようだ。消化によく、ビタミンB12を大量に含んでいるので、肝臓の機能を一層高めてくれるのだろう。我が敬愛する道草先生などの方に、是非にとお勧め申し上げたい気分である。

 

もうすぐ花が1

ほらっ 僕の弁慶クン(子供の頃からこの親木をこう呼んでいた)に花芽が出てるでしょう!淡くピンクの白い花がもうすぐ!

 

 今まで寒いベランダに置いてあった植物たちを家の中に取り込み、一つだけびっくりしたことがある。永年連れ添ったあのシャコバサボテンが、今年も美しく満開になりつつあるが、そのすぐ脇に(写真右側)あるのが、これも永年連れ添った植物で、「フチベンケイ草」とか、「花月」と言われている木だ。幹は5cm以上も太い。ちょいと枝を手折ったとしてもただ水につけておくだけで直ぐ根が付く、いわゆる「カネノナルキ」として一般にはよく親しまれていよう。僕が中学生に入る直前の真冬、偶々母がちっこく淡いピンクで白い色の五弁の花をつけたこの木をくれた。葉っぱはホンの数枚で、2輪だけ花をつけたおチビであった。その年を明けた後、真夏の朝顔市の日に母は死んだ。僕はすっかりこの木を母の形見だと思い込み、こんなものだが今でも大事にしている。でもそれ以来何度花をつけただろうか。この親木に花が咲いたのを殆ど覚えていない。株分けして六つになった鉢たちはみな頑張っていて寒風の中に曝されている。僕が新しく出来た僕のこのマンションに共に引越しをして来て、子分の木に何度か花が咲いたことがあった。でもこの親木に花が咲かない覚えはあの引越し以来だから、この子に花が咲かなくなってからもう十四年以上もなるのだろう。六鉢あってもそれぞれに性格があり、7年で咲いたものもあれば、20年以上掛かってもまだ咲かないこの子のような木もある。でもその大元の母から貰ったこの木、今年の最後にやっと花芽をつけてくれたわけだ。今年、僕の愛しい杏が生まれ、続いて第二子懐妊の報が届いて、きっと母が大歓びしてくれているに違いないと、しみじみとこの花芽を観ている。

 

カネノナルキ

 

お花の想像が出来ない方のために、僕が描いた下手糞で簡単な絵を貼り付けておきます。可愛い、こんな花を想像してみて欲しいもの!

 

 今日『大雪(だいせつ)』は二十四節気の一つで、太陽視黄経 255度の日、『雪いよいよ降り重ねる折からなれば也』(暦便覧)と言い、朝夕には池や川に結氷した様子が見れるようで、地面では霜柱が立ち、それを踏むのもちょうどこの頃から始まり、山々は雪の衣を纏って冬の姿となる季節なのである。今月21日には、一年で一番夜の長い冬至がやってくる。「一陽来復」と言って、すべての物事に良き階(きざはし)となることであろうと。皆さま、お身体には充分お気をつけ下さりませ。 (下書きに、まだ10記事ほどありますので、暫時公開して参りまする。お許し願いたく)

 

  今日のBGMは さだまさしの歌で 「風見鶏」

 

 

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