鎮花祭~私たちの「やすらい花」をあなたへ

 

花供養

北海道・松前より持ち帰った櫻 櫻名は「静香(しずか)」

 

 

 

         鎮花祭~私たちの「やすらい花」をあなたへ

 

 先日四月二十九日は昭和の日でありましたが、我が自宅にある神棚で、職員数名と父や叔母にも参集願って、当家なりの鎮花祭を行いました。櫻の花の時分に、櫻の花の妖気が飛散し、古代から大変恐れられていた季節がこの櫻の季節でもあります。全国的には所謂「鎮花祭」と申しまして、今でも多くの各地で盛大に鎮花祭が行われています。京都では、鎮花祭を「やすらい花」と称し、今宮神社玄武神社の「やすらい花」がつとに有名でありましょう。特に北の守り神である玄武神社の「やすらい花」は、日本映画専門チャンネルで観たことがあった映画「西陣心中」(1977)で劇中大きく扱われておりましたから、多分ご存知の方も多いかろうと。両社では毎年四月第二日曜日(今年はちょうどキリスト教の復活祭にあたりました)に行われているようですが、四国や九州、或いは本州各地に、今も続く鎮花祭は櫻の花の前後に行われているようです。四月は卯月で、別称を鬼宿(きしゅく)と申します。五月の皐月柳宿(りゅうしゅく)にあたりますから、四月の月内にと思い、私たちは「昭和の日」を私たちの鎮花祭の日と設定致しました。それで当家で当家流の鎮花祭を催したのでありますが、恥ずかしながら、私が俄か神官とならせて戴きまして、祝詞(のりと)を前夜自ら書き、それを天照大神に対し奉り、恭しく読み上げ申し奉りました。神棚には鯛や山葵菜や、切り麻やお塩や五穀などを盛り付けしいっぱいにし、一同で手を合わせてお詣り致しました。祭祀の後、父が皆さんと楽しく一献を交わしていたのがとても印象的です。杏は何事が始まったかと目をキョロキョロさせ、いい子でいましたですよ。妻と叔母は、この日ばかりはキッチンに立って大活躍でした。このことを私は大変に嬉しく思い、又ひと区切りがついたことでもあります。そこでその時の祝詞をここに載せさせて戴き、皆さまにもお花のご災厄が来ないよう、あえてブログで公開することに致しました。三月から北海道の松前に研修に行っていた職員が、松前の養苗場から幾らかの苗木を戴いて来たのですが、その時はまだ蕾だった静香(上記写真の櫻 しずか=天の川と雨宿を交配させて育種した櫻)と言う櫻花のひと枝、その日にあわせたように当家・神棚で勢いよく咲き出し、素晴らしくいい香りを放っておりました。お陰さまで粛々と祭祀は進行し無事に終わったことで、ひと安心であります。でもやはり花の祟りなのでしょうか、二週間経った今でも、右脚の痛みは一向に治っておりません。腫れも引いておりません。すっかり櫻に気をとられていたのでしょう、身体のことを考えなかったことを深く反省しています。

 

 

当家鎮花祭での「祝詞」

 

是の花輿に斎ひ鎮め奉る掛けまくも畏き櫻木神社の大神の大前に宮司恐み恐みも曰さく、

花ぐはし櫻花咲ける春辺は、現身の人の心々もさまよひて諸々の妖鬼は散る花の如く、

四方に飛び交ひ行き病の気起り発と云ふ故実を忘れず、今日は氏長等の赤き心と財団法人等の

浄しき贅ひとを得て、八度に及ぶ鎮花の神事を仕へ奉らむと、切麻散米蒔き散らして神庭の櫻を挿はやし、

此の花の香はしき御酒、此の花のしらげの米、此の花の色なす小豆の御饌に、草の餅取重ね、

浪の花咲く海河の物は潮に鰭振る櫻鯛、清き瀬に住む鮎の真魚、花咲き薫る野山の物は、

霞の甘菜辛菜、沖つ藻菜辺つ藻菜に至るまで、八取の机に置高成して献る宇豆の幣帛を、

安幣帛の足幣帛と、赤丹の穂に聞し食して、天皇の大御代を此の花の栄ゆるが如き、

茂御代の足御代と斎ひ奉り幸へ奉り、氏子の里々家々にも禍津日の神の災禍有らしめ給はず、

里の名に負ふ鶴亀の齢を掛けて、花の御祭美麗く仕へ奉らしめ給ひ、堅磐に常磐に夜の守

日の守に神守り幸へ給へと、大前に参侍る諸人白妙の春の衣手列並べて、祝ひ廻り恐み恐みも曰す

 

 

   上記鎮花祭 祝詞(のりと) 現代語訳及び趣旨

  この花輿を斎き鎮め、ご神徳高く崇すべき花筏の散る五十鈴川の上に鎮座まします伊勢の天照大神の大前に、宮司恐れ恐れて申し上げ、花細やかにして美しい櫻の花が咲く春へ、現身(うつしみ)の人の心々も迷いて、数多くの妖鬼の祟りは散る花の如く、四方へ飛び交いて行くようで、病の気が起こり発すると言ふ。故に真を忘れず、今日を吉日と定め、氏長を始め、財団法人など、赤い心と浄い志を得て、何回もお礼を尽くして恭敬なお作法を通じ、鎮花のご神事をご奉仕申しあげます。大麻を切って、撒米を蒔き散らせ、神庭の櫻を、この花の香りのような香はしき御酒、この花の志のような志らけきお米、この花の色のような色なす小豆を、御饌として、草の餅を取り重ねて、また浪の花の咲く海、河の物は 潮に泳ぐ鰭の振る櫻鯛、清い瀬に住む鮎の如き立派な魚、花咲きて薫る野山から産した物は、山の霞に甘菜、辛菜 沖の藻の菜 海辺の藻の菜に至るまで、華麗な机にうず高く盛り載せて、珍貴なるご幣帛と、赤い初穂をご献上申しあげまする。天皇の大御代を、この花の栄ゆる如く、御世いっぱいにご繁盛をお祈り申し上げ、この里の氏子の家々に禍の神々が禍を引き起さず、花のお祭りを美はしくご奉仕し奉りまする。いつまでも永遠に、日も夜も神様は幸せを守ってくれておられ、貴方さまの大前に奉仕者の人々は美しい白衣を着て、手を繋ぎ、並びいて 、「人里は 皆櫻(はな)守の子孫かな」蕉翁の俳句を奏上しお祝いつつ、恐れ恐れて申し上げました。

平成二十一年四月二十九日 昭和の日の佳き日に!

 

 読者ご諸氏の皆さまへ この祝詞を謹んでご献上申し上げまする 御無事にて

 

 硯水亭主人

 

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