『猫のしっぽ カエルの手』 Vol 8~Vol 9  京都・大原のベニシアの手づくり暮らし

 

 

 

 

       『猫のしっぽ カエルの手』   Vol 8~Vol 9

       京都・大原 ベニシアの手づくり暮らし

 

 

        Vol 8 初夏の里歩き

 

 午前5時、山に囲まれた大原は街中より少し遅れて朝を迎える。後半月もすれば梅雨入り。大原名物の赤紫蘇畑を濃い霧が包む。やがて強さを増した陽の光が湿った空気を乾かして行くと、初夏の庭は緑も花もひと際鮮やかに輝きを増す。家族とともに大原に移り住んで13年。ベニシアさんは自然と寄り添う暮らしの中で、その時々、様々な季節の表情を目一杯楽しんでいる。「今日はいい天気ですから久し振りに散歩に行こうかなぁと思って」、問いかけた先にベニシアさんの夫・正さんがいる。正さんは山岳写真家。国内外あちこちの山に出掛けて、普段は留守が多い。でもこの日は久し振りの休日。ベニシアさんと一緒に初夏を探して、大原の里歩きに出掛ける。「これなんなん、弁当なん?あっそう!」、「行きますかぁ」。二人の会話が弾む。ベニシアさんと正さん、二人とも自然の中で季節を感じる暮らしを何よりも大切にしている。だからこの山里を選んだ。京都市の中心部から北東へ車で凡そ1時間、今尚自然の豊かさが息づく大原。季節は日々移り変わり、いつ訪ねても新しい風景と出逢う。「今年田植えが遅いんかなぁ」などと話しているうちに、草木染めの上田さんの畑近くだった。上田さんとは家族ぐるみの、10年以上のお付き合い。そこに上田さんがちょうどいて、「そろそろ藍も大きくなってきたんで見てください」、「ほな見に行こうかぁ。「梅雨が明けると、腰まで伸びた大きさになったら染められるんやけどねぇ」。染料に使う藍を上田さんは自前で自然の畑で育てている。「藍は食べれないの?」、「藍は苦~いぃ!」、「口ん中が紫になるんじゃない?」、「葉っぱは枯れた部分が紫色だね」、「なんかバジルに似てるねぇ」、「葉っぱはバジルで、種を蒔いて、芽が出て、他の場所に移植して、後はどんどん水をやるだけ」、「で、毎年種まで採ってる。梅雨が明けたら葉を摘み取る、毎年。今年はベニシアさんも是非一緒に」と、とうとうベニシアさん初めての藍染に挑戦する約束をした。昔ながらの美しい家並と田園風景。大原の散歩道を行けば、自然と会話も弾む。「お地蔵さんがあるんかぁ」、「この人は悟っているけど、こっちの人は怒ってはる、何で?何でやろ」、「後ろに田んぼがあるからええねぇ」と言った正さんは怒っていないほうのお地蔵さんの写真を撮る。観ればさすが山岳写真家、軽いお散歩にも関わらず結婚な荷物で重装備だ。カメラを取り出してパチリ。ついでにベニシアさんも、お花を持たせてパチリ!「何でここにあるんか不思議やん」、「そうやねぇ」と正さん。平家の隠れ里。大原には昔から小さな寺が無数にあった。寺は朽ちても、石の地蔵尊は残り、今もこの里を護っている。「お参り?」「お参りして下さい」「ハイッ」。

 

 

     

         <Venetia’s Diary> (美しさとともに歩く)

 「わたしは緑深い森や山道を静かに歩くのが大好きです。歩いていると、ナバホの人々に伝わる美しい祈りの詩を思い出します。<この回想と同時進行して二人は、宝泉院の五葉の松と対座する> “美しさとともに歩く”、わたしが歩く時、世界もともに歩く。美しい世界がわたしの前を行く。美しい世界がわたしの後ろについて来る。美しい世界がわたしの足許に続く。美しい世界が、わたしの頭上に広がる。美しさは周りすべてにある。歩く時、わたしは美しさとともにいる」

 

 

 

 山に張り付くように作られた棚田の畦道を登る。ここから大原の里が一望出来る。我が子を自然の中で育てたい、そう話していた時、大原に行ってみようと言い出したのは正さんだった。山の好きな正さんは、ここ大原の風景にすっかり心奪われていたからだ。山櫻、初夏の新緑、紅葉、雪景色、季節の変化は、山の表情に直ぐ現れて来る。二人は、ここ大原に住むと決めた。そして畦道のど真ん中でお弁当を広げる。「ぅん、美味い!腹へっててしょうなかったわぁ」、「久し振りに思い出の場所を訪ね、大原に来てよかったぁ!」とベニシアさんはしみじみと述懐する。「ここ静かでいい」、「ぅん、何も聞こえないねぇ。あそこに木々があるから音がここまで来ないんとちゃう?だって井手町行ったら、夜ちょっとだけ音が聞こえるしぃ」、「あれっここ大原は風致地区やなかったっけ?あそこにもここにもいっぱい家があるやん」と正さん。楽しい会食が二人の距離をぐっと縮める。散歩を終えて自宅に帰る二人。ベニシアさんがこの家に暮らして13年。そのずっと前から一本の古い梅ノ木があった。たわわに実る梅の実、今日はこの梅の実を摘んで梅酒を作る!

 

       <Venetia’s Herb Recipe> (ハーブ梅酒作り)

 ベニシア流ワイルドなハーブ梅酒の作り方です。梅の実は予め水につけてアクを抜いておきます。その実をよく乾かしてから、ヘタを取り、壜の底に並べる。一段目梅を並べたら、氷砂糖を普通に入れる。その上にレモンバームのハーブを入れるのがベニシア流。レモンバームは疲労回復に効果がある。味も爽やかで、レモンの香りとミントの風味を合わせ持つ。これも紫蘇科だから、すっきりした甘みとさっぱりした味わいに仕上がる。それを二回ぐらい重ねて壜いっぱいにする。最後にホワイトリカーを注ぎ入れる。飲み頃は半年後。レモンバームは次第に色が茶色になって来たら早目に出してもよい。これがベニシア流ハーブ梅酒で、同じように氷砂糖にホワイトリカーを入れて、ローズマリーを漬け込むリキュールも、ベニシアさんのお薦め!飲む際に、ソーダで割って飲めば、日頃の疲労もすっとんで行く。

 

  道を挟んではす向かいにある畑、ベニシアさんはその一角を近所の農家から借りて、庭に収まりきれないハーブを育てている。今年は本格的に野菜作りに挑戦!キューリやトマトや茄子など、これまでの農作業の経験を生かして夏野菜を育てる。ベニシアさんの野菜作りはただの野菜ではない。ハーブや草花を一緒に植えるフランスのポタジェ(Potager)と言うスタイル。トマトのためにバジル。バジルのためにトマト。それでいてコンパニオンとして仲が良い。しかも一緒に食べたら最高に美味しい。バジルにはトマトにつく害虫を防ぐ効果があり、このようにお互い助け合う植物を一緒に育てるのが、コンパニオン・プランティング(Companion Planting)と呼ばれる。殺虫剤など使いたくない彼女らしい発想だ。自然にやる農法が一番いい方法と信じている。次は茄子。フレンチ・マリーゴールドは油虫と芋虫対策に。キューリはパセリとナスタチウム。パセリは油虫除けになり、こんな風にしてお互いの相性をよく調べ見極めることと。花壇でも畑でも、これが最も大切なことだとも。そして水を深くまでいっぱいやったほうがいいと言う。

 そんなベニシアさんを見つけてやって来たのが近所で農家を営む塩見昌史さん(34歳)が、様子を見に来てくれた。キューリの蔓を這わせるネットの作り方を教えて貰った。キューリはかなりな重さになるので、両端に支柱を2本立て、ネットを張り、その間の斜交いに麻紐を通し固定する。夏の収穫に向けて嬉しいアドバイス。水遣りもたっぷりとする。

 

      <Venetia’s Friends> (虫の住む野菜畑)

 塩見さんが、それまで働いていた自動車会社を辞め農業を始め出したのは、9年前、25歳の時だった。経験やツテもなくゼロからのスタート。だからこそトコトン自然に拘った農業ををしようと、色々な本を読んだり、各地の先輩を訪ねたり、試行錯誤でやって来た。草茫々の塩見さんの畑。わざと残してある草の間に色んな虫たちが伸び伸びと暮らしている。有機無農薬野菜というのは畑の害虫も益虫もともに暮らしている。「そのバランスの中でやろうとしているので、長くなったら抜いたり刈ったりして畑の中に置いとけば、土に変わるらしく、畑全体の土作りに役立つことになる」。ベニシアさんと同じように塩見さんも植物が本来持っている力をとても大切に考えている。ベニシアさんがパセリやナスタチウムと一緒に植えたキユーリ。塩見さんの場合は葱と一緒に植えて行く。蔓割痛という病気があって、それは根が土の中に病原体がいるからだ。それがキューリに移り、キューリは枯れてしまう。それを防ぐために、葱を下に入れて、キューリと一緒に入れると、後で葱の臭いのがキューリのためになると言う。薬を使わなくて済むと。成長が早いので、それが一番の利点だと胸を張る。元気に逞しく育って欲しい。野菜たちの身体に合ういいオヤツをあれこれ試してみたという塩見さん。辿り着いたのは白い液体だった。「納豆とヨーグルトと水で壜の中で発酵させたものを、土の中に入れると微生物が活発になって、植物の栄養状態がよくなり、土壌を変えるようで、僕はこれを使っているんですけども」と。畑の栄養ドリンクは納豆とヨーグルト、これが微生物のたくさん暮らす生きた土を作る。野菜作りを始めて、もう直ぐ10年。まだまだ勉強中の塩見さん。野菜に教えられ、育てられ、そんな毎日が続く。

 

      <Venetia’s Essay> (盟友)

 「互いに成長を促し、仲間となる相性の良い植物があります。まるで助け合い護り合う親友のように。それは人間でも同じ。わたしたちは生きている間に、多くの人と出逢います。特別な縁がある人とは、友情が生まれたり、パートナーとなることがあるでしょう。そういう人とは互いに成長を助ける何かを与えることに気づくことでしょう。人間は一人では生きられません。わたしは友だちや家族を通して成長出来るのです」

 

      <ハーブ梅酒&ローズマリー酒の作り方>

  材料;梅の実1kg 氷砂糖1kg ホワイトリカー1,8㍑ レモンバーム10本

  ① 梅の実はアク抜きし、ヘタを取る

  ② 消毒した保存壜に、材料を交互に入れる

  ③ ホワイトリカーを注ぎ入れ、フタをして冷暗所に保存しておく

  ※ 梅の代わりに、ローズマリー(10本)で、ローズマリー酒にする

  ※ 梅酒は約半年、ローズマリー酒は1年後が飲みごろ

 

 

 

 

         Vol 9  夏を迎える

 

 

 

 季節が又変わり山里が一気に鮮やかな緑に覆われる。6月の京都・大原、田植えもすっかり終わった田んぼでは様々な生き物たちが生命の営みに精を出す。この大原の古民家に、家族とともに移り住んで13年。ベニシアさんは自然に寄り添いながら、自然の暮らしを楽しんでいる。庭の植物は日々表情を変え、ベニシアさんに初夏の訪れを教えてくれる。陽射しを浴びてグングン成長する花々。濃い緑がひと際その色を引き立ててくれる。ベニシアさんのいつもの朝のガーディニング、朝一番の仕事は薔薇の花を観ること。ベニシアさんは丹念に薔薇の葉に吹き掛けているのは、手づくりの園芸用虫除け。虫たちの活動も活発になるこの季節。動物や虫たちにも庭作りを手伝って貰っている。本来虫たちは頼もしい助っ人のはず。でも樹液を吸う油虫や粉蛾などは植物にとっては害虫だ。出来るだけ手づくりでと考えるベニシアさん、畑で虫除けの材料も育てている。5月に植えた夏野菜も、随分と生長した。トマトや茄子と一緒にハーブと草花を育てているベニシアさんの畑には、ナスタチウムが害虫を防ぎ、天道虫やカエルたちも虫除けにひと役買っている。お陰でトマトの実もスクスクと成長中だ。ベニシアさんが虫除けのために畑で特別に育てているのが除虫菊。「可愛いデイジーは強力な殺虫剤になるの、不思議でしょうがない」と一人で呟く。除虫菊に含まれているピレトインという除虫成分が蚊取り線香の原料として使われている。これは油虫や粉蛾や尺取虫なども防ぐ効果がある。

 

        <Venetia’s Herb Recipe> (園芸用虫除けスプレー)

 摘み取った除虫菊を軽く乾かしてから、虫除けスプレー(=虫除けインセプトスプレー)を自然の材料で作る。作るのは簡単。1㍑の焼酎の中に、にんにく5個、去年畑で出来た乾燥唐辛子、普通に日本にあるヨモギ、更に白っぽい西洋ヨモギ(ワームウッド)も使う。「これって不思議。虫に刺されたら塗って直るんだから、そして虫が嫌うんだから」と。最後に可愛いワイルド(野生の)なデイジー。ちょっとシェイクして日当たりのいい場所に置いておくと、大体1ヶ月~2ヶ月で茶色に変色してくる。濃くて臭い。それを5倍~10倍に薄めてから使う。薔薇の場合は濃い目。除虫菊は鳥や哺乳類に作用しないから安全で、家庭でも簡単に作ることが出来る。手づくり虫除け。これでお花たちも安心!

 

        <Venetia’s Gardening Diary>

 「太陽がゆっくりと空を昇り、カーテンから漏れて来る暖かな陽射しで目覚めます。わたしは階段を下り、庭という小さな楽園を歩きます。空気はまだひんやりとしています。みんながまだ寝ている間に、わたしは枯れた花を切り取ります。わたしは仄かな花の香りの中で深呼吸します。花壇の間引きをしたり、背の高い植物に支柱を立てたりと、梅雨に向けての準備をします。呼吸のペースを落とすと、わたしのこころに静寂が広がります。呼吸が出来ること、そしてこの生命が授けられたことが最大の奇跡なのです」

 ベニシアさんが大原に住む切っ掛けとなった築100年の古民家。大好きなこの家で暮らすために、手入れは欠かせない。今日は和室で迎えたい友人がやって来る。ベニシアさん、せっせと箒を使う。畳のために、ベニシアさんがよく使うのは、重曹とお酢を混ぜた水。古い家に住むようになってから畳のお掃除の勉強をした。「今梅雨だから黴が生えて来るでしょう。こういう風にしたら綺麗に黴が取れると昔の人はよくそういうことを知ってたんやねぇ」、畳や襖、家の中の手入れをする時、ベニシアさんはその作り手に思いを馳せる。夏でも気持ちの良い風が吹き抜ける和室。中でもこの襖は引越しした時、特注をしたベニシアさん、大のお気に入りだ。実は今日はこの襖紙を作ってくれた人がやって来る。唐紙師の千田堅吉さんと郁さん。ベニシアさんとは20年来の仲だ。襖は日が経つほど馴染んで来る。10年前千田さんが心を籠めて染め上げた唐紙。唐紙とは襖や壁に貼る紙のことだ。家族とともに歳月を重ねて来たこの「瓢箪の柄」も今ではすっかりとこの家に馴染んでいる。やって来た千田ご夫妻。その唐紙の具合を観て、凄く嬉しそう。「柿渋の濃淡が際立って来たのがいいねぇ」と。ミントティーを出すベニシアさん。ミントは身体を冷やす。夏の暑いところで飲むと身体が冷えていいと講釈をする。千田さんご夫妻が外国人に唐紙の説明をする際、英会話の必要性を感じて、ベニシアさんの教室に通っていたのがご縁だ。「最近英会話する?」、「ぅうん、教えて貰ってから20年ぐらい前だからドンドン退化してしまって・・・・・・」、「でもそれでもみな一所懸命に喋ってはるやん」と話が弾む。来て戴いたのは、実はベニシアさんの玄関の白壁の一等地に、ベニシアさんの拘りの一品を飾っているからだが、千田さんの唐紙も飾りたかったからだ。幾つか資料を持参した千田さん。早速どんな文様がいいか、見本を見せて貰う。色々な見本でも選ぶとなったら、さぁどうしようと悩むベニシアさん。でもやっぱりずっと慣れ親しんだ瓢箪の柄がいいと言う。じゃ色を変えて作ってみましょうかと千田さん。

 

       <Venetia’s Friends> (京唐紙)

 ベニシアさんが惚れ込んだ唐紙。この唐紙を江戸時代から作り続けている工房、その工房(唐長)のオーナーで代々数えて十一代目にあたるのが千田堅吉さんだ。ベニシアさんが選んだ柄を早速作る。唐紙の作り方はとてもシンプルで、フルイと呼ばれる道具に絵の具を沁み込ませ、版木の上に乗せ、押す道具は使わずに手で押しながら文様を写し取って行く。色の具合を観ながら何度も絵の具を乗せる。すべては勘次第。400年前と全く同じ技法で刷られている唐紙。かつてはみな手作業だったのが、今では印刷技術の発達で、身近なところから消えていった。今、この京唐紙を作っているのは日本で千田さんの工房ただ一軒。「こちらが唐紙の版木庫になるんですけど」と、スタッフを案内する倉庫は様々な文様で古くから伝わる版木があった。江戸時代から代々受け継がれ、美しい文様を作り出す版木の数は実に650にものぼる。今では唐紙は桂離宮など限られた文化財に欠かせないものとなっている。一番古い版木は寛政3年(1791)、200年以上経っている。珍しい文様は、「かげひなた九曜紋散らし」など多数。唐紙の文様は、星や花、水の滴など、その多くは身近な自然から生まれたものだ。菱菊・天平大雲・波につぼつぼ、などなどである。そして心魅かれるのは唐紙の持つ独特な色使い。昔から赤・黄・青の3色だけで殆どすべての色を作って来たと言う。絵の具の割合は経験と勘によって培われてきたものだ。「何でその3つに拘るかっていうとね、ご存知のように三原色ってもともと綺麗な色でしょ、青でも赤でも黄でも。ところが三色を混ぜると途端に渋い色に変わる。そういう色感っていうんですかねぇ。これ決して濁っては駄目なんですよ。渋くても綺麗でないといかん」。そして更に唐紙独特の色を表現するのに用いられて来たのが、鉱物の雲母(うんも)を粉末にしたもの、日本では昔からその光沢のある様から別名「キラ」と呼ばれて来た。光の当たり具合で変化する色は季節や時間で様変わりする自然の情景そのものだ。「もともとは唐紙の文様を含めて、自然を意識した柄であり色であり、だから空とか、場合によっては土の色とか、そういうのが多く、京都だったら鴨川の水の色とか、山の色とかになっている。伝統というのは何処かで頑なに守り伝えること、大事なんですけどね。ただ唐紙は人の暮らしのためにあって、例えば襖とか壁とか、そういう生活用具なんですよ。だから今の平成の時代も、今の感覚に合う色ということが大事かなぁと思うんですけどね」ときっぱり。数日後ベニシアさんのもとに額装された唐紙が届いた。「この前千田さんに御願いしていたものが出来ましたよ」と正さんに言うベニシアさん。「ほぉ綺麗ねぇ!」と応える正さん、実は千田さんの唐紙を玄関に飾ろうと言い出したのは夫の正さんだった。「暮らしの中に和みや潤いを与えてくれるものたち、その一つ一つを丁寧に使って行くこと、それも日々の楽しみであると言うベニシアさんだった。

 

  

 『唐長』にて 下段のお嬢さまは ご長女の後継者 新しい意匠に挑戦している

 

 

       <Venetia’s Essay>

 「一日を終えて帰って来た時、心穏やかに快適に過ごせる場所を作りたい。それが我が家というものです。家で使うものは西洋のものでも、東洋のものでも調和して混在しています。土や木や植物から創られた材料や色はそれぞれの部屋を落ち着いた雰囲気にしてくれます。家は心を育む場所なのです」

 

 

 

 ベニシアさんの住む家は昔ながらの古民家。古い作りのままなので、網戸はもちろん、エアコンもつけていない。これからの季節、虫から身を守るためにベニシアさんが発見したのは、日本で昔から使われて来た「蚊帳(かや)」。虫を家から追い出さずとも快適な睡眠を得ることが出来る。ベニシアさんの家にやって来る友人たちも、これなら安心だ。窓を開けて、大原の夜風と、虫の鳴き声を存分に楽しめる夏が始まる。

 

       <園芸用虫除けスプレーの作り方>

  材料;除虫菊25g にんにく5片 唐辛子10本 ヨモギ15g ワードウッド15g ホワイトリカー1㍑

   ① ホワイトリカーが入った透明の壜の中にすべての材料を入れる

   ② 日当たりの良い場所に、2ヶ月置けば出来上がり

   ③ 使う時は、水で5倍~10倍薄めて使う

   米 尚実際に虫除けする際は、風のない日に手袋をして使うのがベスト

 

 

    ベニシアさんの総合記事      『京都・大原 ベニシアさんの手づくりの四季と暮らし』

    続いて連続放映された分      『猫のしっぽ カエルの手 Vol 1 春を呼ぶ水仙』

                                                       『猫のしっぽ カエルの手 Vol 2 朝市の仲間たち』

                            『猫のしっぽ カエルの手 Vol 3 春の摘み草 4 春を祝う 5 陽光に誘われて』

                                                       『猫のしっぽ カエルの手 Vol 6 古き良き友 Vol 7 風薫る庭

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