『亥の子餅』と、秋の和菓子

 

亥の子餅144

  十月九日 亥の子餅

 

 

 

 

         『亥の子餅』と、秋の和菓子

 

 

 昨日は「寒露」であったが、台風のお陰で、つい書きそびれた。同じカンロでも、僕は甘露(かんろ)のほうに重きを置いて書こうと思う。秋、爽快な中、お抹茶で和菓子を食するのもオツなものだ。そこで秋の風情に合いそうな和菓子を取り上げてみると、結構あるものだ。先日7日から、「長崎くんち」が行われているだろうが、「くんち」だから、九日くにち~くんち)が当然で、つまり明日の9日までが、「くんち」のお祭りなのである。唐津にも素晴らしい「唐津くんち」があるが、ここは臍曲がりなのかどうなっているのか、何故か来月の10月2日になっている。今日8日は「万国郵便連合記念日」で、用もないのに久し振りに巻紙に筆字を書きたくなるというものだ。久留米の高良大社では本日、例祭があり、十月の最初の「ゐ」の日によって、亥の子(いのこ)餅の日でもある。亥の子餅は、玄猪(げんちょ)とも言われているが、「ゐの日の餅」で、餅を搗(つ)いて贈与をする。初冬の亥の日、亥の刻(午後9時~11時)にこれを食し、無病のまじないとする中国の俗信に基づくものである。我が国では平安時代から行われ、宮中では内蔵寮(くらりょう)から御厳重餅(ごげんちょうもち)を調進する儀式がある。餅は普通丸餅だが、関東では四角い「のし餅」のことを言う。イノシシは十二匹の子を産むという伝説(?)があることから、「多産の祈り」でもあった。宮中ではこの餅を、猪の子形に作り、大豆・小豆・ささげ・栗・柿・胡麻・糖(あめ)の七種の粉を七色に混ぜて製した。

 切り山椒~江戸時代、小堀遠州の好みで売り出された。江戸下町っ子に親しまれた和菓子で、山椒の入った紅白色のしん粉菓子。1cmほどの拍子木に切った、山椒の風味が利いた季節菓子である。「べったら市」で、梅花亭の「切り山椒」が売り出される。山形県米沢市の「きりざんしょう」も有名だ。

 織部まんじゅう~ぐるりの寒さから守るために、「織部まんじゅう」はこっぽりとした蓋物に入れられ、冷えたら入れ物ごと再び蒸す。まんじゅうには織部焼きの釉(うわぐすり)の青色に染め、焼印が押されている。

 柿羊羹~カキの味そのまま羊羹(ようかん)にしたもので、カキの生干しをすり潰し、砂糖・水飴・寒天でゼリー状に煮詰め、竹筒に流し込んで作ったもの。

 芋羊羹~芋羊羹はサツマイモの皮を剥いて水に晒し、沸かした湯に酢を入れて茹で、裏漉しにしたものだ。浅草「舟和」の芋羊羹が有名。

 生姜糖~生姜糖と言えば、伊勢の神宮の名物が有名だが、島根県平田町のも有名だ。正徳五年、米問屋の三代目文左衛門が工夫して創製されたもので、出雲特産の生姜(しょうが)に、土佐産の三国一砂糖を用いた純粋な糖塊である。外見からしてみると一般の生姜糖と違い、細かい肌がいぶし銀のように光り、口にすると淡雪のように溶ける。暑さ1cmばかりの長方形。

 柚餅~柚餅(ゆずもち)のことを京都では「ゆうもち」と優雅に発音される。柚の果肉に米粉・砂糖・味噌を練り合わせて蒸し固めたお菓子だ。竹の皮に包んであって、小口切りにして食べる。薄い緑色のこのお菓子は、ざっくりとした歯ざわりと、仄かな柚の香りが身上で、茶前、酒後にも適した万人向きの味である。

 かるかん~鹿児島の物産菓子で、「かるかん」は9月中旬頃から、艶やかなその白い肌を店頭に現す。南国の遅い秋が漸く肌寒さを覚える頃が「かるかん」の最盛期。かるかんの味の主役であるヤマイモのシーズンがこの頃から開幕するからである。9月半ばになると天然山芋が出て来るが、その中でも粘り気のある風味豊かな三年物が最高で、このヤマイモを一本ずつ手むきして、一晩じゅう水に浸けて先ずアクを抜く。これを摩り下ろし水を少しずつ三回程度加えて擦り伸ばす。砂糖を入れて混ぜ、更に米の粉を加え、こねあげる。この混ぜた材料を蒸しあげるが、材料の量と火加減、作る日の気温の変化、乾燥度合いまでが、味作りに微妙な変化をもたらすようだ。

 月餅(げっぺい)~中国の月見団子で、「ユエビン」と発音する。小麦粉で作った皮に餡を包んで焼く。餡はナツメの皮付きのまま入れて、火盆二個で上下から覆い焼いた。陰暦の八月十五日夜節、名月に供えるという京都の名物お菓子つきもちも、この月餅からヒントを得たものだ。現在の月餅は、小麦粉・砂糖・ラードでこねた皮の中に、干し柿・干し竜眼肉・干しナツメ・松の実・白小豆の蜜づけ・クルミ・蓮の実・カボチャ・スイカの種・白胡麻など多彩な材料で使った餡を入れている。つい食べたくなるものだ。

 栗まんじゅう~栗餡、又は栗を混ぜた白餡を詰めた、小判型のまんじゅうのこと。栗餡の作り方は、先ず栗皮、渋皮を剥いて、明礬(みょうばん)水で茹で、アクを抜く。砂糖を加えて柔らかく煮る。煮詰めた栗は適当な大きさに切り、餡に混ぜておく。

 栗羊羹・栗かのこ~甲州葡萄に、紀州の蜜柑、栗は信州の小布施栗と歌われたように信州・小布施(おぶせ)の栗は歴史の重みに支えられている。尤も小布施では地元の方々はその昔、天領であったために食することが出来なかったと言われている。餡を丸めた上に、甘く煮た栗の実を乗せた菓子が、「栗鹿の子(くりかのこ)」、蒸し羊羹、練り羊羹ともに、新栗の実を入れて作ったものが栗羊羹である。小布施特産の良質の栗を煮つぶして、全部栗で作られて珍しく、そして風味の高いお菓子である。

 千本搗き~京都洛南都々浦の御園神社では十月に、「千本搗(つ)き」と言って、樫の棒で餅搗きをした。餅を搗き終わると一同座につき、餅を藁の箸(はし)二本でくくり切る。試食が済むと、「穂入れ籠」をあみ、その底に丸餅を入れ、その籠を柿や昆布などとともに群集に投げ与える。

 千歳飴~白飴の一種で、水飴を適度に煮詰めた後、飴の中に気泡を入れつつ加工したものである。千歳(ちとせ)という名にあやかって、嬰児の宮参りや七五三の祝い参りにお土産として買って帰ったものである。

 

 CIMG5677

CIMG5674

CIMG5673

秋本番 白鳥の飛来もある頃だろうか 台風一過林檎農家の方々の応援にて、「焼き林檎」を 粒餡たっぷり入れて作ろう

広告
カテゴリー: 料理 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中