ウドン三昧

 

 

 山菜ウドン 鴨南蛮ぶっかけウドン 鍋焼き風ウドンなど各種

 

 

 

 

            ウドン三昧

 

 

 雪便りや、あの九州の福岡辺りからだって寒い寒いとの報が届くと、関東だって晴れたり曇ったりの日々で、曇りの日などは間違いなく10℃以下となります。こんな時には手早く作れるのがウドン料理でありましょうか。元々ウドンは奈良時代に中国から唐菓子としてやってきたものらしいのですが、現在のような形になったのはどうやら江戸時代であったに違いないでしょう。そんなことを思いやりながら作る手料理、私にとっては愛する人にラブレターを書くような、一作の詩を書くような、お料理ってそんな気がしないでもありません。だって食べてくれる方を思いやりながら作るんだもの。今日も寒い日、今日は「二の酉」なんだから当然かぁ。七五三も終わり師走の声もちらほらと、何となく気忙しくなり、寒さが一層身に沁みます。アツアツのウドン、食べたぁ~~い!寒い夜に、コトコトと薪火で炊く薪ストーブが主力だった時代にはもっとたくさんのウドンのバリエーションがあったことでしょう。

 

     <ひっぱりウドン>

 主に東北地方の薪ストーブがあるお宅(普通のストーブでも可)で料理されるウドンですが、料理というより寧ろオヤツ感覚かもしれません。ストーブの上には大きな鍋に水が常時はってありますが、いつでもその中に入れれば何かの料理ができてしまう魔法の鍋となるのです。「ひっぱりウドン」とは、乾麺をその鍋の中に放り込み、グズグズ状態のまま麺をすくって、手にした丼にはたいてい納豆(醤油味で葱が存分に入っている)がたっぷりと入っています。麺を水洗いもせずに、誰でもその鍋の中に箸を突っ込み、直接ウドンを取って納豆をつけて食べるのですが、これが又美味いのなんのって。納豆も一人分でどうでしょう、二三個は必要でしょうか。すぐに身体中がぽっかぽかに暖まって参ります。ダイナミックで素朴で素晴らしいコミュニケーションが取れるというものでしょう。とにかく最初戴いた時はびっくり仰天だったのですが、よくよく考えてみると、こうしたウドンの戴き方がもしかしたら王道かなぁと感じています。京北町でMfujinoさんたちが作ろうとしている藁苞納豆がちょうどいいかも。

 

     <納豆汁ウドン>

 納豆(一人一包が目安)は当り鉢で、粒がなくなるまでトコトンすり潰してネバの部分だけにしておきます。一方大鍋でのお汁は郷土で採れるものなら何でもいいのですが、但し芋がら(里芋などの茎を乾燥したもの)を戻してから短冊切りにしたものは欠かせません。どうしてそうなんだか理由はよく分かりませんが、多分相性がいいのでしょう。里芋や豆腐や油揚げも欠かせないかなぁ。見た目ケンチン汁か豚汁のように味噌味で仕立てた汁に、トロリとした当り鉢の納豆を流し込みます。それが不思議。納豆の香りがするものの、納豆の嫌らしさは全く消えているではありませんか。そこに乾麺(市販の茹で麺でもよい)を茹でたのを、一度水でしめてから流し込みます。具と麺とお汁と、そして薬味は七味か柚子胡椒や葱などたっぷり。納豆汁ウドンの完成です。因みに過去作った体験上、稲庭ウドンが一番相性がよかったかも。勿論ケンチン汁に入れて食べるアツアツのウドンも良しでしょうね。

 

     <煮込みウドン>

 ウドンは茹で過ぎないように固めに茹でて水に取り、ザルに上げておきます。鶏のささ身をそぎ切りにし、薩摩揚げ(蒲鉾や竹輪でもよい)、葱もそぎ切りにしておきます。鍋に八方だしと調味料(味噌・塩・薄口醤油適宜)を入れて味加減をみます。煮立ったところで、鶏肉を入れアク抜きをし、茹で麺を入れ、葱と薩摩揚げも入れて、ひと煮立ちさせます(お好みで少々煮込んでもいい)。乾麺は少人数の時で、茹で麺は大勢で食べる場合がよろしいようです。丼に盛ってから柚子皮を細かく刻んで薬味にします。

 

     <ほうとう(武田汁)>

 味噌味のウドンの仲間に山梨名物のウドンで「ほうとう」がありますね。これも煮込みウドンの一種ですが、現地ではどうやら家々によって多少作り方など違うようです。小麦粉に適宜な水を加え、捏ねてから、板の上に薄く延ばし、やや通常のウドンより太めに切り分けます。いうなれば手打ちウドンのようなものでしょうか。別に煮干で取った出し汁に、大根・牛蒡・里芋・南瓜・葱などを乱切りにして柔らかく煮ます。この中へ千切りにした油揚げを入れ、味加減を見ながら味噌で味付けし、作り置いたウドンを入れて、ひと煮立ちしたら直ぐ火から下ろし、熱いうちに戴くというものです。ポイントは南瓜があまり煮崩れしないことでしょうか。お試しあれ!

 

     <卓袱(しっぽく)ウドン>

 長崎ウドンの代名詞のようなウドンですが、これは薄口の醤油味で若い人が好むようです。卓袱とは、卓の覆い、つまりテーブルクロスのことを言い、卓袱料理とはこの上で戴くお料理を指して言います。所謂盛り込み料理を取り分ける長崎料理の別名になっているのです。これが“しっぽくウドン”となると、鶏肉・蒲鉾・椎茸・海老・青菜など彩り豊かな具材が乗り、薄い醤油味で戴きます。土地によっては「かやくウドン」とも呼んでいるようです。又長崎には皿ウドンもありますね。

 

            <名古屋の味噌煮込みウドン 他の地方のウドン>

 名古屋といえば、何と言っても「キシメン」で、平べったいけれど腰のあるキシメンに当ると、何だかとってもハッピーになれるようですね。名古屋は特に味噌処なので、絶妙な味噌の組み合わせでできているようです。しかも完全に煮込んだ味が沁みたウドンは具材はどうあっても美味しいのは請け合いでしょうね。でもどうも真似が出来ません。各店舗できっと秘伝の味作りがあるのでしょう。何も味噌味に拘りなく、普通に醤油味でもいけそうに思いますが。真似ができない究極のウドンは伊勢ウドンでしょう。真っ黒で如何にもしょっぱい味のように見えますが、何々マイルドな味なんです。しかも汁なしなんですよ。地でできた地味噌のタマリに出汁を少し加えただけの味付けですが、全く汁がなく、でもウドンそのものが命で、ウドンのモチモチ感は堪らなく素晴らしいですね。おかげ横丁の「ふくすけ」さんなんかがお薦めです。商人の街・大阪には「キツネウドン」発祥のお店があります。「松葉屋本舗/南船場」のことですが、先代の、亡き二代目ご主人宇佐美辰一さんが語る興味深い話題を残しておられます。そのノウハウや薀蓄は、『きつねうどん口伝』(ちくま文庫)でぎゅっと凝縮されておりまして、ウドンに対する愛情と情熱は素晴らしいものがあります。特に一枚のお揚げさんを作るのに三日掛かりなんですから完全に脱帽せざるを得ません。京都では、こちらも四条・南座横にある松葉屋さんのニシン蕎麦が有名なのですが、ウドンではやっぱり「おめん」さんでしょうね。ここのウドンの出身地は上州(群馬県)伊勢崎っていうんですから驚きます。お野菜たっぷりのつけ麺で、胡麻がとってもよく利いています。醤油味です。私は妻の実家が近いこともあり、おめんの四条店(京都市中京区御幸町通四条上る)さんのほうへ伺います。更に決して忘れられないのは讃岐ウドン!これを除いてはウドンのことは決して語れないでしょう。何しろ喫茶店なんかよりウドン屋さんが圧倒的に多く、街を歩いても矢鱈とウドン屋さんに出会いますもの。どこでも手打ち麺で腰がしっかりしています。ウドン巡礼のウドン専用タクシーなるものもありまして、名店巡りもできるのですから参ってしまいます。薬味は前の畑から自分で採って来てといわれた時には本当にびっくり致しました。大きな盥(たらい)に盛られたウドンを食べたことも御座います。釜あげという意味なんでしょうか。どこも名店揃いなので四国新聞社の「讃岐うどん遍路」でもご参考に是非どうぞ。博多の祇園山笠など博多にお邪魔する時に必ず立ち寄る「かろのうろん(角のウドンの意味)」など、博多はウドン発祥の地だそうで石碑も建っているようですが、博多っ子は腰があるウドンは大嫌いなようで、ウドンは腰がなく、あっさりさっぱりしています。五島列島のウドン・「こんどう」なんかの手延素麺はウドンとして最高でしょう。又沖縄のウドンはあるにはあるのですが、今は殆どが讃岐ウドン系でして、一般的に言われている沖縄そばがウドンに当るのでしょうか。ソバと銘打っても蕎麦粉は全く入っていないからですが、ただ作り方はラーメンと同様にカンスイを入れてから捏ねているようです。各地には色んなウドンがありまして、本当に楽しいですね。個人的にはツルッツルの半田の手延べ素麺白石のにゅうめんなども大好きです。でもやっぱり秋田の稲庭ウドンが最高でしょうか。可笑しな習性ですが、長谷寺参道などで売られている三輪素麺の、曲がった端の部分で安売りの大袋に入った麺も大好物で欲張りなんです。ウドンだけではなく本来お蕎麦も大好物ですがね。

 

      <最後に>

 さてさて随分横道に反れてしまいましたね。書きたいウドンは自宅でのウドンの楽しみ方です。寒くなると、ウドンを食べたい心境はお互いさまでしょう。乾麺を茹でる時は、一度煮立ったところで、火を止め、蓋をしたままむらしておいてもよく、そのまま煮汁に入れてもいいでしょう。とろみが着いて逆にこの方法が冬場にはいいかもしれません。これが「ひっぱりウドン」の源流なのでしょうか。寒い日は素麺など夏の物だと決め付けないで、例えば金沢式の「にゅうめん」などの方法もありますね。先ずお茄子のヘタを取り、縦に二つ割にします。斜め格子に包丁目を入れて、水に晒し、さっと熱湯に潜らせておきます。別にやや甘辛の煮汁を煮立て、茹でた素麺と茄子を入れて一緒にアツアツの状態で食べるのです。寒い日の定番ウドンは、やっぱりカレー粉と和風に醤油をたらして作るカレー・ウドンも偶にはいいなぁ。お野菜はトロトロになるまで煮込めばきっと美味いでしょう。今夜は叔母が夕餉の支度をする晩です。さてウドンは出て来るのでしょうか。スキヤキだったら、後のお汁を少し薄めて卵とじしたウドンを食べたいものです。私の出番だったら、今夜は秋田のしょっつる鍋にし、最後稲庭ウドンで仕上げたいな。こんな駄洒落のようなお話で今日は本当に済みません。ただ、あなたさまに暖まって戴きたいばっかりに。お風邪など召しませんよう、ご機嫌よう!

 

 

 高松のウドン専用案内タクシー ウドン巡礼専用車 可笑しいでしょう!

 

 

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