炉開き 玄猪 とおかんや

 

炉開きの軸物     炉開き    紅葉の亥の子  

 

 

 

 

炉開き 玄猪 とおかんや

 

 

 朝早く、いつもの通りキッチンに向かうと、叔母やお手伝いさんがあれこれ忙しそうにしている。

何かというと、今日は「炉開き」でしょうと。そうっかぁ、もうそんな時季かぁ。

 

早速、庭に出て茶花の選定。叔母がここに帰って来た日に、紅白のユキツバキと西王母がわずかながら咲いていたらしい。

 

亥の子はどうしたと聞くと、夕べから作ってるわよ、

「亥子餅は七種粉でね、大豆・小豆・大角豆・胡麻・粟・柿・糖が入ってるの。鍵善さんのより美味しいかも」と。

「神無月(旧暦)しぐれの雨のふることにわが思ふことをかなへつくつく」と三べん唱えながら作ってあるから、

亥の子とは玄猪のこと、多産のお祈りのあやかり、無病息災祈念し給ふ。古今東西併せ、当家の、最近始めた古い習慣。

長女・杏には、古い習慣を身につけさせたくて、ただその一点のみ。

今日は日本におけるハロウィンの日に違いないのだから。

 

朝のお膳もちゃんとした茶懐石。早速茶壷を開けに。新茶の封を小刀で切り、部屋中素敵な香りが広がる。

こうして亥の日には炉開きをして風炉を封印す。序でに炬燵開きもす。亭主は私。

古来、旧の十月、中の亥の日が炉開きの日であり、亥は五行で陰の水に相当、

この日が極陰とされるため、火と水の関係から陰陽和合の思想なれりと。

茶席には、日頃お世話になっているお手伝いさんも席に招く。

玄猪を戴いた後、濃茶。その後お料理で、意外に美しく盛られていた。

小一時間余、茶席は一通り終了せり。茶人としてのお正月を迎えたような素晴らしい気分。

開け放たれた炉は、来年陰暦三月の晦日、「炉塞ぎ」まで活躍することに。

 

濃茶を点てる。子ども達は除いて、皆で廻し飲みす。

利休居士が、「柚子の色づくを見て囲炉裏に・・・」といわれたのを思い起こす清冽な朝の儀式。

十日夜(とおかんや)は、今宵、稲藁(雪囲いのためにあり)鉄砲のタタキを作り置いて、杏の出番。

 

 と~おかんや~ とおかんや~ 10日の晩のワラ鉄砲~
 う~んとうって~ うちのめせ~ ど~んとうって~ うちのめせ~
 ぼたもちくっても とおかんや~ めんめんくっても とおかんや~
 と~おかんや~ とおかんや~

 

 と、果たして、杏は歌えるだろうか。親ばかチャンリンで、一緒にやればいいことだろうよ。

亥の子もとおかんやも収穫感謝、祈念の意。「勤労感謝祭」には、天皇陛下自らで「新嘗祭(にいなめさい)」が行われたはず。

我が国家の五穀豊穣へ感謝を忘れない。それが都会に住む人間の、最低の務めなりと、毎年強く戒め思う。

 

晴れ着姿の妻と杏、大風はまだまだ赤ちゃん。

父も久し振りに紋付の着流し。厳父には、如何にもピタリと似合ひたり。

父が茶を飲んだ後、叔母(家ではれいさんと、さん付けで呼ぶ)が来て、帰って来て今月で20年目だと。

しみじみと述懐する二人。叔母も心から嬉しそう。亭主の私からお手伝いさんへ特別にお包み。

皆嬉しそう、何がいいったって、こんないいことはない。

いつもれいさん、有難う!子ども達はまだまだ手が掛かるから、どうぞよろしゅうにと、しづが何度も。

微笑み返す叔母とお手伝いさんたち、晴れやかな顔。

 

爽やかなりし霜月ぐれの朝。今日出雲大社である「神迎祭」に、心から思いを致す。

小春日和の中、真っ赤なマユミの実の下に散り松葉、いとあはれ、いとおかし。

 

 

 

 他、乞うご参照 当ブログにて 「神在月(かみありづき)ととおかんや」

 

 ユキツバキ 2 紅156   西王母   

                       ユキツバキ                       西王母                                

 

 

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