歳末懐中覚書 (その一)

 

 

 歌川広重 筆 「浅草金龍山 歳ノ市」 図

 

 

 

 

        歳末懐中覚書 (その一)

 

 

 ささやかなボーナスも支給出来ました。出資原資を聊かも使わずに、このような世界不況のただ中、資金の運営だけでこうしてやれたことを、スイスに本社があるパーソナル・バンクのPECTET社に心から感謝したいものです。一人では何もやれないことを同時にしみじみと実感致します。有難いものです。やっと今年も数え月から数え日になり、風生が俳句、「数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ」という心境でありましょうか。もう直ぐ冬休みとなりますから、身辺をよくよく注意したいものです。そんなわけで本日は「歳末懐中覚書 その一」と称しまして年末に起きる様々なことを書き記してみたいと存じます。

 

        <年賀状>

 随分前から賀状を送る習慣をなくしておりましたが、いずれもどこにいてどうしているか、自分でもよく分からなかったぐらい忙しかったからです。世界を飛び回り、日本にいても御祭や歳時記を追い掛け、モノを考え、始終忙しかったからに他なりませんでしたが、それは今や理由にはなりません。こちらから差し上げなくともたくさんの賀状が送られて来るからでもありますが、お正月を過ぎてから出すのもどうも気が引けます。そして私は結婚を機に再び再開致しました。無論そろそろ書き出しているところですが、来年の干支が虎なので、赤星選手が引退することになった阪神タイガースに心を痛めています。あれだけ偉大な選手はそうザラにはいないでしょう。でもきっと新しいタイガースの復活を熱望し待望するものです。話は横道にそれましたが、要するに12月15日から年賀状の受付が始まると言うお知らせをしたかったのです。元旦に配達可能な年末は25日が限界でしょうか。一人一人思いを籠めて手書きで書かせて戴きたいものです。ただ量が半端ではないので、失礼にならない方にはパソコンで手書きの文章をコピーするしかありませんけれど。

 

         <歳暮祝い>

 日本は世界で唯一の多神教文化の国家と言っていいでしょう。私たちにはそれほど深い認識はないのですが、通過儀礼といい、あらゆる儀式に、ともに笑いともに泣くという独特な感覚はありませんでしょうか。つまり極端な個人主義になれないのが普通一般です。よきにつけ悪しきにつけ、こうした国民性はお歳暮や年賀状に表れているのでしょう。古来は「掛乞(かけごい)」とか「掛取(かけとり)」などがあった時代は殆どツケで買い、一年のうち盆暮れの二度にまとめて代金を支払ったものです。中でも最も忙しかったのは大晦日でして、一年の決着をつけるわけでした。落語などでもお馴染みでありましょう。正月を迎えたっていうのに借金取りが来て「掛乞」をしてやられたとか、やはり新しいトシ神さまを新鮮で強いパワーでお迎えするのに、年末には綺麗さっぱりしていたいものですね。歳暮の感覚もこれに近いもので、この一年間のご交誼を感謝する意味で、お得意先・上司・先輩・親戚・知人などで、普通は目上の方に対してしたものです。最近のお歳暮はあらゆる製品が跋扈しておりますが、ごく最近の昔までは米と魚が多かったようです。新年にやって来るトシ神さまへお供物として差し上げられたものでした。トシ神さまとお食事をともにする共通の感覚があったからでしょう。目上の方にはトシ神さまのような、一種の神として考えられ、一年間の神への感謝と同じような気持ちではなかったでしょうか。商売人はカレンダーや手拭を贈りますが、これも顧客に対する感謝からでありましょう。それを「歳暮祝い」と申しましたが、今では端的に「歳暮」と言われて。そして目上の人はただでは帰さないはずで、お返しをする習慣もありました。例えば親方が歳暮返しとしてお酒を贈ったとかよくあったことです。お互いに信頼しあういい習慣であったことでしょう。お嫁さんの実家に初めて歳暮を送ることを「初歳暮」と言った言葉もあります。お義理やご機嫌取りや、そんな虚礼ではなく、心から感謝の意味を籠めたいものです。更にどんなに遅くなっても15日までには贈答を終えたいものです。当家では必ず歳暮返しを今でも続けています。( 「お歳暮・くじ引き・冬休み」 ご参照賜りたし!)

 

      <熱いお風呂>

 中高年の方々には温かいお風呂に浸かって戴いて、冷めた身体をほっかほかにしてさしあげたいものですが、いきなり熱いお風呂は絶対にいけません。目安は40度で、それ以下でもいいくらいです。ぬるいお湯に、心臓が慣れて来たら徐々に温度をあげてもいいでしょう。それでも42~43度が限度でしょう。いずれにせよぬるめのお風呂でじっくり浸かったほうが湯冷めもしにくいし、ぬるいお風呂は精神的にも筋肉の安定上でも大切なことだと医学的な証明があるぐらいです。又わざわざ丸裸になるのが面倒だと言う場合、足湯だけでもよろしいのではないでしょうか。足湯をしながら読書なんか、なかなか粋でいいものです。庭の橙や獅子柚子や柚子、或いは林檎を切って入れてもいいものです。お風呂にはいい香りが絶対に付き物です。石鹸や、薔薇の香りの洗剤なんかもいいかもね。いい香りを出すのに惜しんではなりません。

 

      <迎え酒>

 忘年会のシーズンです、飲酒の機会が多いことでしょう。自己が分からなくなるぐらいの酩酊は断じて避けたいものです。無理矢理飲まされたわけではなく、自ら進んで好きで飲むわけですから、どんな失態も許されないぞと心に刻んでおくべきでしょう。お酒はゆるりと楽しむもの、それに決まっています。でもましてや飲酒運転などは絶対に言語道断です。注意していても、偶に翌日まで前夜のお酒が残る場合がありますが、同じ酒でも「迎え酒」となると無粋なイメージがあるでしょう。でも二日酔いとなるとそんなことも言っておられません。二日酔いには迎え酒がいいと古来から言われています。実はこれはかなり科学的な根拠があるお話なんです。アルコールは酵素の働きにより体内でアセトアルデヒドから酢酸に変化し、最後に炭酸ガスと水に分解される道を通ります。アルコールは大脳の中枢神経を麻痺させ、心地よい酔いを感じさせますが、分解物質であるアセトアルデヒドは頭痛や嘔吐など所謂二日酔い症状を起こすもとになり、この成分はアルコールに比べ格段に分解するのが遅いので、翌朝までひびいてしまうのです。ところが科学実験によりますと、アルコールは逆にこの悪者のアセトアルデヒドを抑制する効果があるのです。これが迎え酒が効くという根拠になっているようです。但し小さなグラス一杯ぐらいでやめておきましょう。更に飲んでしまえば何もならなくなってしまうんじゃないでしょうか。(「春の魁・冷酒の心得」 ご参照賜りたし)

 

      <悪酔いの看護>

 お正月や忘年会など、今年は大変だったなぁと嘆かれる方々は悪酔いするまで飲んでしまう例も結構多いことでしょう。そんな悪酔いした連中を送り届けたりするのは大変なことです。よっぽどの重症であったなら、救急車を呼ぶしかないのですが、そこそこかなぁと思われる場合は最後まで友情を示したいものです。急性アルコール中毒で医者が処方するのは、ブドウ糖とビタミンB2を主体とするビタミン類か、アドレナリンを含む強心剤の注射をするのが精々らしいです。暴れるような場合でも精神安定剤や睡眠剤を投与は先ずしないようです。症状を悪化させ死亡する例が絶たないようで、前記のような軽い処置で終わるのでしょう。周囲にいる場合、なるべくトイレでゲロを吐かせ酒気を減らすことに努めるべきでしょう。その後ぬるま湯でハチミツなどを溶かして飲ませ、保温に気をつけて安静に寝かせておくべきでしょう。

 

      <降誕祭の贈り物 クリスマス・プレゼント>

 サンタさんからのプレゼントとして通用するのは、私の場合中学一年まででした。母が涙ぐましい努力の結果、確かにサンタさんがやって来たんだと思ったものでしたが、中学に入ると直ぐ友人から散々馬鹿にされ、夢は儚く頓挫したものです。私の場合、その直後の夏に、母が交通事故で突然亡くなりましたが、いずれもいい思い出しかありません。絶対親がしているんだと、何度か寝たふりをして布団を被っていたものでしたが、それでも分からずに届いていました。日本人にクリスチャンは割りと少ないはずですが、でも25日にキリストが誕生していないとか色んな説があるのは確かですけれど、子ども心に楽しいものとして受け入れていたのでしょう。でもどうでしょうか。そんな儚い夢がなくなって少し大人になった子ども達に、聖書をプレゼントしてみてはいかがでしょう。あれば必ずどこかパラッとでも開くのではないでしょうか。当財団や前会社では英語を書いたり話せたり出来ない人は決して入社させることはありませんでした。私どもの財団の、単に植木屋さんのような方でもその点をきっちりと守っています。今こそ英語であらゆる情報を掴むべきで、立花隆さんはどこかで現在の日本は第三の鎖国時代だと厳しく言っていたことを思い出します。超個的に凝り固まった若者が多いからでしょうが、ニートとか、或いはオタクとか、何か自慢でもしている風で気になります。勉強しないツケと、戦後教育の誤りがあったからで、日本の報道機関やマスコミも大きな責任があります。今世界で何が起きているのか、我々日本人の立ち居地はどこなのか、日本の報道で正しく知ることは出来ません。殆どが下らない芸能記事やお笑いや食べ物などで、挙句の果てはとんでもない殺戮の報道で情けないです。バブル全盛の時は一億総不動産屋で、その後一億総詐欺師で、今は根本的本質的議論がないままに政治の貧困化が進み、ひたすら痴呆化している現状ではないでしょうか。何故こんな話で横道に反れてしまったかを申し上げると、バイブルを少しでも理解していないと、海外文化は無論のこと、あらゆる根底になっている基本的な事実を理解出来ないからなのです。日本人のポジショニングを英文Googleの検索を完全にマスターし駆使しあらゆる情報を取れなければ、新たな鎖国国家と言われても全く過言ではないのです。日本語だけの情報収集と英文による情報収集では天と地、雲泥の絶対的な差があります。語学留学など簡便な留学を除き、近年あらゆる海外留学など圧倒的に減っているのが事実だからです。バイブルを通し、あらゆる世界にいつも開かれているのだと言う感覚と確信は大切なことです。NHKで放映中の「坂の上の雲」を思い出しましょう。子規は全く駄目でも真之なんか流暢に書き喋り、堂々と対外的にごして行ったではありませんか。英語を普通に喋れて、読める力がなければ何処にも行けないし、何一つ為しえないことを深く自覚すべきです。英語力をつけることは同時に日本語の勉強に必ずなり得るのですから。今更緒方洪庵を引き合いに出すまでもないことです。何に対しても原文・原語主義を通すべきで、バイブルはその発端になればクリスマス・プレゼントとして大きな価値があることではないでしょうか。英語が読めれば、イスラム社会にだって幾らでも通じますし、アラスカのイヌイット達やボラボラ島やタヒチや、南米チリやブラジルでも、北欧のフィンランドやスウェーデンでも全部通じます。アフリカでも充分です。中国は今や爆発的に世界の中国として発展している起爆剤は若者の英語力で決まっています。少なくとも世界各国で大学出の人は必ず英語が出来ますし、辺境に行っても通じる場合が殆どなのです。 (「キリスト教とクリスマス」をご参照賜りたし)

 

      <新しい漆器>

 お正月のお屠蘇や雑煮用のお椀などのために新しく買った漆器の場合、偶に漆の匂いがする時があります。そんな時はお米の中に数日間入れておきますと、漆器特有の臭みが取れます。臭みは漆が完全に乾ききっていないからですが、或いは日陰の風通しのいい場所で並べておけばいいでしょう。或いは梅酢布巾や、どんなお酢に浸けて絞った布巾でもよく、漆器をちゃんと拭いてあげることが絶対にいい方法です。漆器は、心を籠め大切に扱うと充分それに応えていつまでも美しく存在してくれます。

 

      <お正月用食品>

 近頃、どこのスーパーでも正月早々から営業していますから、お正月料理を作らない人が増えています。お正月料理をセットで購入する方も多いのでしょう。でも当家では必ずトシの神さまであるお正月さまに対し、ちゃんとした礼を尽くしたいがために全部手製で作っています。どんなお料理にもそれぞれ意味があって面白いものですよ。それって「言霊(ことだま)」なんじゃないのと簡単に言うことは決して致しません。ですからそのためのお買い物が大事になってきます。暮れも押し迫ると品薄になり品質も落ちてきます。瓶詰め煮栗やゴマメ・黒豆・小豆・塩カズノコ・塩鮭・スルメ・昆布・乾燥カタクチイワシなど保存が効くものは今月の遅くとも20日までに揃えます。京ニンジンなど、代表的な京野菜が直送されてくるのも殆ど20日ぐらいまでです。冬至の前後やクリスマスの前後は何でも高くなります。27日を過ぎると今度はお正月の商品で満載になるのですが、結構なお値段になります。そこで魔の空白日時である25日26日に纏め買いをしてしまうのです。レンコン・ゴボウ・ダイコン・キントン用のサツマイモなどの根野菜や泥ネギや白菜なども、新聞紙に包んで北側の日陰に置けば充分もってくれます。ハムとか肉類もほぼこの時期に仕入れます。中には櫻の、伐採された枝でスモークする鮭もありますし、現地直送ではクエやズワイガニや花咲蟹も楽しみです。でも中には逆に帆立やマグロや牡蠣など生鮮食料品は鮮度で勝負する材料ですので、お正月が近いと安くなる傾向にあります。そんな時に生鮮食料品を買い足します。蒲鉾などの練り物も我が家で作ります。餅搗きの器械がありますから、九餅(29日に搗くお餅のこと 苦餅ともいう)にならないように、30日か大晦日に準備します。大晦日用のお蕎麦も、ダディが手打ちで頑張ります。親戚は約50人以上でしょうか、殆ど二日に集合します。それまでは京都から帰って来る予定です。ダディはそんなわけでとても忙しいのですが、私の後ろ姿を杏や大風が見てて、お正月さまへの心得がそれとなく伝われば、こんな嬉しいことはありません。(「新年の準備と大晦日」、及び「正月飾りの色々」をご参照賜りたし)

   

      この他の続きは明日以降に致します!

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