十三夜

満月

 

 

十三夜

 

 

今宵十三夜!

 

当Blog9月23日に、『観月考』を書かせて戴いたが、

十三夜とは旧暦9月13日のことで

旧暦8月15日を仲秋の名月と呼ばれるのに対し、

旧暦9月13日は、我が国固有の美意識に満ちた観月のことを言い、

月遅れのこの月を「後の月」或いは「名残の月」とも呼ばれ、

仲秋の名月に少しも負けていない美しい月である。

919年醍醐天皇の月見の宴から始まったとも、

宇多天皇がこの夜の月を「無双の月」と絶賛したからとも言われているが、

元来我が国に伝えられた固有の月見に対する美意識の行事ではなかったろうか。

仲秋の名月とは色彩も明るさも若干違い、上部左側にやや欠けた部分があるものの、

殆ど満月とは変わらず、朧月夜のような興趣でもあり、すべてが満ち足りたものより、

少しだけ足りない分をこよなく愛した古人の謙譲の美徳を考えないわけにはいかない。

 

仲秋の名月は芋名月と言われるのに対し、

十三夜の名月は豆や栗を供物として差し上げるので、

豆名月とか、栗名月とか言われている。

 

気象予報によるとちょうど今宵は全国的に晴れ渡るはずなので、

日本全国どこからでも観えようかと存じまする。

どうぞ充分に今宵の観月をお楽しみ下さりませ。

 

 

お断りするのを遅くなって、眞に済みません。写真は満月のしかなく、イメージで出しました。

実際はオレンジ色掛かった落ち着いた美しい月でしたね 久し振りに感動致しました。尚今回の満月は26日です。

 

カテゴリー: 歳時記 パーマリンク

十三夜 への2件のフィードバック

  1. 道草 より:

    昨夜は雲ひとつ無い空に皓々と輝く十三夜の月が観られました。「霜降」の時期に入るものの気候は好し、少しなら窓を開けてもそれほど冷えず、やや楕円形の栗名月を肴に美酒に堪能したことでした。遙かな名月に遠き歴史を偲びつつ・・・。
     
    「九月十三夜」  上杉謙信 

    霜は軍營に満ちて秋氣清し                                         數行の過雁月三更
    越山併せ得たり能州の景
    遮莫家郷の遠征を憶うを
     
     
     

  2. 文殊 より:

          道草先生
     
     夕べ私も友人を三人ほど自宅に招いて、銀盤で月見酒を致しました。今度中国も月の探査機を打ち上げるらしいですが、
    誰がどうやろうと、古来からの月見の習慣は衰えないでしょう。今日の霜降は先日奥日光の朝に経験致しましたが、夜露は
    草木について真っ白。小田代が原の下手糞な写真にも幾らかその兆候が見えませんでしょうか。季節は最もいい頃合ですね。
    「こころなき 身にもあはれは知られけり 鴫立つ澤の秋の夕暮れ」は定家が選んだらしい西行の歌ですねぇ。幽玄を禁じえません。
    今宵も又冷酒を飲んでいます。妻なき時の友はやはりこれでしょうか!
     

コメントを残す